2012年12月29日土曜日

The Man of The Year

今年最も活躍した人, 歴史に残る人 − 野田前首相

任期一年余りにして民主党と自民党双方に引き摺り下ろされた形の野田首相だが こんなに難しい内外の政局にあって今まで誰もが判っていて誰にもできなかった「消費税増税」を可決し「財政と福祉保障の改革」に筋道を付けたことはおおいに評価されるべきである。
もし野田首相が党利党略、私利私欲を優先する人物であれば「消費税増税」は遡上にあげないばかりか解散にも言及しなかったと思う。 
解散することが負け戦であることが判りながら解散したのは財政改革がさけて通れない日本の課題であり先送りしては行けない、 自分しかやれないと決意しての遠謀深慮の末の解散であったと思う。
民主党は大敗したが異質な宇宙人や黒幕が党を去り本当の民主党の仲間が残ったのだから純粋民主党として再出発することができるのでよかったのではないか。
野田首相の決断と業績は後年輝いて見えてくると思う。

2012年12月28日金曜日

安倍首相に求めるもの

安倍内閣が動き出した。 安倍総理大臣は就任前から意欲的な発言で株価が上向いて対ドル相場も急速に円高修正に動いている。 政策を打ち出す前から期待だけで経済が走り出している気もする。 線香花火に終わらないように予算は総花的バラマキでなく集中して投資して欲しいものだ。
安倍さんは張切りボーイでサービス精神旺盛だから各地でリップサービスしているようだが自縄自縛にならないように気をつけてもらいたい。 
国のトップに求められるものは広い見識と深い洞察力であって国民のレベルでものを考える必要はない。国民の意見は多様であり全ての人を満足させる政策は有り得ない。
特に外交問題に対しては注意が必要だ。 例えば北朝鮮の拉致被害問題で就任早々遺族会に面会して「拉致問題は自分が就任中に必ず解決する。好転しななければさらに圧力をかける」などと早々から宣うのは軽卒の極みである。 外交問題は相手があることだから自国の意気込みだけではどうしようもない。 ましてや相手は一筋縄では行かぬ北朝鮮。 そう決意しているなら口は閉じて早急に交渉を独自に再開して(六カ国協議に頼らず)奪還か制裁かを迫るべきである。
 拉致問題はそもそも6カ国協議にはなじまず解決が難しい問題で多国間の協議にのせるべきではないだろう。
総理も副総理も正直で人が良いので 外交で通じるかどうか心配である。
総理大臣以外の日本の閣僚は元々スペシャリストではなく官僚と内閣の取次ぎ役みたいなものだから誰がなっても同じだと思うが自民党の議員なら次にこけたらもう後がないのは判っているので今度こそ真剣にならざるを得ない。 特に石破幹事長を据え置きを菅義偉氏を官房長官に任命したのはその現れだ。今回は本気で改革に取組む意欲ありと見た。

2012年12月21日金曜日

安倍政権への期待



自民党の安倍総裁は選挙前からインフレ目標設定など大胆な景気対策を取ると発言し株価は日経平均が1万円を突破と大したご祝儀相場になっています。経済は心理的なものだから安倍政権の経済政策への期待も高まっているいうことでしょうか。

自民・公明両党が計画している補正予算は10兆円程度と額が膨れ上がりつつあり、その中心は従来型の公共事業中心になる可能性が高く、赤字国債の発行額も増加するようです。

しかし私はすっきり上向き気分にはなれません。 よく考えると主演が民主党から自民党に代わり中身が「子育て支援」や「農家所得補償」が「公共事業投資」に代わっただけで財政や構造的な問題の改革には言及していません。 つい先日まで民主党の政策をバラマキと非難し大型赤字予算を非難しておきながら自分たちは同じことをしようとしている。 景気優先とはいえマスコミも国民もこのことについてはだれも何も云わないのはどうしたことでしょうか。

政権発足当時はいつもながら政治や経済への期待感での支出がなされれば、それなりに景況感を引き上げるのは確かです。
しかし事業は日本経済の再生に役立つ内容ではなく、持続的な効果は期待できません。一方で財政は一層悪化します。

過去6年間毎回首相が変わるごとに期待しその都度裏切られてきました。 景気に拘っていると本当の国造りはできません。
「強い国日本」にならなくてもよいからもやもや解消「信頼できる国日本」になってほしいと思っています。

2012年12月18日火曜日

衆議院選挙

衆議院選挙では自民党が大勝しました。
私は在外選挙で橋下・日本維新の会に投票してきました。日本の構造・体制改革を推進してくれるのは「日本維新の会」だと思ったからです。 石原代表の「大同小異」は正しいがもう少しものの言い方に気をつけてもらえばもっと伸びたのではないかと残念に思います。 将来古株が抜けて「みんなの党」と合流すれば将来もっと大きくなる可能性があると期待しています。

安倍首相の再登場で日本はどう変わるのか気になります。 
2006年安倍さんが初めて登場したときに「美しい日本」を創ろうと云いました。 今度は「強い日本」を創ろうと云っています。 この人も言葉が観念的でうわずっており現実をどの程度世界を認識しているのか疑問に思います。 憲法を改正し国防軍に衣替えし軍備増強しても日本は強い国にはなれません。 安易なナショナリズム吹聴してほしくありません 。 世界の指導者は激しい権力闘争をを勝ち抜いたしたたかなで老練な政治家ばかりです。 Never, Ever *Trust Me* などと馬鹿げたことを言ってほしくありません。

日本は家に例えれば耐用年数が過ぎ全面建替が必要な古家に似ています。 政党や政策の選択だけでは根本的な改革は望めないことは小泉内閣以降の自民党や民主党の政権を見れば判ります。 
本当に国(益)を支える政治・外交は一朝一夕にできるものではなく総合的な政治力(国民の政治意識と民主主義の浸透)や経済力をベースに指導者が国民の理解と信頼、支持をどの程度集約出来るかにかかっているように思います。 幹事長留任の石破さんあたりが党内を引き締めて今度こそ国民の期待に答えて欲しいものです。
「日本維新の会」という新しい芽が出てきたことと自民党が新しい自民党に生まれ変わることに期待しています。

2012年12月13日木曜日

北のロケットは安倍総裁を後押し

衆議院選挙を2日後に控え自民党が勢力を伸ばしているようだ。
北朝鮮のロケット打ち上げが自民党安倍総裁の「強い日本を造る」という勇ましいスローガンを後押ししている。 中国の領海侵犯や北朝鮮のロケット打ち上げが平和慣れした日本人に国際政治や外交の意識を呼び覚ましてくれるのは結構だが下手にナショナリズムを刺激し自衛隊の増強や核保有の議論に発展しては困る。 
維新の会の石原代表はすぐにこのような話題に飛躍してしまうので国民の反感を買うのである。 維新の会は石原氏の発言で大分票を失ったのではないだろうか。
自衛隊を国防軍にしようが憲法改正しようが本当の強い日本を造ることはできないのだ。
本当の強い日本を造るのは教育と意識改革である。
橋本市長が率いるオリジナル「日本維新の会」はこれに合致する。 
日本維新の会に頑張ってほしい。

2012年12月8日土曜日

衆議院選挙投票

私は海外在住だが在外選挙登録をしたので今回の衆議院選挙には投票出来る。
最近の日本の政治を見ながら政治の刷新をしなければ日本の経済,社会の復活はあり得ないと思っていたので今回の選挙を心待ちにしていた。 
先の党首討論をYoutubeで見て党と党首の品定めをして一応投票先を決めていたがその後のマニュフェストの精査と選挙活動と選挙活動を数日見ることができて最終決定した。
今の日本社会は体制をそのままにした従来の政策論争では埒が開かず選挙の仕組みや行政改革、教育改革, 外交政策などの基本的な骨組みの変更を問う選挙だと思うのでこれを重点課題にしている「日本維新の会」と「みんなの党」が候補である。

結局小選挙区も比例区も「日本維新の会」に入れることにした。
12月7日にシアトル領事館に行き投票を済ませた。 平日午前中にもかかわらず小さな領事館にしては次々に投票者が訪れ選挙に対する関心が高いように思った。

2012年12月2日日曜日

党首討論

YOUTUBEで11月29日の党首討論を見た。 形はアメリカの大統領予備選のディベートと全く同じだが、ただ主張するだけの噛み合ない討論になるだろうとあまり期待していなかった。 
民主党・野田首相は自ら解散に追い込まれた立場にもかかわらず現実に基づいた政策と理念を落着いて堂々と主張していたのは彼がこれまでの首相と違って政治家としての信念を持っている人だと思った。 自民党の安倍総裁は舌の回りは悪いが少し想いと言葉だけが先走っているようにみえる。 具体的にどうするかは見えてこない。 公明党, 共産党、社民党、その他の少数政党の党首もさすがに場慣れした人たちばかりで政策をはっきりし述べ予想以上の出来ばえであった。 全体として判りやすい討論会になったと思う。
ただ日本未来の会の嘉田代表は明らかに即席政党、準備不足で質問にまともに答えられずこの場に出てくるには力不足は否めない。 
日本維新の会の石原代表は内容はともかく場所柄をわきまえてしゃべるべきである。個人的な座談ならイザ知らず国民に向かって政党としての政見を発している場であることを自覚してほしい。 さもなくばせっかく勢いを付けて「維新の会」と「太陽の党」が合流した効果が萎んでしまう。
 この討論会だけで結論は出せないが日本未来の会が小沢一郎の隠れ蓑であることがばれてしまえば萎んでしまうだろう。
維新の会の石原さんが云う「小異を捨てて大同(体制刷新)につく」のは正しい主張だからこれが浸透するように党内をまとめ東西で相乗効果を高めてほしい。
まだ投票までに時間があるので  紆余曲折があるだろうが民主党がやや回復し維新の党がじわじわ上がってくるような気がする。 私の希望が多分に入っている筋書きだ。

2012年11月30日金曜日

アメリカが確認(尖閣)

11月30日付け読売新聞によると

米上院は11月29日の本会議で、沖縄県の尖閣諸島が日本の施政下にあり、また、日米安全保障条約の適用対象であることを確認する条項などを、2013会計年度(12年10月~13年9月)国防権限法案に追加する修正案を全会一致で可決した。
中国を念頭に、「第三者による一方的行動は、尖閣諸島における日本の施政権を認めるという米国の判断にいかなる影響も与えない」との文言を明記。 米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約5条が尖閣諸島に適用されるとの米政府の立場についても「(同)条約に基づく日本政府への責任を再確認する」とし た。
 さらに、尖閣諸島海域を含む東シナ海を「アジア太平洋すべての国に利益をもたらす重要なシーレーン(海上交通路)」と位置づけ、「航行の自由」を守ることが米国の国益にかなうとした。
(2012年11月30日20時04分  読売新聞)
アメリカが自発的に尖閣諸島は日本の領土と確認してくれた訳だが日本も本気で取り組まねばならない。 新しい政府ができればはっきりとした対応を求められる。
もちろん沖縄の問題を含めて。

2012年11月27日火曜日

嘉田知事の後ろにまた黒幕が

嘉田滋賀県知事が脱原発を掲げて新党を立ち上げると発表した。 それはよしとしても早速「生活が第一」の小沢一郎が解党してまで合流するという。
結局は「生活が第一」が評判よろしくないと云うことで衣替え。 女性票をいっきに取り込んで勢力拡大を狙った合従連衡以外なにものでもない。
また黒幕が生き残りの戦術として暗躍している。 選挙民はだまされてはいけない。

2012年11月26日月曜日

新政党に批判的なメディア


12月16日の衆院選挙に向けて各党の選挙活動が活発化しています。
日本のメディアはどの政党に対してもネガティヴな記事が多いのですが特に新政党:日本維新の会や太陽の党, 両者の合流に対しては批判的な論調が目立ちます。
石原代表が「大同小異」を唱えて維新の会やみんなの党、減税日本などに合流を呼びかけているのを選挙目当てだと批判していますが自民党・民主党主流の政治を打破するには数が必要でごく当たり前のことではないでしょうか。
自民・民主両方で毎年のごとく総理大臣が入れ変わるのは本人の資質もさることながらねじれ国会が原因で国会運営がままならぬことが直接の原因でメディアがどうでもいいようなことを取り上げて政党や大臣をたたくので国民自身がいつも政治家に対して批判的、政治不信を招くことにも多いに原因があると思われます。
メディアとしては新党が出てきた背景と意義を理解し期待とサポートを表明する記事があってもよいのではないでしょうか。
どんな仕事でもある程度の時間がなければ良い仕事などできません。今回の選挙でどの党が第一党になるのか、どのような連合ができるのかはもちろん重要ですが、選ばれた人をどう支えていくかがとても大切な気がします。
国民全部が満足するような政策などある訳がありません。 要はどのように異なった意見をまとめコンセンサスを作り上げてゆくのかが喫緊の問題です。
今の日本に、これ以上足の引っ張り合いをしている余裕はないはずです。
国民も理解と忍耐と積極的な意思表示、サポート姿勢を持たなければなりません。 
日本の民主主義の真価が問われる時だと思います。

2012年11月24日土曜日

Black Friday


Thanks Giving Holidayの翌日の金曜日をBlack Fridayと云う。 
年間で一番ものが売れる日でこの日は何処の小売店でも黒字になることからそう呼ばれるようになった。 デパート初めオンライン・ショッピングを含む全ての小売業はこの日のために最大限のPRをする。
前日のThanks Giving Dayの新聞は本紙は数枚ながらチラシで膨れ上がり普通の日の5倍以上になる。 それを見れば今年の売れ筋が見える。 今年の主力商品は何と言ってもタブレット。 普段は値引きしないアップルでさえこの日だけはディスカウントとの対象になる。 アップルは値引きしないでも$500のものを買えば$100のキャッシュカード・商品券を付けると言った新手が現れた。 PCもスマートフォンも高性能の新機種が続々現れハイテク機器だけに私のような知識のない人間はなかなかついていけない。
Google Nexus 7,  Microsoft Window 8などアップルに対抗して新機能(?)を発表, スマートフォンに至ってはハードやソフト, ペイメント・プランも入れると200種以上あるだろう。 消費者はよほどの知識がないと買い物の決断ができない。 

従来ならばこのチラシの5割以上が日本ブランドで埋め尽くされていたが今年はカメラを除けばほとんど見当たらない。Sony, Panasonic, Sharpは何処へ行ったの?
日本の電機メーカーの苦境がここにも現れている。

2012年11月20日火曜日

政界のガイジン

日本の政界には外人はいませんが害人と宇宙人はいます。
宇宙人を兼ねた害人の一人鳩山元首相がついに出馬を断念しました。
止めると言って止めず出ると言っては止めこの人には恥と節操がありません。
これほどまで政治を堕落させ他人の期待を裏切った人はいないでしょう。
さっさと宇宙に帰ってもらいましょう。
あと二人害人がいます。 
ピンボールのようにあちこち当たっても相手にされず身内からも愛想を尽かされた御人ですが未だに警察庁長官のような言動と振る舞い、老害をまき散らすのは亀井静香。今度で終わりにしましょう。
最後は黒幕害人、積み木崩しが趣味の小沢一郎。 未だに古い自民党が通じるとの錯覚を持って腰巾着議員を従えての悪代官ぶりは身に付いている。なかなかしぶといのでお縄にはかからないがいずれ悪は滅びるのです。 地元岩手で一揆が起こるのを待っています。

2012年11月14日水曜日

野田首相 解散を明示

野田首相がついに解散を明示した。 一番思惑が外れたのは民主党議員、 特に組織べったりの実力のない議員ほど解散先送りを期待ししがみついていた者が慌てている様子が見て取れる。
野田さんは当内外の抵抗勢力をおさえて消費税問題を突破し議員削減にも道を付けた。
一番難しい問題を取り上げて約束どおり先送りせず決着をつけたのは 見事だと思う。 
野田さんの頭にあったのは政権維持でもなく民主党でもなくもちろん自分の政治生命でもなく今やらなければならないことを決めて前に進むことであったと思われる。 さもなくば負け戦と判りながら解散するはずがない。
国のために政治を前に進めようとする野田首相は在任は短くとも歴史に名を残す総理大臣になると思う。

2012年11月8日木曜日

オバマの勝利演説(2)

民主主義を最も理解している大統領

<勝利演説よりの抜粋>

I know that political campaigns can sometimes seem small, even silly. And that provides plenty of fodder for the cynics that tell us that politics is nothing more than a contest of egos or the domain of special interests. But if you ever get the chance to talk to folks who turned out at our rallies and crowded along a rope line in a high school gym, or saw folks working late in a campaign office in some tiny county far away from home, you'll discover something else.

私は選挙演説は対したことではないし時にはバカバカしく思うこともあります。
また皮肉屋さんには(選挙は)エゴのコンテストか特定利益の取り合いに過ぎないと云わせる材料を与えることにもなります。 もしあなた方が遊説を聴きにきて体育館の群衆にもまれた時、また家から遠く離れた小さな選挙事務所で働く人たちを見たとき何か今までと違った物を見つけるはずです。

That's why we do this. That's what politics can be. That's why elections matter. It's not small, it's big. It's important. Democracy in a nation of 300 million can be noisy and messy and complicated. We have our own opinions. Each of us has deeply held beliefs. And when we go through tough times, when we make big decisions as a country, it necessarily stirs passions, stirs up controversy.

だから我々は遊説しているのです。 それが政治です。それが選挙です。小さなことではなく大きく重要なことです。 3億人の国家の民主主義はうるさくて厄介で込み入っています。 各々が意見を持ち信念を持っています。厳しい時代を生きなければならない時、国家として重要な決定をしなければならない時、国民の熱な論議を促し論点を明確にしなければなりません。

America, I believe we can build on the progress we've made and continue to fight for new jobs and new opportunity and new security for the middle class. I believe we can keep the promise of our founders, the idea that if you're willing to work hard, it doesn't matter who you are or where you come from or what you look like or where you love. It doesn't matter whether you're black or white or Hispanic or Asian or Native American or young or old or rich or poor, able, disabled, gay or straight, you can make it here in America if you're willing to try.

アメリカ 我々は進歩を続け中産階級のために新しい仕事、新しい機会、新しい安全を求め戦い続ける。 我々は貴方が働く意欲がある限り、何処の誰であろうと、どこの出身であれ、誰に似ようが、どこに住んでいるかを問題としない建国当時の約束を守り続けられると信じています。 黒人であろうが白人であろうがヒスパニックであろうがアジア人であろうがアメリカ原住民であろうが、老若、貧富、ハンディキャップ, ゲイなど問題ではなくみんながやろうという気力があれば実現できます。


オバマの勝利演説(1)

大統領就任演説や年頭教書は何度も推敲を重ね計算し尽くされた演説だが 当選が確定した直後の勝利宣言は喜びと意気込みに満ちた新鮮で素直な演説だ。 
今回の勝利演説の中にも改めてオバマ大統領の心情を読み取れる要素がはっきりと出ていた。
選挙で支援してくれた人々に感謝の言葉を贈るのは形式でもあり礼儀でもあるのだがオバマの場合はそれが心底そう思っているのが伝わってきて感動する。
特にミッシェル夫人と二人のお嬢さんに対する愛情はアメリカ人の中でも格別のものがある。 
オバマはアメリカの国民の前で、また世界が注目している中で愛を叫ぶのである。
 オバマ大統領は世界で最も困難な仕事をしている人だが最も幸せな人だと思う。

(From CNN Transcript)
I wouldn't be the man I am today without the woman who agreed to marry me 20 years ago. 
Let me say this publicly: Michelle, I have never loved you more. I have never been prouder to watch the rest of America fall in love with you, too, as our nation's first lady.
Sasha and Malia, before our very eyes you're growing up to become two strong, smart beautiful young women, just like your mom.

2012年11月7日水曜日

オバマ大統領再選


一年の長きにわたる政治ショウはフィナーレを迎えました。

開票が始まった午後5時(東部時間午後8時)から午後7:30まではロムニーがリード。 アメリカの地図の中央部は赤(共和党色)に塗りつぶされていました。
オバマが獲得した州はニューヨーク州を含む東北部の数州に限られており一見ロムニー有利のように思われたのですがこれはあらかじめ世論調査で予想された展開でした。
同時に行われた上院(州ベース)と下院(選挙区ベース)の選挙では上院は民主党、下院は共和党が当選者を増やしていました。 特に上院では民主党の逆転勝利がめ目立ちました。 この時点で私はオバマ大統領の再選を確信していました。なぜなら大統領選挙と上院議員選挙はベースが同じだからです。
午後8時に西部時間帯のカリフォルニア州とワシントン州の投票が締め切られると同時にオバマの当選確実が報じられ逆転、一気に256票に達してほぼ当選を確実にしました。 8時15分には今回選挙の焦点であったオハイオ州でオバマが勝利して過半数の270票を越え再選が確定したのでした。

午後10時(東部時間午前1時)にロムニーは敗北を認めてオバマ大統領大統領に祝福の電話をしました。 彼はオバマ大統領がこの国の再生のためにリードして欲しいと期待を述べ家族や支援してくれた人々に感謝して演壇を降りたのでした。
このときばかりは言い訳をせず計算もなく淡々とした演説で去り際としては最もスマートで好感が持てこの一年の中で一番いい演説でした。

選挙中ロムニーは計算しすぎでその場その場でうまく対応することに精力を傾けすぎ時と場合により内容にぶれがありました。 ビジネスで成功した実績をそのまま政治にアプライしようとするところにも単純さと無理が見えました。 また一年以上もメディアにさらされ何回となくインタビューをうけながら彼の魅力のある人生哲学を語ることができない。従って国民は本当の彼を知ることができない。 これが最大の敗因だろうと思います。

オバマ大統領はが4年前に経済危機、テロとの戦い、高失業率と最悪の環境でスタートしました。 4年間で経済は大幅に改善したとは思えず失業率は高止まり。 財政は悪化。オサマビンラディンは取り除いてもテロ行為は一向に止まない。 リーマンショック後の金融危機や大恐慌を回避したというのは最大の功績であると思うのだが防御の実績はあまり評価されない。
選挙直前にはハリケーンサンディがニュージャージー、ニューヨークを襲い未曾有の被害を蒙った。 このような状況なら現職の大統領は能力の如何を問わず交代させられるのが普通でしょう。
オバマ強さはぶれないこと。 彼は隠すところが全くなく彼の半生は万人の知るところ。 何回となく聴いた演説の中には必ず教育と機会均等がでてくる。 彼自身が今あるのは教育と機会を与えられたからであるということを認識しておりそれを全ての若い人々に伝えようとするメッセージがこめられているのです。 またそれがアメリカ再生、経済再生への道であると云う哲学も読み取れます。
このような困難な時期に再選されたのはオバマという人が確固たる哲学と人間的魅力と信頼を備えた人物であったからと思うのです。

それにしてもアメリカ国民の選挙に対するのエネルギーは素晴らしい。
選挙のエネルギーは政治のエネルギー、政治のエネルギーは国のエネルギー
選挙に費やす長い時間と莫大な費用はこの国の根幹をなす自由と民主主義をメインテンスする費用としては安いものです。 


           

2012年11月4日日曜日

ハリケーンの被害

ハリケーン サンディが東海岸を襲ってから一週間が経った。 時間が経つにつれて被害の大きさと復旧の困難さが浮き彫りにされてくる。 停電は巨大都市と郊外の人口密集地帯の生活全てを麻痺させてしまう。 ガソリンスタンドの給油ができないと車が動かない。 電車はストップしたまま。 人やが物が動けない。 コンピュータが使えなければ仕事もできない。 近代都市は99%電気に頼っている。
広域の停電は復旧作業を困難にする。 照明なし熱源なしでは個人の生活も困窮を極める。 避難生活をしている人の映像は東日本大震災を思い起こさせるが社会的なインパクトは今回のハリケーン被害の方が大きい。
何しろ世界の中心ニューヨーク市の機能が麻痺半分している 。 ニューヨークにある三大空港はやっと使用出来るようになったがダイヤの乱れは世界中に及んだ。  周りのインフラが復旧していないので来る人も来れないし出て行く人も出られない状況が続いている。
息子家族はニュージャージー州北部の小さな街に住んでいるが幸い被害を免れ電気も翌朝には通じた。 すぐ隣の街ではまだ電気が通じていない。 近所の知り合いや友人がPCの充電や仕事に来るそうでガレージから直接入れる地下室を解放している。
 被害は免れたが生鮮食料品が不足しているようだ。 差し入れしようにも郵便局も宅配便も配達の保証はない。 しばらく様子をみるしかない。
昨日TVで赤十字が救援募金を始めたのを知りインターネットで募金をした。
ラジオやインターネットで知るかぎり日本での報道は2−3日にとどまり被害の実態を伝えているようには思えない。 また救援募金を開始したニュースは聴いてない。
東日本大震災ではアメリカから救援活動、援助募金など精神的にも金銭/経済的にも随分お世話になった。 今度は日本がお返しする時だろう。 早く始めてほしい。


2012年11月2日金曜日

大学の質と量

今まで何かと話題の多い田中眞紀子文部科学大臣だが今回は新設予定の3大学の設立予定を取り消したことでニュースになっている。
一方では定員割れで閉鎖する大学や学部学科もあり大学のあり方や経営が問われている。
多くの人が高度教育を受けることは社会的にも必要と思うが最近はいささか内容が伴わない大学が増えすぎているのではないだろうか。
一般教養や特定の知識を得るためなら専門学校で充分だと思うしその方が効率的に専門知識を得ることができよう。
アメリカでのコミュニティカレッジのように試験なしで誰でも好きな科目の授業が受けられるような解放された教育システムが必要と思う。
一定の単位ごとに受講料を支払いその単位は本格的な大学にトランスファ出来るから非常に柔軟にできている。 生涯教育に適した制度だと思う。

2012年10月25日木曜日

石原新党と維新の会に期待する


石原東京都知事が辞職して新党をつくることになった。 元々自民党ないしは既存政党が気に入らないで飛び出した人だから現在の政治の停滞を打破するために新党を立ち上げることにしたはずだ。 しかも橋本維新の会と提携する可能性が大だと見られている。
いずれも既存政党の枠組みを外れて政治改革を進めようとするグループだから2つの会派がまとまれば大きな勢力になることは間違いない 。
政治の改革はもはや既成政党の力ではできないことがこの5年ほどでよくわかった。
双方政策にまだ相当の隔たりがある模様だが党や政策を統一する必要はない。個々の問題に着いては賛否が分かれても国と政治を改革しようとの究極の目的のため多いに頑張ってほしい。 

2012年10月23日火曜日

第三回大統領選ディベート

3回目(最後)のディベートは熱のこもった討論になった。やっと本来のディベートが戻ってきた。 今回のディベートは外交問題に絞られたため世界情勢の認識と政治姿勢がもろに出てくる。 経済や社会問題のように国内各派に気を使う必要もなくまた数字のまやかしやレトリックも通用しない。(ただしイスラエルに関連する問題はユダヤ人グループの反応を充分考慮して発言している)
イラクやアフガニスタンでのテロはいっこうに収まらずリビアでの米大使暗殺など世界の現状はオバマ大統領にとっては不利な背景があるにもかわらず彼は終始雄弁であった。
論議の中心になったのはイランと中国である。 イランに対しては経済制裁が効果を現しつつあり近いうちに結論が出るだろう。 二人とも今後10年20年は中国の時代だという認識では一致している。 経済、外交、軍事でどう対応するかがアメリカの最大の課題である。
世界情勢の認識はさすがに現職で指揮官たる大統領の現実的な分析と見解が見て取れ微妙な舵取りに苦慮していることが判る。 大統領就任以来「ぶれない人物」の真価が読み取れる瞬間だ。 もし今日大統領がブッシュJRであったとしたら世界は大いなる混乱に陥っていたと思われる。 イラクにのめり込んだのはブッシュでありバブルを招いたのもブッシュである。大恐慌を防ぎイラクとアフガンから手を引いたのはオバマなのだ。 リーマンショック以降の経済は平常に戻りつつあり正常化するにはまだ数年かかるだろう。異常な社会が平常に戻ってもその時の施政者はあまり評価されないが。

今日のディベートを通じてロムニーは世界に対して歴史的認識が浅く表面的にしか見ていないことが判った。 また深い洞察力や忍耐に欠けているのを露呈してしまったので彼は世界のリーダーとしては相応しくない。アメリカと世界の重責を担うには不十分である。

 今日のディベートでは明らかな差が出て私見では 60−40でオバマの勝利。 ディベート直後のCNN POLLでも48−40でオバマが勝利とでた。余談だがCNNの解説では統計的にCNNのディベート視聴者は共和党支持者が6%多いのでPollの結果も修正しなければならない。
でも大半の有権者はもう投票(どちらにするか)を決めていて 今回のディベートの影響は少ないだろうと言われている。いずれにせよ本戦は接戦になるだろう。 

2012年10月18日木曜日

第二回大統領選ディベート


二回目のディベートは政策論争に全く新しい論点はなく(私の個人的興味もなかった)オバマが前回の敗北をどの程度挽回できるかが焦点であった。 実際にオバマは前回と打って変わって攻勢に出て厳しい口調でロムニーの政策の矛盾点(政策と減税がバランスしていない)をつきマサチューセッツ州知事時代の政策と今回の遊説の内容に相違点があるのを取り上げて一貫性がないことを訴えていたが所詮パフォーマンスに過ぎずいくら言葉で頑張ってみても大統領としての過去4年の数字(実績)をかえることはできず苦戦に変わりはない。
ロムニーは執拗に過去の数字を取り上げてこれ以上オバマ政権を続けることはできないと訴えるが自分はビジネスで成功したからというだけで具体的な政策は見えてこない。
双方とも重箱の隅を突っつくような仔細な揚げ足取りに終始してまるで品のない口喧嘩を長時間聴かされているようでうんざりした。
双方減点だが表面的には41対40ぐらいでオバマの勝ち、 総合して引き分け。
ただししばらく時間が経って熟考するようになればオバマの不利な点が浮き彫りになって逆評価になるのではないか。
オバマ大統領が大きな理想と政治理念をかかげて登場し今もこれに向かって進もうとしているが如何せん、国民の大半は「明日の飯」の心配が先で長期的な個人の投資(教育)や国家のあり方を考える余裕はないというのが実状
日本も同じことで民主主義のディレンマである。

2012年10月13日土曜日

ヤンキース イチロー

元々マリナーズのイチローファンだったがマリナーズはいつも負けてばかり、試合が面白くなければTVデも見る気がしなかった。 (本当のファンではないのかも知れない)
イチローがヤンキースに移籍してからヤンキースの試合を見るようになった。彼はヤンキースに移籍後打撃も好調で地区優勝にも多いに貢献したのでうれしいがプレイオフでも勝ってワールドシリーズに進んでほしい。
松井がヤンキースの4番を打っていた頃は毎日ヤンキースと彼の成績を注視していたが彼がヤンキースを離れると同時にTVも見なくなった。
やっぱりスターの力はすごいものだ。

2012年10月12日金曜日

雨期始まる

シアトルの夏はほとんど雨が降らず最高気温が25度前後だから最高に快適である。
今年は7月初めから10月11日まで雨が一滴も降らなかった。 いくら夏場の乾期とはいえ夕立さえ降らないのは珍しいらしい。
シアトルは海のそばだから紫外線がきつく眩しくて気温のわりには暑く感じる。 陰に入ると急に涼しく5度は涼しく感じる。
内陸に向かって走るほど実質気温が高くなる。 車に温度表示が出るのでよくわかるが5分走って5度違うことがしばしばある。我が家では裏と表で平均2度違う。私も含めて誰もはじめは信じないので同じ温度計を使って計り実証した。 表は日だまり、裏は海からの冷気が上がってくるのでそうなるのだと思う。
7月に日本から訪れた長女の家族、8月にニュージャージーから長男家族にも期待以上に好評だ。おかげで我々の今年の夏を十分楽しんだ。
今日から雨が降り続いても文句はない。 この雨があるからこそこの緑がありこの森がありこの自然がある。 雨が自然を育ててくれる。

2012年10月11日木曜日

副大統領ディベート


バイデン副大統領と共和党のライアン副大統領候補のディベートは政治の超ベテランと新鋭の対決。 内容よりもどのようなやりとりになるか興味深かった。 
なぜなら10月4日に行われた一回目のオバマとロムビーのディベートでオバマ完敗という背景があってバイデンとしては是が非でも挽回しなければならない立場にあったからだ。 しかしオバマと同様の現政府の当事者として内外の状況はバイデンにとっては不利以外のなにものでもない。 失業率は若干改善されたとはいえ(7.8%)依然として高止まり。 イラクとアフガニスタンはテロが治まらずリビアでは米大使が襲撃を受け暗殺される。 テロとの戦いに一向改善がみられない限り何を言っても言い訳になる。
バイデンはディベートとしてはよく頑張ったと思うが挽回を意識してか必要以上に 攻撃的で 若いライアンに対して軽くみるような態度であった。これが視聴者には傲慢に映った。一方ライアンはバイデンの攻撃に臆せず数字をあげて現状を歯切れよく批判し説得力があった。 いくらベテランでも若さと勢いには勝てない見本のようなもの。
私の採点で内容も好感度も55 vs 45でライアンの勝利であった。
潮目は共和党に傾いている。

2012年10月3日水曜日

第一回大統領選ディベート

第一回ディベート
オバマ対ロムニーの最初のディベートが行われた。
全般に盛り上がらない大統領選だがこのディベートだけは国民の多くが関心を寄せている。 終盤にきてオバマに大きく水をあけられているロムニーが挽回できる唯一のチャンスだからだ。
過去の大統領選挙でもディベートにおける返答エラーや失言で失速した候補者がいる。 それだけディベートの影響は大きい。 オバマ大統領はもともとブレない性格の人で頭の回転も早いので突っ込まれて答えに窮することはないと思うがロムニー陣営は必死に切り崩しにかかるだろうからホットなディベートになるだろうと期待していた。

今回の論点は経済(雇用)、財政(予算と税率)と医療保険改革に絞られたのでオバマにとっては冒頭から現状批判を受けざるを得ず不利な立場であった。オバマは終始防戦に追われいつになく歯切れがわるかった。 一方ロムニーは終始落ち着きエキサイトせず笑顔を絶やさなかった。今までにロムニーのイメージとは全く違い風格さえ感じさせる。ディベートでも現状をベースにオバマの政策を冷静に追求し相対的に自分の政策を持ち上げ国民の期待を背負うかのようにディベートをリードした。
今日のディベートでのロムニーの勝利は疑う余地がない。 すべての政治評論家はロムニーに軍配を上げている。これを裏付けるように終了直後のCNNの調査では67-25でロムニーが勝ったとの結果が出ている。いままで大差が着いていた好感度までロムニーがリードした。
結果としてディベート第一戦でロムニーは大逆転を果たしたのである。
明日の 全国調査の結果が待たれる。


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2012年9月27日木曜日

盛上がらぬ大統領選挙

投票日(11月6日)が迫っているというのに大統領選は全く盛り上がりにかける。
理由は明白、ロムニーの度重なる失言と彼の言葉が彼の実態とかけ離れている白々しさが誰の目にも明らかになって支持率が下がっているからだ。 結局オバマには対抗できないことが判ってきたので共和党内部にさえ批判が出ている。
一方米国経済は わずかながら改善の兆候が見え始めオバマには追風だ。
9月26日現在のCNN世論調査ではKey Statesと云われるオハイオ州で 51−44、フロリダ州 53−44、ペンシルベニア州 54−42 全米平均 49−45でいずれもオバマがリード。 もう勝負あったと云ってもよい。 盛り上がらなくて当然だ。

2012年9月26日水曜日

自民党 安倍元首相選出 

自民党の党大会で安倍元首相が選出されたニュースを聴いて失望しそれ以降のニュースを聞く気がしなくなった。 元々自民党には期待はしてなかったもののせめて石破氏が選出されていれば少しは風向きも変わったかもしれない。 石破氏が国会議員をのぞく地方党員の大きな支持と期待を集めて第一回の投票で一位を占めたにもかかわらず安倍氏が選ばれたのは又して国会議員の派閥の論理で決まったもの。 これでは民意を反映しているとは云えない。
安倍氏は首相になる前に自分が難病を抱えていることを隠していた。それだけでも首相になってはいけないのに政治家としての自覚に欠けている。それで首相になった一年後にそれがもとで辞任してしまった。 いくら完治したと云っても再登場はいただけない。
自民党はまだ目が覚めていない。

2012年9月19日水曜日

オレゴン紀行(6)Cannon Beach




州境のコロンビア河口にかかる長大橋


太平洋に面するは広い砂浜と海中にそそり立つ岩でオレゴン海岸を代表するリゾート。
夏休みの過ぎたのに多くの観光客で賑わっていた。

2012年9月18日火曜日

オレゴン紀行(5)理想の高速道路





ポートランドから車でで30分も走らない間にこのような素晴らしい景観にアクセスできるのはよく整備されたHwyシステムによるところが大きい。ダム建設以前の1913年から地元の人々がこの景観を少しでも多くの人に見てもらいたいと建設を始めたもの。 アメリカ最初のScenic Hwyだと云われている。 カーブも少なくないが実に走りやすい。 環境保全と観光開発を同時に考慮した理想的な高速道路だろう。

オレゴン紀行(4)Bonneville Dam


Bonneville Locks and Dam

Colombia River Gorge (コロンビア河渓谷)はカスケード山脈を割って東西に走る約100kmにわたる大渓谷。 ここにコロンビア河が流れている。1934年以来この渓谷に10個のダムと二つの発電所が建設され今も送電を続けている。 これはルーズベルトが1934年に大統領に就任すると同時に大恐慌から脱出するために従来計画されていた建設計画を国家プロジェクトとして一気に実施したものでフーバーダムと同根である。大量の失業者を救済し集まった多数の労働者相手のビジネスが繁盛、大不況を克服するのに多いに役立った。
発電所敷地内の展示館には1933年に 選挙演説に訪れたルーズベルト、技術者や労働者の写真が展示してあり壮大な建設に対する熱気と歓喜が伝わってきて感動せずにはいられない。 以来80年間クリーンエネルギーを送り続けている。
まさに不況対策とエコエネルギー対策の歴史見本みたいなものでふといまの日本にも適したプロジェクトではないかと思ったりした。


Bonneville Dam 発電所

発電所内部

 
   サケが遡上するために設けられた水路

オレゴン紀行(3)Multnomah Falls

ワシントン州とオレゴン州の境を流れるコロンビア河 Hwy84ーRt30ーRt26は人気のルート

川沿いのHwy84は整備されていて走りやすい

Multnomah Falls  
     
ここの小川にもサケが産卵にやってくる

2012年9月17日月曜日

オレゴン紀行(2)Portland, Oregon

ポートランドは河の町、町中を流れる(支流)コロンビアリバーはカスケード山脈の裏側に発し水量は深い湖に匹敵するほど豊富。西岸一の大河でありアメリカ人なら誰でも知っているルイス&クラーク探検隊がこの河を下って(初めてアメリカ大陸を横断した)太平洋に到着した地点としても有名だ。河の街は橋の街、ダウンタウンは河に沿った丘陵地にありきれいなビルが立ち並び古い街のイメージがない。
ホテルは郊外に とったが食事はダウンタウンの雰囲気の良さそうな客で込んでいるレストランに飛び込んだ。 ワイフはクラムのパスタ、私はNYカットステーキ、どちらも大当たりとても美味しかった。

オレゴン紀行(1)Olympia, WA

オレゴン紀行 (1)
Labor Day (夏の終わり)が過ぎ気温はすでに秋。人出も少なくなったので思い立ってポートランド、オレゴンに行くことにした。
ポートランドはオレゴン州の北辺、シアトルから車で3時間のところにあり気軽に行けるのでホテルだけ予約して朝9時に出発した。
シアトルに来てから2年になるがまだタコマより南に行ったことがない。 本で読んだり写真で見たことがあっても未知の土地を訪れるのは何とも云えない期待感がありワクワクする。 車での旅の利便さは発着の時間を気にせず気の向くまま行動できることだ。


ポートランドに行く途中でワシントン州の州都、オリンピアに立ち寄った。 州都といえばNY Albany、 NJ Trenton しかし知らないけれど議事堂は立派でも街は活気がなく古ぼけた町のイメージしかない。そんなイメージですオリンピアに入ったら予想に反して落ち着いたきれいな街だった。州議事堂の周りはとても広く芝生が張り巡らされ所々に楡の巨木が立っている。 議会は休会なのか人影はなくしずかだった。 ちょうど昼の時間になったので巨木の下のベンチで手作りの弁当を食べた。美味しかった。
町外れの入江のそばにあるFarmers MarketでNew Cropのリンゴとネクタリンを買ってポートランドに向かった。


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2012年9月6日木曜日

オバマの受諾演説

オバマ大統領の演説上手は大統領就任以前から万人の認めるところ。 今更ながら何を言ってもとにかく共感を得るような弁舌の持ち主である。
今回は先週の民主党大会を受けて後攻として有利ではあるが経済事情がはかばかしくないのである程度制約もあった。 それでもポリシーとして目新しいことはないがリーマンショックのような経済危機の後ではリカバリーに時間が必要なこと、時間をかけて正しい方向に進むことが肝要でありそのためには国民の理解と協力が必要とレトリックとタクティックに優れた演説であった。
今回の民主党大会は全体を通じて精密に構成された優れた演出があり今までの選挙戦の低調さとは対象的に大変な盛り上がりを見せた。ミッシェル夫人、カステロ市長、バイデン副大統領、オバマ大統領と共和党を攻撃する言葉は極力控えいずれもミドルクラスの国民の共感を得るようなソフトなアプローチが目立った。 How to connect to the peopleという点では民主党がはるかに優っている。
しかし現実の世間は厳しく今回の民主党全国大会が大成功を収めたからといってもそれは身内でのことであってどこまで中間票を取り込めたかは別問題。
11月の選挙まで2ヶ月になったそれまでに3回のディベートがあり一回目のディベートが本戦に決定的な影響を及ぼすと言われている。


2012年9月4日火曜日

民主党大会始まる

ノースカロライナ州シャーロットで民主党大会が始まった。
初日はKey Note Speakerのジュリアン・カステロ サンアントニオ市長とミッシェル・オバマ大統領夫人の演説が注目された。
ジュリアン・カステロはメキシコ移民の三世で貧困家庭の出身ながらスタンフォード大学、ハーバード・ロースクール出身の俊才、36才で全米10大都市であるテキサス州サンアントニオの市長になった。 ラテン系の人物がこの若さで党大会の基調演説を行うのは始めてで大統領選挙のキーと云われているラテン系票を意識した抜擢であることは確かだが(共和党もマルコ・ルビオ上院議員(ラテン系)を基調演説に登用した) それを抜きにしても彼の演説は素晴らしかった。自分の家族の履歴、自分の生い立ちをベースに教育の重要性、家庭の教育に対する情熱の必要性を説きそのシンボルとしてオバマ大統領にむすびつけた。
ラテン系のみならず今だに移民の多いこの国のマイノリティに勇気と希望を与えたことは確かである。 この若きリーダーの演説は2004年上院議員に成り立てで基調演説を行ったバラク・オバマを思い出させた。 民主党のホープとして躍り出た感じがする。
さて真打ちミッシェル夫人はピンクの袖なしワンピースで登場。 年齢を感じさせない健康美あふれる見事なスタイルはスーパーモデルもかなわない。演壇は一気に華やぎウエルカムの歓声に包まれ拍手が鳴り止まない。ファーストレディとしてのこの4年間の地道な活動は人々の信頼を勝ち取り自分の自信となって現れている。4年前の選挙演説に比べてこの人は成長していると分かるから不思議だ。
演説は自分の育った家庭、結婚当初のオバマから執務が終わってからのホワイトハウスでの家庭の団欒。いかなる困難な時期にあっても落着いて変わらぬバラクオバマは「忍耐、聡明、勇気、品格」にあふれる人物だと愛と信頼を込めた口調で熱く語った。 二人が貧しい時もホワイトハウスに入ってからも変わらぬ真摯な生活ぶりと二人の娘さんたちを大事にする愛と教育はこの人が語れば全米の母親が、親たちが共鳴する。 すべての子供たちがいい教育を受けるチャンスを、将来に希望が持てるような社会を創るのが我々の、そして政府の役目だと自然に主張している。 そしてそれをリードするのはオバマだと。
この人の演説は願望ではない。リアルストーリーなのだ。オバマに対する愛を込めた演説は政治的演説よりも遥かに訴える力を持つ。 そして人々の心を打つ。 
TVキャスターはもとより共和党よりの評論家さえ絶賛する素晴らしい演説で感動せずにはいられなかった。

2012年8月31日金曜日

ロムニー受諾演説

8月30日 共和党全国大会でミット・ロムニーが正式に共和党大統領候補としての受諾演説を行った。 
演説は自分の生い立ちの紹介、ビジネスサクセスストーリーとオバマ批判に終始し米国大統領としての世界観がなく、大きな政治理念な見えない「格調の低い」演説に終わった。
今のアメリカで経済が一番の問題であることはわかるが経済/仕事だけではアメリカの政治は回らないしアメリカの諸問題は解決できない。 
前日のライアン副大統領の力強く明快な演説とは対照的。 これがライアン大統領、ロムニー副大統領のコンビならよかったのにと思わせる疑問符がつく演説であった。

2012年8月28日火曜日

共和党 ロムニー・ライアン コンビ

共和党 ロムニー・ライアン コンビ
共和党の党大会が開かれミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事が正式な共和党大統領候補に選出された。
このところロムニー候補lの支持率がじりじり上がって民主党オバマ大統領党大会がほぼ拮抗している。
支持率を上げている理由は下院議員 ポウル・ライアンを副大統領候補として選んだこと。 ライアン議員は42歳の若さながら下院の予算委員長を務め「小さな政府」予算削減実現の先頭に立っている。
彼の主張は税制改革ー減税主義、高齢者医療保険の改革、徹底した予算の削減で論旨明快、若さと歯切れの良さで共和党支持者だけでなく右はティーパーティから中間層、中小企業経営者まで幅広く取り込める魅力がある。
何事にも曖昧で歯切れの悪いロムニーの弱点を十二分にカバーできる人物であると感じた。 ロムニー陣営最大のヒットである。
楽勝と考えられていた民主党オバマ大統領をひっくり返すチャンスが多いに出てきたとおもわれる。


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2012年8月22日水曜日

日韓関係が怪しくなってきた。

日韓関係が怪しくなってきた。 もともと韓国の大統領選挙がらみのパフォーマンスとは言えこれだけエスカレートしてくれば双方の国民感情は悪化する。
苦境に立った政府や為政者が隣国叩きをして窮地を脱するのは古今東西,常套手段であるが今回は双方の力関係の変化がベースにあり米中の狭間 にある日本の立場からみれば非常にタイミングが悪い。
李明博大統領は今年に入ってから訪米、米韓貿易協定推進、TTP参加など外交攻勢を強めてきた。 李大統領は日本生まれ、いわゆる在日韓国人であったし極貧の中から立ち上がった立志伝中の人。 個人的に反日感情があって当然のこと。そのような大統領のパフォーマンスに加えてそれを可能にしている国力の表れだと思う。
一方日本は相変わらず政治が混迷を続け国内問題山積で国会審議は遅々として進まず周辺国との領土問題に毅然として取り組む余裕はない。
戦後の日本はアメリカの傘の下で安穏と過ごすだけでInternational Power of Politics, Geopolitics, を考えることをしなかった。
国家があり領土があり民族が存在する限りこの種の紛争は絶えることがない。国際的にきれいごとは通用しないのである。
日本には軍事力がなく(自衛隊があっても実質的に軍事行動はできない、または制限がある) それを見透かされているから外交力もなく、経済力は落ち目であり政治は混迷を深めている。隙間だらけの日本に竹島は韓国の、尖閣は中国の、北方四島はロシアの触手が伸びてそのうちに領有されてしまうかもしれない。
残念なことに鳩山由紀夫が首相を務めるような国にはまともな政治や外交はあり得ない。 
国民が政治と外交に目覚めなければ日本の再生はありえず凋落の一途をたどるしかない。
未だ力は残されているがとやかく言っている時間はないのだ。 議論するだけや問題の先送りは政治にならない。単独採決であろうが解散であろうがとにかく先にすすむ。 今はそれしかない。

2012年8月10日金曜日

ロンドンオリンピック サッカー

ロンドン・オリンピック~サッカー
わたしのオリンピック観戦はサッカーに始まってサッカーに終わった。
アメリカのTV局は自国の強いスポーツか人気のスポーツしか放映しないがサッカーは幸いにもアメリカの女子サッカーが世界ランキング一位であり最近ポピュラースポーツの仲間入りをしたのでサッカー専用チャンネルができて24時間放映している。
日本は男子、女子チームとも準決勝、決勝まで勝ち進んだのですべてののゲームが放映され二週間は期待と緊張を持ち続けて楽しむことが出来た。
二年前の男子W杯も見たし昨年の女子W杯の試合も見たがわずか1ー2年の間に日本のサッカーは随分進化したものだ。 個人の技術、組織プレーとも世界のトップレベルにある。期待どうり、いやそれ以上の活躍といってもよい。
しかし準決勝以降は体力とスピードの不足が目立った。 これが勝負の分かれ目。これはサッカーだけの問題ではなく日本のすべてのスポーツに言えること。国をあげての 体力作り、スポーツ振興に力をいれてほしいものだ。

2012年7月28日土曜日

ロンドン オリンピック

ロンドン オリンピック開会式

ロンドンオリンピックの開会式をみました。
NBCのキャスターが"Spectaculer and Amaizing"と表現していましたがまさにその通りだと思います。
開会式は6幕もある大ミュージカルそのもので、音楽とダンス、 ヒューマニティとユーモアを絡め合わせて全く飽きるところがない素晴らしい演出でした。 女王様とジェームス ボンドがあっと言わせる演出に一役かって英国王室の親しみを世界にアッピールされたのでした。
英国は古い歴史のある国ですが古さだけではなく成熟した大人の世界、ミュージカルや音楽の創造にみられるように現代の最先端をいっている国です。 
このような演出は考えただけでは出てきません。日常生活に根ざしたユーモアと包容力がある国民性があってできたことと思います。
数字で現される経済では英国はあまりトップ記事になることはありませんが人間性に関わる政治、芸術、音楽などでは世界のトップを走る国であることは間違いありません。


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2012年7月23日月曜日

Apple PC iMac

Apple PC iMac

一年に前にiPadをプレゼントとしてもらって愛用しているが同時に7年前に買った東芝のラップトップをまだメインのPCとして使用していた。 さすがにスピードは遅くしばしばロックしてしまうので子供たちからも勧められていたiMac (Apple Desktop)を買うことにした。
何はともあれインストールしてまず感じたのは画面がきれいで音質が良くスピードが速い。私のアンティーク・コンピュータと比較して感心しているわけで最近のPCならば同じようにきれいで速いかもしれない。
iPadを一年間使ってのでiMacも同じだとみてイージーに考えていたのが見当違い。まずInternet Explorer をSafari として呼ぶように言葉が違い操作方法もちがう。長年住み慣れた家を離れて新しい家に引っ越すのと同じことでどこに何があるのかわからずにまごついている。
ふるいPCのデータもいれてもらって助かったが隠れていた写真が沢山混ざって入ってきたのでこれを整理するのも一苦労しなければならない。
この時点でアップルに変更したことを少し後悔している。
購入と同時にOne to Oneのトレーニングクラスもとったので早速参加した。一回で判るのはおよそ1%ぐらいなものだと思うので一年間何回でも有効なサービスを$99で買った。10分ぐらいでモールのアップルストアに行けるのでこれはお買い得だと思う。
しばらくは好奇心とフラストレーションが交錯する日々を過ごすことになるが高い買い物だから早く使いこなせるよう努力しよう。


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2012年7月18日水曜日

原発再開必要「意見」はいけないのか?

原発の再開に関して活発な議論がなされているが最重要の国家的課題であるにも拘わらず感情的、情緒的な反対意見が多くまともな議論がなされているとは思えない。

2012年7月18日 読売新聞に下記の記事が掲載されている。

ーーー中部電力は18日、名古屋市で16日に開催された中長期的なエネルギー政策に関する政府主催の意見聴取会で男性課長(46)が発言した内容について、同社のホームページに、「福島第一原子力発電所事故の被災者の方々のお気持ちを傷つけるような不適切な発言があったことに関して、深くお詫(わ)び申し上げます」とした謝罪文を掲載した。

同社には18日までに電話やメールなどで「電力会社の社員は利害当事者だから、一般国民の意見を聞く場に出るべきではない」などの抗議が約470件あったという。
同社は「社員の個人的、自主的な参加であるが、指摘は重大であり、真摯(しんし)に受け止める」とのコメントを出した。ーーー

聴取会には賛成、中間、反対とそれぞれ3人を無作為で抽出したらしいので作為的な行為は全く無かったとしよう。
一般には原発再開反対が大勢をを占めるので賛成派はごく少数、しかも意見発表するとなれば余程強い意見を持つ人か関係者に当たる確率は大幅に上がる。 電力会社社員になる確率は非常に高い。 (九州電力、北海道電力の聴取会でも同じことが見られた) 電力会社の社員とことわっての意見であるから悪いことではない。電力会社の経営者でなければ聞く価値はあるだろう。大事なことは他人の意見を聴いて理解することであり言葉尻を捕まえて避難するべきではない。また電力会社社員だからといって発言の機会を封じるべきではない。
発表者が個人の自主参加であれば会社はどうして謝るのか。これもおかしい。 
電力供給という非常に現実的かつ最重要課題をどうして現実に基づいた議論が出来ないのだろう。 政府は需要が供給を上回った時点(Blackout)ではどうゆう事態になるのか(例えばニューヨーク大停電)切実に説明すべきである。
賛成派も反対派も頭ごなしに政府や相手のいうことは信用しないとなれば議論が成り立たない。相手のいうことがおかしいというなら事実や論理を持って論破しなければならない。要は事実と現実に基づいた将来のエネルギー政策を早急に決定することだ。
ドイツは原発事故のあと一ヶ月後に48時間ぶっ続けの国民会議で結論を出した。「30年後には原発を廃止する。 それまでは適宜発電、廃棄をしながら収束する」と言う結論を得た。メルケル首相は持論を曲げて原発廃止に賛成した。真に現実的でそれ以上でもそれ以下でもない。勇気のある賢明な変節だ。

2012年6月29日金曜日

キッチンのリモデル(18) 余禄

キッチンのリモデルを通じて多くの人との出会いがあった。
仕事の大部分はContractorであるSMY Home ImprovementのVlad(Vladimir)を中心とするウクライナ人グループである。 
マネジャーのVladはネイティヴのような流暢な英語を話し物腰の柔らかいセールス兼デザイナー、アメリカに来てから12年。
大工のVal (Wellと同じ発音)は言葉少ないやさしい力もち。 技量は超一流、Valの奥さんのお父さんは国際的なバスケットボール・プレイヤーだったがロシアに連れて行かれてロシア人となりロシアのナショナル・チームでプレーさせられた。 奥さんはウクライナ人でも幼くしてモスクワに移住させられたのでロシア語しか話せない。
電気工のVitaliyはオレゴン大学卒のインテリエンジニア、仕事ぶりに頭の良さと性格のよさがにじみ出る。 お父さんが宗教亡命を申請してから6年、14歳でアメリカに来たらしいが亡命許可が出たのは奇跡といわれているとか。(結局は多額のお金を払ったからと彼は云う)
ウクライナでは小学校6年の間にアメリカで中学3年までのカリキュラムは終えてしまうと云う。 ウクライナの教育程度が高いのかアメリカの教育程度(学力だけをみれば)が低いのかよく判らないが。

Grqanite Counter TopのInstallationをするのがSub Contractor であるPro Granite.
Miriumというエストニア出身の女性マネジャーが率いるロシア人グループ。 何百キロもするGraniteの石板を設置する文字どおりの力仕事だが愛想が悪く働いている従業員は挨拶もろくにしないで仕事を始める。仕事は粗く一回目のInstallationは失敗してCounter Topを潰してしまった。 2回目は継ぎ目がうまくゆかないで2回補修をする。 謝るどころかこれが普通だと言い張る。 重たい道具箱をカウンターや床にドカンと音高く置く。 新しいキャビネットやカウンターにキズが着かないはらはらして気が休まらない。こんな連中の仕事ぶりを見るのは精神的に苦痛である。今まで持っていたロシアに対する悪いイメージが上書きされて益々ロシア嫌いになってしまった。 
ウクライナとロシアでどうしてこんなに違うのだろう。

彼らと話す前はウクライナのことは殆ど知らず旧ソ連の一部ぐらいの認識しかなかった。 ウクライナはロシアとは言葉も文化も違うという。直接言葉にしないが話の裏にはアンチ・ロシアの気持ちがうかがえる。ウクライナは資源や農産物が豊かな国だからロシアに随分持っていかれただろうが人まで連れて行くとはひどい話だ。
2ヶ月の間にわずかながら彼らと話す機会がありウクライナのことを少し知り得たのはビジネス以外のよい時間であった。

2012年6月22日金曜日

キッチンのリモデル(17)Project Completed

6月19日にキャビネットのハンドルをつけたり部分的にカウンターと壁の間を埋めたり最後の細かい作業を終了し6月21日にCityのInspectionをへてやっとプロジェクト作業は完了した。
契約時には作業は2-3週間で終わると聴いていたが実際には7週間もかかった。 
工事遅延の最大の原因はCunter Topの継ぎ目がうまくゆかず私がOKを出さなかったことで2週間遅れ、 個々の作業が1-2日遅れれば次の作業が順送りに遅れてゆく。 最後のほうは一つの作業が終われば2日空き次が終われば3日空き、と各駅停車・急行待ちのような状態がつづきイライラがつのった。
友人がキッチンの改修をしたときはほぼ半年いつ来るかわからない大工さんを待つのは疲れたと言っていたのを思い出して我家はまだ良いほうだと自分を押さえていた。 これを知らなければ随分カッカしてケンカしていたかもしれない。
Granite CountertopのInstallationを除けば作業は丁寧でほぼ満足な出来であったこと。 またマネージャーが穏やかな人でオフィスが近いこともあり問題がある場合はすぐに来て見てくれるのでコミュニケーションがうまくゆき相互共通の認識に立っていたことが大きい。
Before
        After
  
Before

 After
とにかくめでたく我家のドリーム・キッチンは完成ししばらく見て楽しんでいたが食器と用具の場所を覚えきれず「あれはどこに入れた?」「これどこに仕舞うの」と当分うろうろしなければならないことだろう。

2012年6月13日水曜日

JPMorgan 上院公聴会

私は議会の公聴会のTVを見るのが好きだ。 
議会で取り上げられるのはその時々の国全体に影響があるホットな事件で国として議会として事件の真相/深層を追求しどう対応すべきか、どう法律を整備しなければならないのか議論するための情報収集の公開の場所である。
最近ではBail OutのためのAIG, Merill Lynch, BOA, Big 3 & Toyotaの公聴会が記憶にある。 古くはニクソン大統領とクリントン大統領の弾劾裁判の議会での公聴会が最たるものだろう。
今日はJPMorganのDimon会長が上院Banking Commiteeに召喚された。 問題は20億ドルのオペレーションロスが何故発生したか? 何故すぐに対応できなかったか? 何故すぐに公開できなかったか? 世界最大の銀行が信用不安を引き起こすことがないように対応するにはどうすればよいのか? オペレーションとヘッジはどう違うのか? 
私個人としても大変興味深い課題である。
質疑応答を聞いて感じたのは現在のBanking Operationはあまりにも複雑であまりにも巨大なお金を取り扱っているので会長でさえ良く判らないというのが事実だと思った。 実際に会長は”I don't know" と何度も答えた。 質問する議員も専門的なことはわからないので鋭い追及が出来ないでいる。
巨大損失の原因はリスクマネージメントの新しいシステムがうまく作動せず長期にわたって把握できなかったと言うのが真相のようである。 新しいシステムも新しい急激な変化には対応できなかった。 
やはり"Too Big is Too Risky" と言わざるをえない。

Dimon会長の応答はオープンでストレートで好印象を受けた。 公聴会の勝者は完全にJPMorgan. この日のDow Jones -$77.42(-0.62%), Financials -0.37%   JPMorgan +$0.53 (-1.57%)



2012年6月11日月曜日

キッチンのリモデル(16) Electric Works

Contractorのマネジャーに問題続きと工事の遅れに抗議するきついメールを送った。 
午前中にタイル工がやってきてタイルの仕事を完了。 午後に電気工が来ることになった。 4時の予定が交通渋滞で5時になった。 スウィッチとコンセントのカバーとファミリー・ルームのシーリング・ライトを取付けたが6時半でタイムアップ。 残りを翌日に持ち越した。

2012年6月8日金曜日

キッチンのリモデル(15) Tiling

プロジェクトはすでに2週間遅れである。 カウンタートップ問題は別にしてメールでマネジャーにプロジェクトを進めるように依頼した。 
メールが効いたのかタイル工がすぐに飛んできてカウンターの壁に4”x4”の薄いベージュ色のタイルをはった。 一段目の上にウグイス色のアクセント・ガラス・タイルを入れるとぐっと引き締まった。
3時間程でタイルの作業は終わりタイルの間にグラウトを埋めるのは夕方といって作業員はランチに出かけたがその日は戻ってこなかった。 その翌日も来なかった。 アメリカの工事はこんなものだと以前から聞いていたのであまり驚きもしないが待っているほうは欲求不満がたまるばかりだ。

2012年6月6日水曜日

キッチンのリモデル(14) Granite Counter 4

Graniteの会社はロシア人グループが経営するSub-Contractorであり最終責任はMain ContractorのSMYにあるのでSMYのマネージャーに連絡して直接見にきて判断するし解決するよう依頼した。
彼はあいにく足をくじいて数日休養しなければならないのでやってきたのは翌週月曜になった。 こういうトラブルは多々あるとみえ驚きはしなかったがGraniteの会社のマネジャーが立ち会って再度仕上げをすることになった。
マネージャーはMiriumという30代のしっかりした感じの女性でロシア人の大男を連れてやって来た。 既存の仕上げがノーマルだと言うが一方他社が修復出来るならそれを受け入れるしこのままで保証金を支払ってもよいと言う。 思ったより柔軟な姿勢。 しかしこれから新たに他社に依頼すると時間がかかるだろうし結果は保証の限りではない。一方金で解決する問題でもないのでとりあえずもう一度やり直してもらうことにした。
作業員は2mぐらいありそうな屈強なロシア人で300-400kgもあるGraniteの石材を運び設置するには適しているかもしれないが細かい作業には向いていないと思われた。
全てが大まかで粗野である。 きれいに磨かれたカウンタートップの上に直に大きな作業箱をドカンと置く。 新たにエポキシ樹脂を埋めるために継ぎ目を削らなければならないがその削り方が前の溝より大きくなる。 
エポキシに色素を調合して以前よりもダークにして再度塗りこめ研磨した。 色はよくなったが以前よりも溝が見えるようになり手で触った感触も以前よりスムーズでない。
とても満足がゆく仕上がりではないがこれ以上彼らがかかわるともっと大きなダメッジが起こりかねない。 
始めから作業の工程は見ていたしインターネットで修復の仕方も学んでいたので自分でやればもっときれいに仕上げる自身があったので彼らにはここで引き取ってもらった。
あとはMain Contractorと話し合うだけである。

2012年5月30日水曜日

キッチンのリモデル(13) Granite Counter 3

Granite カウンタートップのインストレイション問題はこれで終わりではなかった。 
カウンタートップの継ぎ目がどこからでも見えて目障りである。 これでは受け入れられないと完全に修復できなければ取り替えるように強行に抗議した。 作業員がこれが通常でGood Jobであると受け付けない。 
カウンタートップはコーナーにあるシンクを挟んで右に2m、左に3mあるので一枚板では取り切れない。 そこで2枚のGraniteを繋ぎ合せるのだが普通なら繋ぎ目は殆ど見えない。Graniteは硬い花崗岩で下手に切ると切り目がわずかにくずれてすきっとした線にならない。それでも接着剤のEpoxy樹脂でうまく修正すれば殆ど見えない程度に仕上がるはずだが彼らの技術ではそれができない。
作業員と話しても埒が開かないのでマネージャーに電話したが勿論一度話したぐらいですんなりこちらの言い分を聞き入れてはくれない。
作業員は電動のこぎりで切って再度継ぐか機械磨くかどちらにするかと聞くので私はどちらでも良いが一見継ぎ目がわからないようにしてくれるならどちらでも良いといった。
彼は機械で磨けばスムーズになるが表面の光沢が異なり磨いた部分と元の部分がはっきりわかるという。 それではのこぎりで切るしかないが家の中で石切り場でやるような作業をするのはどうかと思いマネジャーに電話で確かめるとガタガタになるから止めたほうがよいと言う。
結局もう一度磨いて若干スムーズにになったが継ぎ目の色が薄くて浮き出てしまう。 これではまだまだ不十分である。とにかく翌日もう一度継ぎ目の仕いて上げをしてみた上で再度話し合うことにした。

2012年5月28日月曜日

キッチンのリモデル(12) Granite Counter 2

Granite Counterのインストレーションはキッチン・リモデルの山場である。
4月28日はMemorial Day (Holiday)だが朝9時ごろから2人の男がやってがろくろく挨拶もせず仕事を始めた。 道具の取扱は粗野で仕事ぶりが荒いのは音だけでもわかる。 キャビネットを取付けた大工さんが静かで素晴らしい仕事をしていたのとは対照的。 
悪い予感がして途中で見に行ったら仕事を中断してなにやらブツブツ云っている。 一人は外で電話中。 
「早くできたね」と声をかけるとうかない顔をして「Probrem!」と言ってコーナーを指差した。 流し台をいれるところが3個に割れているではないか。 まさか厚い花崗岩(Granite)の板がこんなに割れるとは余程ヘマをやらかしたに違いない。 当然のことながら取り替えねばならないが同質の模様のGraniteがあるのか心配になる。 オフィスに問合せ同じ板があることがわかり工場は働いているから午後にはカットして再インストレーションすることになった。
夕方になってやってきたのは別の男2人。 一人は年配の主任クラスと思われる人で午前中にやって来た人とは印象がまるで違う。
彼は仕事をしながら「午前中のやつらは首になったよ」と言って笑った。
とにかくGraniteのカウンタートップは入ったが何かしらすっきりしいクライマックスだった。

2012年5月19日土曜日

ガーデニング(5)

ガーデニングが難しい、大変だと繰り返しているのは愚痴をこぼしているわけではなくむしろそれにのめり込んでいるほうだ。 難しいと思うのは自分が無知、無経験だからであってむしろラーンニング・プロセスを楽しんでいる。 ガーデニングは自然が相手。花樹が相手だからあせっても仕方がないがせっかちな私には相当の辛抱がいる。 それだけにちゃんと手入れすればそれなりにレスポンスがあるので成功すれば達成感があって嬉しい。
水をやりすぎて根ぐされをおこしたり早く植えすぎて生育不良を起こしたり収穫時期を間違えて放置したり失敗が多く歩留まりは悪い。 
自然界は所詮歩留まりの世界で条件が全てOKだとしても成功するとは限らない。可もあり不可もあり、それが自然として付き合うことを覚えただけでもガーデニングをやり始めた甲斐があるというものだ。
だからというわけではないが果樹の手入れは難しく今年は花だけを観賞することにした。
ガーデニングは自然がもつ美しさや厳しさ、芽を出し育つこと(生)や盛りを過ぎて枯れて朽ちること(死)を身をもって教えてくれる。バーチャル世界が万能のような現代で画像と情報は知識を豊富にしてくれるが生きた世界の感覚までは教えてくれない。 子供たちには出来るだけ自然な環境で育ってほしいと思うのはこのためだ。
植えつけた小木(Shrab)と多年草が生長して完成した花壇と庭になるには最低3年から5年はかかるだろう。
楽しみだが気の長い話である。

2012年5月18日金曜日

キッチンのリモデル(11) Granite Counter 1

Granitesの会社から連絡があってカウンタートップの選択に行くことになった。 前以てサンプルを見て決めてあったが2mx5mほどの磨き上げた現板を見るのは初めてだ。 大きな板状のGraniteは迫力がある。黒地にベージュとグリーンが混ざった色調は落ち着いて期待以上だ。
数日前にアイランド部分だけ白系にすることに変更したのでこれも選択しなければならない。 いつもの事ながら選ぶのが難しい。 当初はベージュ系で数枚見たが表面に現れている模様が大柄で我々の趣味に合わない。 一枚乳白色で模様も気に入ったものがあったが先約済みで2/3程は切取り部分が決まっていて云い部分が取れない。 なかなか決まらずに思案していると案内の女性とカッティング技術者が話し合った結果、先約者には別の部分を回して我々が気に入って部分を回してくれることになった。 周りのカウンタが黒系で真ん中のアイランドが白系というコントラストのあるユニークなキッチンになる。 キャビネットが設置されたキッチンを実測したあとカットして10日後にインストールされる予定。 来上がりが楽しみだ。

2012年5月17日木曜日

キッチンのリモデル(10) Cabinets

キャビネットが入って形が見えるようになった。 ハイカウンターを取払ってアイランドにしたので見違えるように広く感じる。 実際にカウンタートップスペースも広がったしデッドスペースも無くなった。 メープルのキャビネットは部屋の縁取りのウッド・パネルやドアの色と全く違和感無く調和して落着いた感じをキープすることができいい選択であった。
このキャビネットのインストールをまたしてもVal(ウクライナ人の大工さん)が一人でやってのけた。 器具を使うとは云え重たいキャビネットを天井にくっつくように持ち上げて壁に取り付けるのは簡単ではない。
キャビネットの左右の扉が水平に一直線に並ぶよう何度の微調整を繰り返していた。 大きい仕事ばかりではなく細かい仕事も完璧で安心してみていられる。 静かな大男は音を立てずにいつの間にか仕事を終えていた。
いまどきこんな大工さんにめぐり合うのは奇跡に等しい。 大工さんまで選べないが価値ある選択(会社)であった。

2012年5月10日木曜日

キッチンのリモデル(9) 家中引越し

工事と平行して約一ヶ月キッチンなしで生活するのは大変だ。 キッチンの改修が始まったので台所用品とキッチンテーブルをとなりのリビングに移して生活を始めた。
冷蔵庫はキッチンに置いたまま使えるし電子レンジとトースターで簡単な料理が出来るので殆ど家で食事をすることが出来る。
まるで引越し中のようにあちこちにダンボール箱を積んだまま窓際にダイニング・テーブルを押しやって食事をしているが窓越しに新芽の芝生や米松の林、咲き始めたチューリップや隣家の満開のライラックを見ながら家で食事が出来るのは幸いである。
朝早くから多くの鳥(ロビン、ブルージェイ以外は名前が判らない)がやってきてせっせと芝生の間の地面をつついてミミズをあさる。 我家は出来るだけ殺虫剤や除草剤を使用しないオーガニック庭園であるから雨のあとの暖かくなった朝はミミズが地面近くに上がってくる。(人間には見えないが鳥には容易にわかるらしい) 鳥たちにとってわが裏庭は絶好の餌場なのだ。 5月は巣作り、子育ての時期かツガイでやってきて朝から晩まで驚くほど大量のミミズをついばんでは巣に運んでいる。

2012年5月6日日曜日

キッチンのリモデル(8) Almost Fire

5月3日には電気工が配線工事にやってきた。 元の配線をチェックして「大変なことになっているよ」と壁の中にあった黒ずんだコードコネクションのBoxをみせて「もうすぐ火事になるところだった」といった。Boxの外側には熱で溶け出したコードかテープの塊が付いていた。誰かが異常な(違法)つなぎ方をしたらしい。 つまり途中からコードを付け足して安易に配線していたのである。 許容量異常の電流が流れるとブレーカーがダウンする。 これまでコヒーメーカーとトースター・オーブンなど2つの電気製品をつけるとしばしばダウンしていたのはこれが原因であった。
キッチンを改修しないでこのまま住み続けていたらいずれ火事になるところだった。 
彼はこの焦げたBoxを悪い配線をするとこうなるという教材として学校に送ると言う。
プロジェクトの番外でファミリー・ルームのシーリング・ランプの取り付けもついでに頼んであるが天井を大きく壊すことなく一時間ほどでいとも簡単にランプの取付けとスウィッチをインストールしてくれた。 一年前にローカルの会社と個人に同じ事で見積りをとったら工事が大げさで$800から$2000と云われ見送っただけに彼が気前良くやってくれたのは本当に助かったし嬉しい。 この電気工もウクライナ人、名前はVitaliy, オレゴン大学卒業のエンジニアである。

2012年5月4日金曜日

キッチンのリモデル(7) Demolish

元のキッチン
取外し後
 実際に工事が始まったのは4月30日。 この日はキャビネットや電気製品の取り外しの作業が行なわれる。 同じ時期にNJの長男の家ではバスルームの改造をしていて取り壊しの際の埃で毎日大変だからキッチンの改造はもっと大変だよと電話で話していたのでこの日ばかりは騒音と猛烈な埃を覚悟していた。 キッチンとリビングの間のドアにはテープで目張りした。
背の高い白人と中肉中背のラテン系の男が9時ごろにやってきて作業を始めたが意外と大きな音がしない。1時間ほどでラテン系の男は出てゆき白人の男一人でデモリッシュを進めている。 我々は2階に避難しているのだが静かすぎて仕事をしているのかどうかわからない。
昼すぎに覗いてみると電気製品は取り外されキャビネットの半分もガレージに運ばれていた。 埃は殆ど出ていない。
最も恐れていた騒音は十分の一ぐらい、埃は100分の一ぐらいで拍子抜け。 

ラテン系の男は戻らず白人男が一人で物静かに働いていたが驚いたことに夕方には取り壊し全て完了。 一人で大きなキャビネットをはずしレンジやディッシュ・ウオシャーも運び出してしまった。仕事のあとをきれいに掃除し瓦礫もガレージに整理して積んでいる。何事も大雑把で荒いアメリカでこんな丁寧な仕事ぶりがあり得るのかと驚いた。力持ちで静かなる大工さんのニック・ネームはVal(ウェル) ウクライナ人だという。

2012年5月3日木曜日

ガーデニング(4)

ガーデニンはグンは自然相手だからいろいろ予期せぬこと、コントロールが不可能なことがある。 ニュースや雑誌で仕入れた知識で花の種や苗、若木などなど買い付け植えつけても早過ぎたり遅すぎたり、天候不順で発芽しなかったり虫や動物に食べられてなかなかうまく行かない。  
我家は局地的に寒いので一般の情報は通用しない。大抵の失敗は種まき、植え付けが早すぎることと植え付け場所の間違い、日照時間の不足etc。昨年のカブ、ニンジン、朝顔は生育せず菖蒲は6本のうち2本しか出てこない。トマトとキュウリは2ヶ月伸びなかった。 
ユリは土地にあったのか大きな花なを何回も咲かせ根を増やしていった。成功するととても嬉しい。
芝生は庭の舞台であり脇役であるが毎日眼に入るのでとても重要だ。芝生の手入れと補修には一年を通じて苦労している。 芝生にも土地に適したものと適さないものがありうまくマッチしないと「骨折り損のくたびれ儲け」
慣れてくると自然にそれとわかるだろうが残念ながらまだ1年余りでは試行錯誤の段階である。
Farmer’s Almanacは農業知識の集大成でよく出来たものだと感心するが基礎知識と技術と経験がないと活用は難しい。

2012年4月28日土曜日

ガーデニング(3)

虫や鳥以外にも脅威がある。 モグラとナメクジだ。 ナメクジは土中のどこにでも潜んでいて気温と湿度が上がると庭に現れて若芽や柔らかい葉を食い散らす。夜行性だから昼間は殆ど見かけないが光ってねばねばしたあとがあるのでナメクジだと判る。 駆除は粒状の殺虫剤をまけばよいので簡単であるが被害を早期発見して予防的な措置を講じるのがベスト。
厄介なのはモグラである。 花壇や芝生のいたるところにトンネルを掘りところどころにマウンドを造る。 花木はいたむし芝生は穴だらけ。修復には時間がかかるしきれいな芝生が台無しになってしまう。 忌避剤、電気的発信音、ミントの煮汁、あらゆる駆除策を試してみても一時的か全く効果なし。 隣はとっくの昔にあきらめて殆ど何もしない。
対策を採って何らかの効果があったとしても地中に塀があるわけでなしモグラはしばし隣に引越すだけのはなし。 暫くすれば戻ってくる。 
昨年は私が初めてのことであらゆる手段で対抗したので東隣に引越したようで隣は前庭に10も20もマウンドが出来て埋めても次から次へとマウンドが出来る。 モグラたたきとは良く言ったものだ。 うちには半年ばかり何も無かったのだが春になってモグラはいっせいに里帰りしてきた。 家の周りはモグラのトンネルだらけになってしまい春先に植えたヒイラギ、クレマチス、アジサイ、エスカロニアなどが被害を受けていないか心配している。 

2012年4月26日木曜日

ガーデニング(2)



ガーデニングをやり始めると周りの樹木や芝生が気になりだす。 ガーデニングは「自然」から自分の好きなものだけを取り出して再生し都合の悪いものは排除するわけだから全く「不自然」である。 
春が来れば草木は芽を出し花を咲かせる。 同時に虫も目覚めて若葉を食み繁殖のために卵を産み付ける。 何もしなければ瞬く間に草木は食い尽くされてしまうだろうが鳥が来て虫をついばむ。 ついでに美味しい果物や実がなっていれば頂戴する。親鳥は雛を育てなければならないので朝早くから日が暮れるまで餌を運ぶ。 自然はバランスが取れているから無理はしない。
私たちは虫も鳥も歓迎しない。自分で植えたものは100%自分のもので虫や鳥たちとShareするつもりは無い。 自分の作物に害を与えるものは駆除しなくてはならない。
バラやチェリーには何千何万というアブラムシが付く。 チェリーやプラムは美味しくなった直後に鳥に持っていかれる。 我家には2本のチェリーと2本のプラムがあるが結局プロが作る10分の一も花をつけず100分の一しか実を結ばなかった。しかも殆ど鳥に持っていかれて残った一粒を口にしたらすっぱくて食べられなかった。
参考書によると施肥、害虫駆除や剪定、摘果、網掛けや袋掛けなど1本でも大変な手間がかかり常に後手後手になってしまう。 素人はやってられない。 コストだってバカにならない。 今年から収穫するのはあきらめて花だけ観賞することにした。 とても気楽になった。 農園というのは何百本という果樹をまとめて栽培している。 信じられない作業量だと思う。 
人間様は自然から好き勝手にしかも大量に自分の好きなものを取り出しているわけだがこれでは自然が崩れて当たり前。 お蔭様で安くて美味しい果物をいつでも食べられるのだがこう考えているとなにやら後ろめたい気もするのである。











2012年4月25日水曜日

ガーデニング(1)

「花を買ってきて植えるぐらい簡単」と軽い気持ちで始めたガーデニングだが18ヶ月を経て大変な知識と経験と道具が必要なことがやっと判ってきた。 今や日常生活の中心になるぐらいのめり込んでいる。
ー 植えるまでにまず花壇の整備をしなければならない。 ここは氷河が作った土地だから石ころ交じりの砂地である。 良い庭にするにはコンポストを混ぜたガーデニング・ソイルを入れる必要がある。 始めに小さなスコップを一つ買ったが役に立たずショベルヲかっても石ころ土壌には限度あり、結局穴掘り用フォークをかってやっと花壇を作り花樹を植える穴を掘ることが出来る。 
ー さて何を植えるかが問題だが手当たり次第に植えるのもあまりに芸がない。植木屋で見るだけ見てもあまりに種類が多くて何をどう植えたらよいかが判らない。 もともと知識が無くていきなり事を始めるのはこんなものかと自分で自分を納得させ一から勉強を始めた。 まず図書館で参考書を数冊借り読み始めたが園芸の専門用語と花樹の名前が英語と学名だから現実の花樹と結びつけるのに一苦労。 一時帰国時に日本の園芸の本を2冊かってきてたがすぐに理解できた。 しかし問題は日本と気候が違うこと。 花樹の育て方がそのまま通用するとは限らない。 (アメリカも地域差が大きく適応する花樹と時期が違うので要注意) 一年経ってこのあたり(Northwest Area)専門の園芸書を参考にするのが一番良いとわかった。
その上我家の裏庭は米松の大木のおかげで日当たりが悪い。 だから半日陰(Half Shade)にに適したものを選ばなければならない。 植え付けは樹木に応じた穴を掘りコンポストを施し周囲に施肥をする。 穴にたっぷり水を含ませ花樹をケースから取り出し底の根ひげをかき崩して穴に入れ周りをしっかり土で埋める。 簡単なようでも自分でやってみてやっと習得できるというものだ。(続く)

2012年4月23日月曜日

Spring Rush

ここでは冬が長いから少し温度が上がって春めいてくるといっせいに花が咲き自然も人間も気ぜわしく忙しくなってくる。
桜と葉が同時に出てくるのは山桜か?
昨年秋に水仙を植えたら前人のチーリップとムスカリ
の上に重なり満員電車のような込み具合
車で北へ1時間、Mt. Vernonのチューリップ畑
Mt. Vernonの水仙畑(2週間前)

2012年4月16日月曜日

橋元市長の考えは?

橋元大阪市長が民主党小沢一郎に会いに行った頃からこの人の立位置がわからなくなってきた。 今度は原発再開をめぐって「民主党政権を倒すしかない」と言い出した。 
既存の体制の枠をはみ出した「革命の志士」は常に飛躍する傾向にあるものの橋元市長は現職であり政治のみならず生きた経済にも責任を負っている。 政治の改革が目的であっても経済は日々動いており現実を踏まえてゴールに導くのが政治というものではないか。 電力不足がどういう事態をもたらすのか真剣に考えてほしい。
期待されている改革の旗手が勝ちを急ぐあまり政局がらみの発言が多くなっては興ざめである。 せっかくのチャンスであるから人気に溺れず理念を明確に地道に改革を進めてほしい。

2012年3月29日木曜日

マリナーズを見に行こう

MLBが始まった。 今年はシアトル・マリナーズに岩隈と川崎が加入、イチローも3番を打つので心機一転、新しいマリナーズ、イチローが見られるかもしれない。
勝負どころに弱くいつも下位に低迷していて盛り上がらないので見に行ったことがないが今年は是非見に行こうと思っている。
ローカルのソフトボールも始まった。 家から500Mほど離れたところに市の保有するPlay Groundがあり火曜から金曜まで夕方6時半から10時半までダブルで試合がある。 ナイター照明付きのソフトボール・グランドが3面(サッカー・グランドも2面)あってフルだと6試合もある。
男子,女子、ミックスの3カテゴリーで年間通じたリーグ戦が行なわれている。 ピッチャーの球は山なりの緩いボールだから誰でも打てるし殆ど3振がないのでとにかくよく打ちよく走る。女子だと言って侮ってはいけない。すごい馬力でボールを打ち球足も速い。 守備でも投球でも緩慢なところはない。 学生はいなくて全員成人だが真剣にプレーしているのは一目瞭然。 だから素人野球(ソフトボール)でも見ていて面白い。 
3月始めから始まったがまだまだ寒く最高気温が10度Cを超えたことはない。観戦するのも大変でせいぜい30分が限度。 チームの仲間やスコアラーは頭から足まですっぽり入るウインタースポーツ観戦用の防寒着(寝袋に近い)を纏っている。 体力ある人でも寒さの中でじっとしているのは辛いようだ。

2012年3月22日木曜日

キッチンリモデル(6) Appliances

電気製品(電子レンジ、大型オーブンレンジ、ディッシュ・ウォッシァー、キッチンフード)も一新することにした。 SMYからローカルの専門店Albet Leeを紹介されたがデザインの良し悪しと使い勝手は自分で決める以外ないから自分で選択することに決めた。 まずHome Depot やLowesといったHartware Storeで下見をしておきローカルの専門店に偵察に行く。Albert Lee などの専門店の品揃えとディスプレイは大したものでHome DepotやLowesはかなわないだろう。 Kitchen HoodとMicrowave Ovenの値段比較と性能比較を聴いて大変勉強になったが残念なことに2日前に年に一度の大セールが終わったばかりだった。 
家に帰ってインターネットで検索してみた。 インターネットは全米が市場で競争が激しいからものによっては25%-30%は安い。但し運賃が高ければいくら安くても実質安いとは限らない。 Free Shipping, No Taxが事実であればちょっと高くても実質は安くなる。その条件で検索するとAJ Madisonなる会社が製品価格もCompetitiveだ。 しかし会社住所を見るとBlooklyn, NYとなっている。いくらなんでもNYから運んで運賃タダと云うことは無いだろうと思い電話するとどんなに大きな製品でもハワイとアラスカ以外はFree Shippingであると言う。 しかもNo Tax、 地元で買えばSales Taxが9.5%もかかるのだ。総計$3,500ぐらいの買物だから$400-500程度のセーブになる。
一週間ほど近くの販売店で現物を確認し電話でオーダーすることにした。 メーカー、モデル、型番号を云ってクレジットカードで購入、すぐに確認のメールが届いた。
3000 Miles/4800km 離れたワシントン州向けには週一回大型トラックで運ぶ(無料)と言うから驚いた。 ワシントン州向けだでそれだけの販売量があるということだ。 単なる電気製品の販売だが常識を破るところに大きなビジネス・チャンスがある実例である。インターネットビジネスのすごさを思い知った。




2012年3月21日水曜日

盛上がらない予備選

3月20日の共和党予備選は、中西部イリノイ州で行われ、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が勝利した。
これで33州(自治領を含む)で予備選が終わり獲得代議員数の総計は、ロムニーが562、サントラムが247となった。 中間層を幅広く集めているロムニーが指名獲得するのはほぼ確実とみられるがこの時期になってもいっこうに盛り上がりがみられない。

2008年の予備選では民主党にヒラリー・クリントンとバラク・オバマという2人のスーパー候補がしのぎを削っていたこと。 どちらが大統領になっても初の女性大統領か初の黒人大統領かと言うことで予備選(ほぼ毎週)があるごとに大いに沸いたものだ。 共和党にはマケイン、ハッカビー、ロムニー, ジュリアニがいて誰が対抗できるかで興味があった。 今年はオバマ大統領が2期目に出馬するので民主党内には対立候補はいない。

今の共和党候補の中にはスターが見当たらない。 マサチューセッツ州知事を務めたものの投資家(ベンチャー)で一発当てた成金大富豪のイメージがつよく大衆には人気がない。 2番手につけているサントラムは強いていうなら「宗教保守派」で政策的には保護主義、Social Conservativesには受けても幅広く支持を集めるのはむずかしい。 本当の政治保守派は元下院議長ギングリッチ候補だが古い時代(レーガン、ブッシュ、クリントン)のイメージが強く人気がない。三度目の結婚というのも理屈抜きに女性には敬遠される。自由主義者のポール候補は政策がわかりやすく国内では小さな政府、国際的には不干渉主義で若者に人気がある。 ただしあまりにも飛躍しすぎて現実性に乏しい。 
つまりスター性、カリスマ性のある候補がなく消去法でロムニーがトップを走っているわけで共和党内でさえ熱狂的な支持者はいないのが盛り上がらない原因だろう。 
経済が回復しつつあるのもオバマ大統領には追い風で誰が共和党の指名を獲得したとしても現職オバマ大統領にはいまのところ勝ち目がない。 競争(選挙)はライバルが居てこそ盛り上がるし面白い。

2012年3月12日月曜日

キッチンのリモデル(5) New Plan

SMYはレイアウト・デザイン、キャビネットのスタイル、カウンターの質材選択、正式見積り、契約まで約5週間、施行初めて完成まで3-4週間 計2ヶ月かかるという。
キッチンの改造だけではなく続きのファミリールームのシーリング・ライトまで付けてもらうことにしたのでかなり大掛かりなプロジェクトになると予想していた。 
電気製品(ディッシュウォシャー、レンジオーブン、マイクロウエーブオーブン、キッチンフード)の位置を全面的に変えたため収納キャビネットと引き出しの位置が難しくなった。家内はシンクの横に大きなゴミ入れキャビネットはマストだと考えている。 私はマイクロウエーブオーブンがカウンターの上に置かれるのが気に入らなく(カウンターのスペースが狭くなる)家内はレンジオーブンの上に来るのが気に入らなかった。 したがってアイランドの中に仕込まれることになったが位置が低くて操作するのも出し入れも不便そう。 それで引出し式のマイクロウエーブン(Sharp製)があるのを知ってこれで決まり。 家内の希望通りレンジオーブンの上にはステンレス製のフードをつけて全体のデザインが決まった。
一番迷ったのはカウンタートップの色である。 材質はグラニット(花崗岩)に決めていたが小さなサンプルをベースに全体を想像するのは難しい。
家内は基本的に柔らかなベージュ系が好みで私は黒がくっきりとコントラストが出てよいと考えていた。白系か黒系かの争はここ2年ほど続いているがインターネッ一チンでキッチンの画像を検索すると黒っぽいのが一番多く我家には黒系がポピュラーなので黒系に決定した。  
一週間も経たないうちに3Dのデザインができてきた。

2012年3月9日金曜日

原子力災害対策の議事概要

東日本大震災直後に起った東京電力福島第一原子力発電所の事故に対応する政府の議事録がなかった問題で改めて当時の情報を集め総括した「原子力災害対策本部」の議事概要初めて公表された。
 事故発生直後から、炉心溶融(メルトダウン)の可能性を想定し、段階的に拡大した避難区域を巡っても異論が出るなど情報と認識不足の中で最悪の事態を政府中枢がどう受け止めて行動したのか伺われる。
政府は私が想像したとおり最悪の危険性は認識していた。 その危惧をそのまま公表しなかったのは当時の状況からして政府の意図として受け入れることは出来る。しかしその後の事故対応には混迷と遅延を招くばかりで被災者の救済、生活救援、災害復興に多くの不満をのこす結果になっている。
国として、地方としてそれぞれの分野で誰が指揮をしどのような指揮系統で対策を実施していくのかが判らずある程度の緊急資金、人材と物資はそろっているにも拘わらず現地の人も遠隔地で救援しようと待機している人達もすぐには動けなかったようだ。
このような事態は東日本大震災・原発事故対応の特殊な事情ではなく残念ながら現在の日本社会を覆っているベーシックな問題である。
「想定外」の事柄まで想定して物事を考えるより「想定外」の非常事態が起ったときにどのように素早く行動するのか政府のみならず個人自らが考えておく必要があるのではないか。 
原発事故の検証の結果を政府の責任追及の道具にすることなくの日本社会の改造のために役立てなければならない。

2012年3月7日水曜日

キッチンのリモデル(4) SMY Home

IKEA/Signature Designはデザインは良かったがコストに不明瞭な点が多くIKEAはキャビネットと電気製品を販売・供給するだけと判り見送ることにした。Signature Designへのコンサル料とデザイン料は無駄になったがリモデルのアウトラインはできたしコスト分析と施工まで手順がわかったのは収穫であった。
Home DepotやLowesといった大手Hardware Storeはキャビネットと施工の販売代理店みたいなもので実際に施工するのは下請け、孫請けで責任感は薄いと見た。 一方ローカルの業者は長年地元で仕事をしているので会社も人も顔が知れている。良い仕事をして口コミで仕事を確保する以外大手と競争する以外に方法はない。また顧客との親密なコミュニケーションを通じて大手との差別化を図ろうとしている。
とにかくHome Depotや Lowesのショールームを何度も訪れキャビネット・メーカーのパンフレットをかき集めた。 またローカル業者の店に入って話を聞いた。 大手の担当者はカタログ販売のセールスマンみたいなものでデザインの知識がどの程度あるのか疑問でプロフェッショナルな感じはしない。
図書館に行ってKitchen Remodeling & Designsの雑誌や本も見て参考にした。しかし千差万別それぞれに良いので迷うばかりだ。 要するに自分の好みはっきり認識して現実にあわせて決定するしかない。
一番近くにあったのが車で5分のSMY Home Imrovement、最初にショールームを訪れた時から印象がよかった。 どんな質問にも丁寧に答えてくれるが売らんかなのセールス特有の積極性?がない。言い換えれば手一杯仕事を持っている証拠かもしれない。
2日後にマネージャーが下調べにやってきて改修のアウトラインを聞いてすぐに大方の改修コストを教えてくれた。 私たちもIKEAで一応学習済みであり比較しやすく話はスムーズに進む。 特別に安いわけでは無いが全て込みでトータルコストが把握しやすい。 キャビネット・ドアと引き出しはメープルの純木製でIKEAよりはるかに品質は良いのでここでほぼ決まり。 もう一つ見積もりを予定していた業者は断った。

2012年3月3日土曜日

教育の目的(3) 減点主義はダメ

減点主義・相対主義・平均主義
日本人の行動パターンは「群れる」ことであるらしい。 教育も例外でないようだ。
日本の教育が上記の評価方式をとっているから均質な労働力を生み出すには適しているかもしれないが天才や卓越した政治家、指導者、創造的人間を生み出す環境にはない。
*減点主義なら失敗しないようにするのがベター
*相対主義なら周囲の人間と比較してよければそれで良し。
*低いレベルで満足してしまうことがある。
そのような社会は凡人には良いかもしれないが天才や特殊能力のある人を生かしきれない。
日本の経済または会社は最早労働力を求めている段階ではなく創造力、指導力のある人間を必要としている。
野田首相が「若者よ!大きな夢を持て」と直接若者にいうのは間違ってる。
政府は学校が柔軟な教育が出来るように教育のビジョンとシステムを変えることが先決だ。

2012年3月2日金曜日

野田内閣の子供園

3月2日政府は待機児童を解消するために、幼稚園と保育所の機能を一体化させた施設、「総合こども園」を創設することを柱とした新たな子育て支援策を決定し、必要な法案を消費税率を引き上げるための法案と一緒に国会に提出することを確認しました。
政府はこの施設を増やすため株式会社やNPOの参入を認めるとしています。(NHK Newsより)
現行の子供手当は効率悪く本当に育児と教育にお金が回っているか疑問です。 今回の「総合子供園」提案は必要な人、必要な場所にお金が回る効果的な予算計上だと思います。 
法案可決を期待しています。

2012年2月26日日曜日

キッチンのリモデル(3) IKEA

Sarahのデザインはアイランドに電子レンジを組み込みその上に2つのペンダント・ランプをぶら下げる。 反対の壁側にはオーブンの上にエレクトリック・クックトップ、その上にステンレスのベントフードを取付ける。 なかなかモダンなデザインである。 
アイランドはカウンターのデッド・スペースをなくするので実質収納部分が大幅に増える。
問題はコスト。 IKEAの製品は大きなものは全て組み立てでありキッチンキャビネットの価格は一見非常に安く見えるが組立て代を入れればそれほどでもない。 キャビネットだけに限っても製品、組立、輸送、設置を全部加えると金額は膨れ上がる。 それに廃棄、配線、施工を加えると当初の予算の倍以上になってしまった。 (当初はデザインは変えずキャビネットとカウンターを取り替えるだけを考えていた) しかもそれぞれ下請けだから配線工事は金額不明のままである。 最終見積りはオーダーが確実になるまでなかなか出してこない。 良く考えてみるとIKEAはキャビネットや電気製品を売るだけで施工主はデザイン会社なのだ。 
価格の比較とデザイン会社の評価を検討してみなければ納得が行かないので暫く時間を置いて他社をチェックして見ることにした。

早咲きツツジ



二月の半ば 気温は最高が7ー8度だからまだ冬を抜け切っていないのに


このツツジはつぼみを付けはじめ2月25日には満開になった。


私の頭にはツツジと聴けば4-5月と決まっていたのだが


西洋ツツジには冬咲きのものもあるそうだ。

2012年2月16日木曜日

教育の目的は(2)

アメリカ人は束縛を嫌います。 教育でも選択の自由を求めるので各州、各学区によってカリキュラムも違うし休日さえも違います。 
それでも初期の教育では共通するところがありアメリカ社会で生き抜くための基礎的な能力の養成が目的だと云う事です。

1番目は体力です。 体を鍛えることは西洋人の本能ともいえるほど重視しています。 だからスポーツが盛んで3歳からサッカーチームに入ったり空手道場に通う子供が多いのです。 小学校以上になると夏スポーツ(野球、水泳etc.)と冬スポーツ(サッカー、バスケットボール、フットボール、アイスホッケーet.)両方をこなしている子供が多くいます。 究極はBo JacksonやDion Sandersのように野球とFootball両方でトップ・プロとして活躍する選手が出てきたりします。 肉体美は成績優秀と同様に自慢できることなのです。 裸を誇示す性癖はこんなところから来ていると思います。

2番目は自己表現能力と社交性です。
アメリカ合衆国はその名の通り多民族の集まりです。 言語と文化の違う人々が混ざり合って平和に暮らすにはお互いのコミュニケーションと理解が必要です。 黙っていては判らないし相手に押し切られてしまいます。 競争を勝ち抜くためには自己主張をせねばなりません。また受け入れてもらうには相手のこともよく聴いて受け入れる寛容さが必要です。 これが民主主義の原則でそうでなければこの国は成立しないのです。
話し方(自己表現)の訓練は保育園(3歳)から始まります。 ”Show & Tell” と言って何かを持っていってそれをもとにみんなの前でスピーチします。 これは論理立ててしゃべる訓練にもなります。
アメリカ人がおしゃべり上手なのは子供のときから反復して練習しているからです。

3番目は創造力です。
個人の秀でた能力を大切にします。 出る釘は打たずに伸ばします。 たとえ小さなことでも得意な事は褒めて学習意欲を継続させます。 そうしているうちに本当の興味が沸いてきて本格的に取り組むようになるのではないでしょうか。 天才君は他の分野ではバカ(みたいに無関心)が多いのですがそんなことは関係なく尊敬され専門分野に進むことができます。 そのうちの一人の天才が素晴らしい発明や発見をして文明を進化させ人類に恩恵をもたらしているのです。 だから天才を育てるのは社会のためでありまた我々の義務であり教育の目的であると思うのです。 

上記3点はアメリカの強さの根源であり世界に通用する強さです。 同時に日本の教育に求められる重要なポイントであると思います。

2012年2月13日月曜日

教育の目的は(1)

アメリカでも日本でも教育が問題になっています。 
1977年から家族と共にアメリカに住んでいるので私の子供は小学校から大学までアメリカで教育を受けました。(途中一年半日本の小学校に通った経験がある) また孫の二人は今アメリカの小学校と幼稚園に通っているので親の立場を離れてアメリカの教育を見ることもできます。

アメリカの子供は一般的に学力は低いようですがコミュニケーションの能力が高く社会性に優れています。 これは多民族国家でのコミュニケーション、社会性の必要が背景にあるように思われます。 しかし学力が低い生徒が多く授業についてゆけず高校でのドロップアウトが異常に高いのが問題です。 一方得意の分野では大人顔負けの専門知識を持っている子供もいます。 学校も社会も子供の素質を見出し出来るだけ才能を伸ばそうというバックグラウンドがあるからです。
一方日本の子供は平均的に学力は高く知識も豊富ですがコミュニケーション能力が弱く自立性、創造性、応用力に欠けているように思います。
よく云われていることですが日本の教育の目的は「良い大学に入る」ことです。良い大学に入れば就職は非常に有利というのが現実で大企業=高収入=幸福の公式が成立てば「有名校入学」が教育の目的となります。試験結果でほぼ人生が決まると考えるのであれば「受験戦争」になるのは当然のこと。 テストは知識をためすペーパーテストが中心であれば知識の習得に重きが置かれるのは止むを得ないことです。
現実に大企業と中小企業・派遣社員の給料や福利厚生の格差が歴然と存在ししかも不況が長引いて雇用の保証がない時代には寄らば「大樹の陰」の安定志向を誰も非難できません。 大企業でなくとも日本では群れているほうが安全です。 「リスクテーキングを恐れないチャレンジングな人間」を育てるなんて云うのは不可能なことです。

アメリカは競争社会です。 原則として国籍、人種、性別を問わず機会均等をベースとして個人の能力が問われます。 移民国家ですから学者、医者、技術者、プロ・アスリートなど専門知識・技術を持った人々がワンサとやってくる。 農業労働者、土木労務者などなど不法移民を含めて下級労働者もどんどんやってきます。 アメリカの国民は上でも下でも職をめぐって国際競争していると いえるでしょう。 この競争に勝ち抜くにはまず体力と自分を売り込む弁(舌)力が要求されます。 アメリカの幼年教育(3歳-10歳ぐらいまで)を見ていると競争社会で生活してゆくためのベーシックをまず始めに習得しているように思います。

2012年2月12日日曜日

東大の秋入学

五年先に東大の秋入学が決定した。 
東大は日本の教育の頂点にあり大雑把に言えば日本の子供は東大を目指す。 
東大に入学した学生は選ばれた才能の持ち主だ。東大で教育を受けた優秀な頭脳が日本の学界、政界、官界、経済界を担っているのだ。 つまり東大の教育がよければ日本全体が良くなり悪ければ日本が悪くなる。 海外で高等教育を受けた人なら今の東大の教育は現代の国際基準(?)に当てはまらず、国際競争には勝てないと認識しているはずだ。 多くの東大出身者が認めている。
秋入学は入学を半年ずらし国際的に一般化している9月入学に合わせるだけのことだがこれが広がれば日本の教育改革の始まりになると期待している。 
始めは形(時期)から始まっても次第に教育内容に改革が及ぶはず。 橋下大阪市長が教育改革を断行しているが教育改革のさきがけでいずれは他の県市町村も追随することになるだろう。
今のところ約3割の大学が秋入学を検討すると言われているがこの改革が成功するためには小中高を含む日本全国の学校が9月入学を実施しなければならない。 そして究極は学校選択とかカリキュラムの自由化にあり文部省のコントロールをはずすことだ。
ひいては企業の採用にも影響を及ぼし企業の通年採用に結びつけば結構なことだ。

2012年1月26日木曜日

キッチンのリモデル(2) IKEA

4日後のMeasurementは大雪で流れ翌週の月曜になった。
Measurementに来たのはSarahという長身の気さくで話しやすい典型的アメリカ人女性。
早速リノベーションの希望を述べる。 
*カウンタートップをGraniteにする。
*キャビネットを全部新しくする。
*クックトップのカウンターを30度ほどオープンにしてキッチンスペースを広げる。
*キッチンの横のファミリー・ルームの天井に一つライトを増やす。
以上の4点を挙げた。
彼女は追加のアイデアとして
*アイランドの設置も可能。 
*天井をあげれば開放感が増して広く感じる。
などを提案した。
その日はキッチンのMeasurementをして週末の金曜日にはデザイン図を持って配電工事のエンジニアと共に来ることになった。

2012年1月24日火曜日

2012 年頭教書

オバマ大統領としては4回目の年頭教書、もともと演説の上手な大統領でもあり4回目ともなればリラックスして弁舌も滑らかです。
昨年はアルカイダの首領オサマ・ビン・ラディンを殺害しイラクとアフガニスタンから軍隊の引き上げを完了し一応形の上で公約を果たしたあとでの演説で大統領にも余裕が伺えます。
オバマ大統領の筋書きは次のようなものです。
戦争終結によって戦費、軍事費を縮小しこれを景気対策(減税と公共投資)教育改革に投資する。時間はかかるがこれしかアメリカの再生はないということです。 (同感)
最初の3年はイラク戦争とアフガニスタン戦争の後始末とサブプライム問題、リーマンショック、EU通貨危機などの対策に追われオバマ大統領が目指すアメリカ再建政策に取り組む余裕はありませんでした。
再選されれば勿論のことですがそうでなくとも直ちに経済活性化にてこ入れする意向です。 
また外交政策としてはイランの封じ込め作戦、中国包囲網の構築を図ろうとしています。 私としては共和党が目を丸くするような急速な強硬姿勢をうちだすのではないかと見ています。 大統領本気の政策ですがタイミング的には再選に向けた選挙対策政策でもあります。
共和党のディベートの推移を見ていると全体として次元が低く誰が指名を獲得しようと本選でオバマに太刀打ちできる候補はいません。 現在の時点ではオバマの楽勝と言ってもいいと思います。

2012年1月22日日曜日

2012 米大統領選挙(7) S. Carolina

共和党の予備選、3回目は保守色の濃いサウスカロライナ州で行なわれました。
2日前までのPollではNew Hampshire州で勝利を収めたロムニーが10pts.ほどリードしてかなり有利と見られていましたが投票日前日に行われたディベートで元下院議長ギングリッチが大いに株を上げロムニーに40%(243153) vs 28%(167279)の大差をつけて大逆転の勝利を収めたのでした。
ディベートが行なわれる2日前に伏線となるTV番組がありました。ギングリッチの私生活を暴露するABCのインタビュー番組です。 出演したギングリッチの二番目の奥さんがギングリッチが彼女にOpen Marrige(浮気公認)を要求したと発言したのです。
今回のディベートの司会を務めるCNNのジョン・キングが冒頭でギングリッチにこのことを質問しました。
真偽の程は別として勿論ギングリッチは猛然と反発、「真剣なる大統領選挙のディベートでかかる問題を取り上げるとは冒涜もはなはだしい。 このようなメディアのやり方が国を台無しにする」と司会者は出て行けとばかり怒りを込めてキングを非難しました。
聴衆はギングリッチの毅然とした態度と発言をStanding Obeytion でサポートしました。 キングは世論の関心と疑惑を背景として質問しなければならなかったと言うがディベートには関係のない次元の低い話で冒頭に個人的な問題を質問するには場違いな気がします。 本来ならばギングリッチが大いなるダメッジを被るところを見事に速攻パンチで切返したので結果的にはギングリッチの評価を高めることになりました。 彼は確定申告も1時間前に公表したと云い長い経験をベースに「大所高所にたって大きな政治をする」と終始訴えたのです。 3回のディベートを通じて最も現実的で筋が通っているのはギングリッチでした。
一方トップ独走と見られたロムニーは確定申告の公表に関しては歯切れが悪くTax Rateが15%程度といっているが億万長者が一般の人よりRateが低いと言うのは納得しがたいところです。 ロムニーは自分は実業家としての成功実績があるから財政マネージメントには成功すると主張しているが具体的政策は見えてこない。 彼は優等生に違いありませんが人間的な面白さが欠如しています。 Likebilityでは他の候補者に大きく差を開けられています。 大統領選挙は政見、政策のみならず一種の人気投票、人格信任投票ですからロムニーが共和党指名を獲得しオバマに挑戦して勝利する可能性は非常に少ないと思います。
ディベートは票獲得の最大のチャンス。 しかし突っ込まれるとボロがでてしまう試練の場でもあります。 弁舌と議論のタクティックが要求される真剣な政治ゲームなのです。


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2012年1月18日水曜日

キッチンのリモデル(1) IKEA

今住んでいる家は2009年7月に購入、築25年で古いと云えば古いが丁度良い古さ。強がりを云えば建売新築より味がある。家の造りも周りの環境も云うことなく95点というところだが、唯一の不満はキッチンが少し狭くてキャビネットもカウンターも電気製品も古い。 キッチンは新しいに越したことは無いので何時かはリモデルしようと考えていた。
大きなプロジェクトは頭で考えていても特に不都合がない限りなかなか改築に踏み出せないものだ。
IKEAへ買物に行ったのが切っ掛けだった。 キッチン用品売場でセールと顔が合い改造のプロセスについて質問した。 あれこれ話しているうちにセールスはリモデルのアウトラインについてデザイナーと相談することを勧めてくれた。 私たちはリモデルの意向はあっても具体的なアイデアは持っていない。当然専門家のアドバイスは必要なのでIKEAと提携しているSignature Design Service GroupとConsulting 契約を結ぶことにした。
1)Measurement するだけなら$75
2)Besic Kitchen Planning (1+Cabinet Layout + Knob/Handle Selection + One Revision at IKEA) $350 
3)Full Kitchen Design (Basic Planning at Home Site + Counter Top, Backsplash, Flooring, Paint and Molding Selection, and All revisionBid & Sing Off) $695
IKEAでキャビネット、電気製品を買えば$350はリファンドされる。
私たちは当然3)を選んだ。
4日後にデザイナーが家に来ることになった。

2012年1月14日土曜日

世論調査は無視すべし

読売新聞社の世論調査によれば内閣支持率は37%で、前回調査(昨年12月10~11日実施)の42%から5ポイント下がった。野田内閣を「支持しない」理由として、最多の35%が「政策に期待できない」ことを挙げ、前回の28%から上昇し、「首相に指導力がない」も前回の18%から23%に上がった。
野田首相は「重要課題は先送りしない」と明言し社会保障と税の一体改革を進めようとしている。 政策が前に進まない理由は自民党崩れの古い金権体質・政局一辺倒小沢派が内にいること。外には「解散総選挙」とこれしか云えない谷垣自民党がいることで「政策に期待できない」 「首相に指導力がない」という事ではありません。
支持する理由でさえ「他の政権よりましだから」 また中間として「どちらともいえない」と言う自分の意見を持たない層が下半数を占めるのは情けない。
国民のレベルがこれだから政治改革も財政改革も一向に進まないのです。政治家のせいだけではありません。 世論調査の質問の仕方も悪いが現実をまともに考えず目先の損得でしか物事を捉えない人がいかに多いことか!今真面目に政治を考えないと将来もっと損するのです。
野田さん。 世論調査など気にしないで頑張ってください。

2012年1月12日木曜日

大統領予備選の序盤戦

大統領予備選の序盤戦は1月中に下記の順番で行なわれるのは民主党、共和党とも本部の方針(?)で決まっています。
1月3日 Iowa: 
農業州、Conservative, 99%白人
1月10日 New Hampshire:
中小企業中心,Philosophical liberal, Social Conservative、Independentが多く知的水準が高い
1月24日 South Carolina:
伝統的に宗教色の強いConservative, 黒人比率が高い
1月31日 Florida: 
Latinos(Including Cuban Community)中心のInternational Mixed
いつごろこの順番で行なわれるのが慣習になっているのか調べていませんが実によく出来た<打順>であるように思います。
国民が直接選挙で大統領を選ぶのにまず両党の政策を知り人物を評価する上でこの上ない機会を提供しています。 上記4州にはそれぞれ特徴があり時間を追って総括してみれば国の問題点はどこにあるのか。どんな意見があるのか、どうすれば解決できるのか充分考えることができます。 1月末時点で一応の流れができ候補者選びに拍車がかかります。 8月には両党とも候補を決定し大統領選ワールドシリーズに入ります。
大統領選挙は多様な国民の意識の集約と次の時代への出発点になるのです。

2012年1月11日水曜日

2012 米大統領選挙(6) New Hampshire

New Hampshire Primaryの結果はRomney39% Paul23% Huntsman17% Gingrich10%、Santorum10%
Romneyは予想通り楽勝、GingrichとSantorumは10%とふるわず。 特にGingrichは政治に対する見識は大いに評価されるがNegative Campaign に対し自らのNegative Attitude で自滅してしまいました。 アメリカの選挙はまずPositiveでClear & Sharpな発言をしなければ支持を失います。
Ron PaulはLibertarianとして主義主張(自由主義者ー保守派の原点)がはっきりしており少なからず現実からははずれているとしても多くの支持を集めている所以です。 
アメリカには多種多様の意見、多くの宗教・教義に基づく社会的背景があり幅広く支持を集めようとすると日和見主義となり主義主張がぶれる。 一つの主義主張に拘りすぎると支持が広がらない。 選挙に勝つにはこの辺のバランスが難しいのです。

2012年1月8日日曜日

New Hampshire Debate (2)

昨夜のディベート(ABC)のわずか12時間後、1月8日後午前9:00時からまた共和党のディベート(NBC)が行なわれました。おそらくTV局の番組編成の都合でこんなにタイトなスケデュールになったのでしょうが候補者は大変です。
今日のディベートは昨夜のディベートと違って最初から司会者(Moderater)ーDavid Gregoryの大変鋭い質問が飛び出し緊張感にあふれたものになりました。

DAVID GREGORY: Speaker Gingrich, why shouldn't Governor Romney be the nominee of this party? What about his record concerns you most or makes him-- disqualified to be the nominee?

NEWT GINGRICH: Look, I-- I think what Republicans have to ask is who's most likely in the long run-- to survive against the kind of billion dollar campaign the Obama team is gonna run. And I think that a bold Reagan conservative with a very strong economic plan is a lot more likely to succeed in that campaign than a relatively timid Massachusetts moderate who even The Wall Street Journal said had an economy plan so timid it resembled Obama.
So I think you've gotta look at, you know, Massachusetts was fourth from the bottom in job creation under Governor Romney. I-- we created 11 million jobs while I was Speaker and I worked with governor-- with President Reagan in the entire recover of the 1980s. That is they-- there's a huge difference between a Reagan conservative and somebody who comes out of the Massachusetts culture with an essentially moderate record who I think will have a very hard time in a debate with president.

DAVID GREGORY: Speaker Gingrich, bottom line, you believe that Governor Romney is unelectable?

NEWT GINGRICH: Well, I don't believe he's unelectable but I think he has a much-- I-- look, against Obama's record, I think , you know, the fact is President Obama's gonna have a very hard reelection effort. But I do think the bigger the contrast, the bolder ideas, the clearer the choice, the harder it is for that billion dollar campaign to smear his way back into office.
http://www.msnbc.msn.com/id/3032553/

上記のスクリプトに見られるようにGingrichはRomneyを攻撃するとともに自分の見識・経験を訴えるの成功していました。
SantorumもRomneyが中途半端な保守派で共和党の候補としては資格がないと激しく攻撃していました。 これは昨夜からの変わらぬ流れですが今日は各候補の攻撃がRomneyに集中しRomneyは防戦に精一杯でした。
司会者のD. Gregoryは明らかにトップランナーのRomneyをチェックするような全体の流れをつくりあげていました。 プロレスではありませんがトップランナーはいつもリング内外で叩かれ引き摺り下ろされる運命にあります。 だから面白いのです。
今日のディベートの結果が2日後の投票にどう影響するのかわかりませんが私の判断ではGingrichが急上昇するように思います。

2012年1月7日土曜日

New Hampshire Debate

New Hampshire Primarを三日後に控えてまた共和党のディベートがABCの主催で行われました。New Hampshireの住民にとっては候補者選択の再確認をするためのいい機会、他の州の視聴者にとってはIowaで辛うじてトップをとったロムニー候補がどれだけ首位がためをするのか注目するところです。
ディベートを重ねるにつけ質問自体が陳腐となり候補者も答え慣れしているので緊張感がありません。 ディベートを進行するABCの質問者の資質にもよりますが今回は切り込んだ質問ができず候補者から逆に質問の内容を問いただされる始末で司会そのものが良かったとは言えませんでした。
結局トップを走るロムニーは他の候補者の攻撃に対してもそつのない答えで切り抜け安定感を示して成功したといえるでしょう。 私としては 彼のキーワード、creating jobs の具体策が全く見えないのが不満でした。
私は議員生活27年のギングリッチがさすがに一番よく世界を見て政治を知っていると思いました。 アフガニスタンからの撤退問題について質問されたとされた時、イラク、イラン、パキスタンを含めて今日の問題は長期的な世界政治の問題であり短期間に軍事的に解決できる問題ではない。 テロへの資金供給国サウジアラビアを抑えないことには問題は解決はできないとはっきり答えたのには驚くと同時に全く同感だとおもいました。 このような見解は予備選のディベートの段階ではなかなか聞くことができません。言い換えればギングリッチはもう大統領になることを諦めて政治解説者になったのでしょうか。 見解は的を得てても意欲が感じられなければ最早Presidential Race Contenderとは言えません。
いずれにせよ候補者間で激しいやり取りはなく今までのおさらいに終わりました。 ということはロムニーにとっては成功であり他の候補者にとっては成果なしということになります。


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2012年1月5日木曜日

オバマ大統領の戦略

オバマ大統領の戦略
共和党の候補者は来週の予備選、New Hampshireに舞台を移し遊説を続けています。 Romney もSantorumも異口同音にオバマ大統領の政策はバラマキで一向に成果を上げていない。 経済を再建するには増税は止めて補助金を削減し小さな政府をめざすべきだと現政権の政策を避難しています。
一方オバマ大統領は1月4日にパネッタ国防長官とともに国防省を訪れ記者会見で基本的な軍事戦略の転換と大幅な国防費削減を発表しました。
過去10年にわたりイラクとアフガニスタンの二つの戦争を抱え目立った成果を上げることなく大きな財政赤字を積み上げる原因となりました。
オバマは大統領になる以前からこの戦争がアメリカ凋落の原因と見て戦争の終結を公約としていました。 公約通り先月末にはイラクからもアフガニスタンからも撤兵を完了しました。 オバマ大統領は就任以来二つの戦争の収拾と経済金融危機の対応に追われ自らの政策を実行する時間的余裕・財政的余裕がありませんでした。
アメリカは日本やEU諸国と同じく財政危機に直面し大幅な財政再建を迫られています。予算の削減と財源確保はどの国にも共通した緊急の課題ですが解決は容易ではありません。 事実大統領の要請で創設された超党派の財政再建委員会は民主共和両党の対立が激しく結論を得ることなく解散してしまいました。オバマ大統領は先手をうって新軍事戦略と大幅な軍事予算削減を発表したのは今日の世界情勢に合わせてアジア地域に重点を移しイランや北朝鮮を睨みながら中国包囲網を結成しようという戦略から来ています。 イラク戦争をきっかけに地上兵力の充実を図ったのは結果的に失敗に終わりました。 最早地上部隊を別の大陸に派遣して敵の勢力を駆逐するといった時代ではありません。 オバマ大統領は陸軍と海兵隊を大幅に削減し海軍と空軍を充実させ機動力を充実させようというものです。これは全く正しいと思います。しかしオバマ大統領の真の狙いは軍事費の大幅に削減でまず財政を立て直しこれで以って教育(人材育成)と新産業開発に向けての投資をしようとしているのです。時間はかかるがそれ以外にアメリカ再生の道はないと信じているのが就任以来の演説を聞いていれば判ります。
共和党の予備選ではロムニー候補が有利に戦いを進めていますが誰が最終チケットを得ようとも現在の経済状況がよほど悪化しない限り本戦でオバマに勝てるとは思えません。 夏場にかけて失業率が8%以下をキープし住宅販売が上向けばオバマの勝利はまず間違いないと思われます。
オバマ大統領が再選されればオバマはアメリカ再生に邁進するでしょう。方向がはっきりすればアメリカ全体が動き出すのに時間はかかりません。



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2012年1月4日水曜日

2012 米大統領選挙(5) The Day After

<Iowa Caucusの結果>
Romney    30015 25% Deligates 13 
Santorum   30007 25% Deligates 12
Paul      26219 21% Deligates 0
Gingrich    16251 13% Deligates  0
Perry,  Backmann, Huntsmann は10%以下。
Mitt Romneyは辛うじてトップ維持したがAnti-Romneyの動きが保守派の間で根強くあって共和党全体の支持を得ていません。
Santorumは草の根遊説が実って大躍進。 Iowa Caucusのような原始的選挙では草の根が強いのは4年前のオバマと同じです。
Paulは大健闘。 「無駄な戦争反対、ばら撒き反対、小さな政府」はわかりやすく若年層に人気。 4年前と同様得票の如何に拘わらず最後までわが道を行くでしょう。それは国民を啓蒙する上で大いに意味のあることです。
Gingrichの13%は問題。Romney支持グループのTVネガティブ・キャンペーンで急降下。まともに反論できず恨み節ばかり。 これでは戦う前に敗北を認めたようなものです。 アメリカではやられたらやり返さなければならない。しかしGingrichにはTV Adでやり返す資金がないといわれています。 
Backmannは地元にもかかわらず惨敗、今日にもRetire発表するでしょう。
Perryは近いうちにRetire, HuntsmannはIowaを捨てNew Hampshireにかけているも支持は広がっていません。

2012年1月3日火曜日

2012 米大統領選挙(4) Iowa Caucus

TVは朝からIowa Caucusの模様を報じている。 小さい州でも1900ほどの選挙区があり学校、教会、図書館、体育館、スタジアム、個人の家でそれぞれCaucus(選挙集会)を開き各候補の代議員が演説して選挙民を勧誘する。 選挙民の間でも誰が良い、誰が悪いと活発な意見が交わされる。 その場で最終A候補からB候補に乗り換えする人も出てくる。 候補者の一方的な演説に終わらず選挙までに数回のディベートを通じてお互いに政策を批判し選挙民も候補者との対話がある。正式な投票用紙はなくそれぞれの選挙区で用意した用紙に候補者名を記入するか人数が少なければ挙手で数える。投票はこのようなプロセスを経て行なわれるので結果は充分納得いくのではないか。 民主主義選挙を徹底するには時間がかかる。
選挙は午後7時に締め切られ開票結果は次々と党本部に集められ発表された。
予想通り始めはRomney, Paul, Santorumのデッドヒートとなり2時間経っても当選確実は報道されない。 82%以降の開票は遅々として進まずRomneyとSantorumが25%ずつで譲らない。 4時間以上経過し開票率99%以上になっても得票差が10票以内で1位と2位がくるくる入れ替わる。一時は一票差でRomney, 最終99.9%でSantorumが4票上回って動かなくなった。 一選挙区で開票トラブルがあったみたいでこれでは明日まで決着が着かないだろう。

2012年1月2日月曜日

2012 米大統領選挙(3) Iowa Caucus

今年は大統領選挙の年です。 民主党からは現職オバマ大統領が出馬するので予備選は信任投票みたいなもので実質的に選挙は行なわれません。 候補者選びは共和党のみで盛り上がりに欠けるのは4年前のようにヒラリー・クリントンやバロック・オバマのような大スターの対決がないからだと思います。 
また形だけでもイラク・アフガニスタン戦争は終わり戦争は大きな争点にはなりません。 経済は数字が若干もちなおし底入れ感がありますが不透明・不確実性が多くて景気回復の決定打はありません。 財政改革も医療や教育費削減とパッケージで前向きのはなしではありません。このような背景のアメリカ社会では以前のような威勢の良い選挙演説は難しいのです。 現実を見ればどうしても内向きにならざるを得ません。
私自身4年前のようにわくわくしながらTVのディベートを注視することもなくなりました。

しかしアメリカ共和党予備選挙(野球で言えば共和党リーグ公式戦)が始まります。 初回はIowa Caucus、1月3日に投票が行なわれます。 いつもトップ・バッターはIowaに決まっており最初の選挙結果はその後の選挙に大きな影響があるので各候補者とも数週間前からIowa入りして遊説を続けています。 Iowaの住民は自分たちが大統領選挙の流れを作ることに大きな誇りを感じておりタウンミーティングで候補者の生の声を聴き質問を投げかけます。
民主主義の原点がここにあるように思います。 (米大統領選挙(3)アイオワ予備選 Jan. 4、2008 参照)
1月10日 New Hampshire、1月21日 South Carolina, 1月31日、Floridaと順番が決まっています。 その後毎週1-2州各地で予備選が行なわれ3月6日のSuper Tuesday(Alaska, Georgia, Indiana, Massachusetts, North Dakota, Ohio, Oklahoma, Tennessee, Vermont, Virginia )になだれ込みこの頃には大勢が決まります。
ここ10日間にPollに大きな変化がありました。 Newt Gingrichの失速とRon Paul, Rick Santorumの追い上げです。 Newt GingrichはRomneyのネガティヴ・キャンペーン(住宅金融公社 Fredie Macからの献金問題)に充分に反論できずに急落、論旨明快(無干渉、孤立主義)のRon Paulが浮上、同じくSantorumにも保守派に支持を集めています。Mitt Romneyが頭一つ抜けているが3者がほぼ一線ののIowa Caucus, 明日の開票結果はどうなるか選挙権が無くても気になります? アメリカは政治の季節です。

2012年1月1日日曜日

期待できる野田首相ー年頭所感

2012年は政治も経済も期待できるとし年になりそうです。

理由は野田首相が年末の民主党議員総会で社会保障と税一体改革の推進に関して反対意見が多いにも拘わらず党内をまとめ来年法案を提出するめどをつけたこと。 
また野田首相は1日付で年頭所感を発表し、社会保障・税一体改革について、「財政規律を維持し、『国家の信用』を守ることは、今を生きる私たちが未来の世代から託された責任だ」と強調し、・・・社会保障制度の持続可能性を高める必要性を指摘する一方、・・・「不断の歳出削減と税外収入の確保に全力で取り組む」方針も示した。
「『何かに挑戦することによるリスク』を恐れるより、『何もしないことのリスク』を恐れなければならない。山積する課題に正面から取り組み、成果を上げていくことが、国難のただ中に生きる日本人が果たすべき歴史的使命だ」と理解を求めた。
(2012年1月1日00時02分 読売新聞)

野田首相は政治課題を政局にしない始めての首相だと思います。 信念を持って演説する。道理と弁舌で党内外を説得し国民の理解と支持を集める。 これこそ政治と言うものです。
今までの政治家は事態を理解し政策は考えてはいるものの政局のため(自身、自派、自分の党のため)まともにものを云う人はいなかった。 結局国民には判りにくい料亭政治になってしまっていたのです。 小沢一郎はその代表的な存在であり未だに大きな勢力を維持しているのは真に問題ですがこれは日本の社会がまだ成熟した民主主義政治体制(個人が独立した市民社会における)になっていない証拠です。
日本の将来を左右する重要な時期に野田さんのような政治家が首相になったのは幸運です。 社会保障・税一体改革にあわせて議員削減もやるそうですからついでに行政改革も全面的に踏み込んでやってほしいと思います。 やっと期待していた政治家が現れたのですから今度は潰さないように国民がしっかりと支持するべきでしょう。