2012年6月29日金曜日

キッチンのリモデル(18) 余禄

キッチンのリモデルを通じて多くの人との出会いがあった。
仕事の大部分はContractorであるSMY Home ImprovementのVlad(Vladimir)を中心とするウクライナ人グループである。 
マネジャーのVladはネイティヴのような流暢な英語を話し物腰の柔らかいセールス兼デザイナー、アメリカに来てから12年。
大工のVal (Wellと同じ発音)は言葉少ないやさしい力もち。 技量は超一流、Valの奥さんのお父さんは国際的なバスケットボール・プレイヤーだったがロシアに連れて行かれてロシア人となりロシアのナショナル・チームでプレーさせられた。 奥さんはウクライナ人でも幼くしてモスクワに移住させられたのでロシア語しか話せない。
電気工のVitaliyはオレゴン大学卒のインテリエンジニア、仕事ぶりに頭の良さと性格のよさがにじみ出る。 お父さんが宗教亡命を申請してから6年、14歳でアメリカに来たらしいが亡命許可が出たのは奇跡といわれているとか。(結局は多額のお金を払ったからと彼は云う)
ウクライナでは小学校6年の間にアメリカで中学3年までのカリキュラムは終えてしまうと云う。 ウクライナの教育程度が高いのかアメリカの教育程度(学力だけをみれば)が低いのかよく判らないが。

Grqanite Counter TopのInstallationをするのがSub Contractor であるPro Granite.
Miriumというエストニア出身の女性マネジャーが率いるロシア人グループ。 何百キロもするGraniteの石板を設置する文字どおりの力仕事だが愛想が悪く働いている従業員は挨拶もろくにしないで仕事を始める。仕事は粗く一回目のInstallationは失敗してCounter Topを潰してしまった。 2回目は継ぎ目がうまくゆかないで2回補修をする。 謝るどころかこれが普通だと言い張る。 重たい道具箱をカウンターや床にドカンと音高く置く。 新しいキャビネットやカウンターにキズが着かないはらはらして気が休まらない。こんな連中の仕事ぶりを見るのは精神的に苦痛である。今まで持っていたロシアに対する悪いイメージが上書きされて益々ロシア嫌いになってしまった。 
ウクライナとロシアでどうしてこんなに違うのだろう。

彼らと話す前はウクライナのことは殆ど知らず旧ソ連の一部ぐらいの認識しかなかった。 ウクライナはロシアとは言葉も文化も違うという。直接言葉にしないが話の裏にはアンチ・ロシアの気持ちがうかがえる。ウクライナは資源や農産物が豊かな国だからロシアに随分持っていかれただろうが人まで連れて行くとはひどい話だ。
2ヶ月の間にわずかながら彼らと話す機会がありウクライナのことを少し知り得たのはビジネス以外のよい時間であった。