2012年10月23日火曜日

第三回大統領選ディベート

3回目(最後)のディベートは熱のこもった討論になった。やっと本来のディベートが戻ってきた。 今回のディベートは外交問題に絞られたため世界情勢の認識と政治姿勢がもろに出てくる。 経済や社会問題のように国内各派に気を使う必要もなくまた数字のまやかしやレトリックも通用しない。(ただしイスラエルに関連する問題はユダヤ人グループの反応を充分考慮して発言している)
イラクやアフガニスタンでのテロはいっこうに収まらずリビアでの米大使暗殺など世界の現状はオバマ大統領にとっては不利な背景があるにもかわらず彼は終始雄弁であった。
論議の中心になったのはイランと中国である。 イランに対しては経済制裁が効果を現しつつあり近いうちに結論が出るだろう。 二人とも今後10年20年は中国の時代だという認識では一致している。 経済、外交、軍事でどう対応するかがアメリカの最大の課題である。
世界情勢の認識はさすがに現職で指揮官たる大統領の現実的な分析と見解が見て取れ微妙な舵取りに苦慮していることが判る。 大統領就任以来「ぶれない人物」の真価が読み取れる瞬間だ。 もし今日大統領がブッシュJRであったとしたら世界は大いなる混乱に陥っていたと思われる。 イラクにのめり込んだのはブッシュでありバブルを招いたのもブッシュである。大恐慌を防ぎイラクとアフガンから手を引いたのはオバマなのだ。 リーマンショック以降の経済は平常に戻りつつあり正常化するにはまだ数年かかるだろう。異常な社会が平常に戻ってもその時の施政者はあまり評価されないが。

今日のディベートを通じてロムニーは世界に対して歴史的認識が浅く表面的にしか見ていないことが判った。 また深い洞察力や忍耐に欠けているのを露呈してしまったので彼は世界のリーダーとしては相応しくない。アメリカと世界の重責を担うには不十分である。

 今日のディベートでは明らかな差が出て私見では 60−40でオバマの勝利。 ディベート直後のCNN POLLでも48−40でオバマが勝利とでた。余談だがCNNの解説では統計的にCNNのディベート視聴者は共和党支持者が6%多いのでPollの結果も修正しなければならない。
でも大半の有権者はもう投票(どちらにするか)を決めていて 今回のディベートの影響は少ないだろうと言われている。いずれにせよ本戦は接戦になるだろう。