2012年11月7日水曜日

オバマ大統領再選


一年の長きにわたる政治ショウはフィナーレを迎えました。

開票が始まった午後5時(東部時間午後8時)から午後7:30まではロムニーがリード。 アメリカの地図の中央部は赤(共和党色)に塗りつぶされていました。
オバマが獲得した州はニューヨーク州を含む東北部の数州に限られており一見ロムニー有利のように思われたのですがこれはあらかじめ世論調査で予想された展開でした。
同時に行われた上院(州ベース)と下院(選挙区ベース)の選挙では上院は民主党、下院は共和党が当選者を増やしていました。 特に上院では民主党の逆転勝利がめ目立ちました。 この時点で私はオバマ大統領の再選を確信していました。なぜなら大統領選挙と上院議員選挙はベースが同じだからです。
午後8時に西部時間帯のカリフォルニア州とワシントン州の投票が締め切られると同時にオバマの当選確実が報じられ逆転、一気に256票に達してほぼ当選を確実にしました。 8時15分には今回選挙の焦点であったオハイオ州でオバマが勝利して過半数の270票を越え再選が確定したのでした。

午後10時(東部時間午前1時)にロムニーは敗北を認めてオバマ大統領大統領に祝福の電話をしました。 彼はオバマ大統領がこの国の再生のためにリードして欲しいと期待を述べ家族や支援してくれた人々に感謝して演壇を降りたのでした。
このときばかりは言い訳をせず計算もなく淡々とした演説で去り際としては最もスマートで好感が持てこの一年の中で一番いい演説でした。

選挙中ロムニーは計算しすぎでその場その場でうまく対応することに精力を傾けすぎ時と場合により内容にぶれがありました。 ビジネスで成功した実績をそのまま政治にアプライしようとするところにも単純さと無理が見えました。 また一年以上もメディアにさらされ何回となくインタビューをうけながら彼の魅力のある人生哲学を語ることができない。従って国民は本当の彼を知ることができない。 これが最大の敗因だろうと思います。

オバマ大統領はが4年前に経済危機、テロとの戦い、高失業率と最悪の環境でスタートしました。 4年間で経済は大幅に改善したとは思えず失業率は高止まり。 財政は悪化。オサマビンラディンは取り除いてもテロ行為は一向に止まない。 リーマンショック後の金融危機や大恐慌を回避したというのは最大の功績であると思うのだが防御の実績はあまり評価されない。
選挙直前にはハリケーンサンディがニュージャージー、ニューヨークを襲い未曾有の被害を蒙った。 このような状況なら現職の大統領は能力の如何を問わず交代させられるのが普通でしょう。
オバマ強さはぶれないこと。 彼は隠すところが全くなく彼の半生は万人の知るところ。 何回となく聴いた演説の中には必ず教育と機会均等がでてくる。 彼自身が今あるのは教育と機会を与えられたからであるということを認識しておりそれを全ての若い人々に伝えようとするメッセージがこめられているのです。 またそれがアメリカ再生、経済再生への道であると云う哲学も読み取れます。
このような困難な時期に再選されたのはオバマという人が確固たる哲学と人間的魅力と信頼を備えた人物であったからと思うのです。

それにしてもアメリカ国民の選挙に対するのエネルギーは素晴らしい。
選挙のエネルギーは政治のエネルギー、政治のエネルギーは国のエネルギー
選挙に費やす長い時間と莫大な費用はこの国の根幹をなす自由と民主主義をメインテンスする費用としては安いものです。