2012年3月21日水曜日

盛上がらない予備選

3月20日の共和党予備選は、中西部イリノイ州で行われ、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が勝利した。
これで33州(自治領を含む)で予備選が終わり獲得代議員数の総計は、ロムニーが562、サントラムが247となった。 中間層を幅広く集めているロムニーが指名獲得するのはほぼ確実とみられるがこの時期になってもいっこうに盛り上がりがみられない。

2008年の予備選では民主党にヒラリー・クリントンとバラク・オバマという2人のスーパー候補がしのぎを削っていたこと。 どちらが大統領になっても初の女性大統領か初の黒人大統領かと言うことで予備選(ほぼ毎週)があるごとに大いに沸いたものだ。 共和党にはマケイン、ハッカビー、ロムニー, ジュリアニがいて誰が対抗できるかで興味があった。 今年はオバマ大統領が2期目に出馬するので民主党内には対立候補はいない。

今の共和党候補の中にはスターが見当たらない。 マサチューセッツ州知事を務めたものの投資家(ベンチャー)で一発当てた成金大富豪のイメージがつよく大衆には人気がない。 2番手につけているサントラムは強いていうなら「宗教保守派」で政策的には保護主義、Social Conservativesには受けても幅広く支持を集めるのはむずかしい。 本当の政治保守派は元下院議長ギングリッチ候補だが古い時代(レーガン、ブッシュ、クリントン)のイメージが強く人気がない。三度目の結婚というのも理屈抜きに女性には敬遠される。自由主義者のポール候補は政策がわかりやすく国内では小さな政府、国際的には不干渉主義で若者に人気がある。 ただしあまりにも飛躍しすぎて現実性に乏しい。 
つまりスター性、カリスマ性のある候補がなく消去法でロムニーがトップを走っているわけで共和党内でさえ熱狂的な支持者はいないのが盛り上がらない原因だろう。 
経済が回復しつつあるのもオバマ大統領には追い風で誰が共和党の指名を獲得したとしても現職オバマ大統領にはいまのところ勝ち目がない。 競争(選挙)はライバルが居てこそ盛り上がるし面白い。