2012年1月5日木曜日

オバマ大統領の戦略

オバマ大統領の戦略
共和党の候補者は来週の予備選、New Hampshireに舞台を移し遊説を続けています。 Romney もSantorumも異口同音にオバマ大統領の政策はバラマキで一向に成果を上げていない。 経済を再建するには増税は止めて補助金を削減し小さな政府をめざすべきだと現政権の政策を避難しています。
一方オバマ大統領は1月4日にパネッタ国防長官とともに国防省を訪れ記者会見で基本的な軍事戦略の転換と大幅な国防費削減を発表しました。
過去10年にわたりイラクとアフガニスタンの二つの戦争を抱え目立った成果を上げることなく大きな財政赤字を積み上げる原因となりました。
オバマは大統領になる以前からこの戦争がアメリカ凋落の原因と見て戦争の終結を公約としていました。 公約通り先月末にはイラクからもアフガニスタンからも撤兵を完了しました。 オバマ大統領は就任以来二つの戦争の収拾と経済金融危機の対応に追われ自らの政策を実行する時間的余裕・財政的余裕がありませんでした。
アメリカは日本やEU諸国と同じく財政危機に直面し大幅な財政再建を迫られています。予算の削減と財源確保はどの国にも共通した緊急の課題ですが解決は容易ではありません。 事実大統領の要請で創設された超党派の財政再建委員会は民主共和両党の対立が激しく結論を得ることなく解散してしまいました。オバマ大統領は先手をうって新軍事戦略と大幅な軍事予算削減を発表したのは今日の世界情勢に合わせてアジア地域に重点を移しイランや北朝鮮を睨みながら中国包囲網を結成しようという戦略から来ています。 イラク戦争をきっかけに地上兵力の充実を図ったのは結果的に失敗に終わりました。 最早地上部隊を別の大陸に派遣して敵の勢力を駆逐するといった時代ではありません。 オバマ大統領は陸軍と海兵隊を大幅に削減し海軍と空軍を充実させ機動力を充実させようというものです。これは全く正しいと思います。しかしオバマ大統領の真の狙いは軍事費の大幅に削減でまず財政を立て直しこれで以って教育(人材育成)と新産業開発に向けての投資をしようとしているのです。時間はかかるがそれ以外にアメリカ再生の道はないと信じているのが就任以来の演説を聞いていれば判ります。
共和党の予備選ではロムニー候補が有利に戦いを進めていますが誰が最終チケットを得ようとも現在の経済状況がよほど悪化しない限り本戦でオバマに勝てるとは思えません。 夏場にかけて失業率が8%以下をキープし住宅販売が上向けばオバマの勝利はまず間違いないと思われます。
オバマ大統領が再選されればオバマはアメリカ再生に邁進するでしょう。方向がはっきりすればアメリカ全体が動き出すのに時間はかかりません。



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