共和党の予備選、3回目は保守色の濃いサウスカロライナ州で行なわれました。
2日前までのPollではNew Hampshire州で勝利を収めたロムニーが10pts.ほどリードしてかなり有利と見られていましたが投票日前日に行われたディベートで元下院議長ギングリッチが大いに株を上げロムニーに40%(243153) vs 28%(167279)の大差をつけて大逆転の勝利を収めたのでした。
ディベートが行なわれる2日前に伏線となるTV番組がありました。ギングリッチの私生活を暴露するABCのインタビュー番組です。 出演したギングリッチの二番目の奥さんがギングリッチが彼女にOpen Marrige(浮気公認)を要求したと発言したのです。
今回のディベートの司会を務めるCNNのジョン・キングが冒頭でギングリッチにこのことを質問しました。
真偽の程は別として勿論ギングリッチは猛然と反発、「真剣なる大統領選挙のディベートでかかる問題を取り上げるとは冒涜もはなはだしい。 このようなメディアのやり方が国を台無しにする」と司会者は出て行けとばかり怒りを込めてキングを非難しました。
聴衆はギングリッチの毅然とした態度と発言をStanding Obeytion でサポートしました。 キングは世論の関心と疑惑を背景として質問しなければならなかったと言うがディベートには関係のない次元の低い話で冒頭に個人的な問題を質問するには場違いな気がします。 本来ならばギングリッチが大いなるダメッジを被るところを見事に速攻パンチで切返したので結果的にはギングリッチの評価を高めることになりました。 彼は確定申告も1時間前に公表したと云い長い経験をベースに「大所高所にたって大きな政治をする」と終始訴えたのです。 3回のディベートを通じて最も現実的で筋が通っているのはギングリッチでした。
一方トップ独走と見られたロムニーは確定申告の公表に関しては歯切れが悪くTax Rateが15%程度といっているが億万長者が一般の人よりRateが低いと言うのは納得しがたいところです。 ロムニーは自分は実業家としての成功実績があるから財政マネージメントには成功すると主張しているが具体的政策は見えてこない。 彼は優等生に違いありませんが人間的な面白さが欠如しています。 Likebilityでは他の候補者に大きく差を開けられています。 大統領選挙は政見、政策のみならず一種の人気投票、人格信任投票ですからロムニーが共和党指名を獲得しオバマに挑戦して勝利する可能性は非常に少ないと思います。
ディベートは票獲得の最大のチャンス。 しかし突っ込まれるとボロがでてしまう試練の場でもあります。 弁舌と議論のタクティックが要求される真剣な政治ゲームなのです。
iPadから送信