マッケーン・ペイラン効果
マッケーンの氏名受諾演説は旅行中でLiveでは見ることが出来なかった。 その後数日間ニュースの解説や評論番組でスポット的に演説を聴くことが出来たが共和党大会以前とは随分迫力が違うと思った。 また内容がマッケーン本来の主張に戻っていた。 党大会以前は共和党保守派に遠慮してかなり遠慮した発言(明言を避けた曖昧な発言)が多かったが今回の演説では彼本来の見解をはっきりと主張していた。 これは保守派のPalinを副大統領候補に立て党内保守派を抑えたことによる結果であると思われる。 Palinはオバマ支持に傾いていた女性票を大きく揺さぶっている。 マッケーンは支持を決めていない中間層、 民主党・共和党sどちらにも属さない自由独立派の人々を取り込むための新しいキャンペーンスタイルをとり始めた。
今まで共和党全体の支持を得るため現ブッシュ政権とワシントン政界の批判を避けていたが党大会以降は現在の政治の改革を大胆に主張しはじめた。 “改革-Change”は本来民主党のスローガンであったが取り込まれてしまって民主党の影が薄れてきている。
9・11のテロ攻撃から7年目の慰霊行事を目前に控え国家安全保障とアルカイダ対策の重要性を改めて訴えた。 同時にオバマの安全保障に関する未経験とイラク撤退に関する見解を非難している。 これはマッケーンの政策のバックボーンになる国家安全保障の重要性を訴える絶好のタイミングである。
ペイリンで保守派を押さえかつ女性票の獲得に成功しつつありマッケーン自身もイラク対策以外は幅広く柔軟な政策を語り始めて中間層の獲得に効果を発揮しつつある。 Pollは大きくシフトし始めた。
民主党党大会直後からペイリン演説までの数日はオバマがマッケーンを4-6ポイントリードしていたがペイリン演説から党大会終了までにマッケーンが急速に追い上げ今週に入って各種Pollの平均値は1-3ポイントマッケーンが逆転リードするに至った。
なんというペイリン効果であろうか。 メディアもびっくりといった感じである。
選挙戦も第3コーナーを回りホームストレッチに入ってきた。 いずれにせよ最後までデッドヒートは続くだろう。 2000年のフロリダ州での投票再カウントのシーンが頭をよぎった。 あの時以上にアメリカ国中が緊張するに違いない。