2008年8月9日土曜日

北京オリンピック開会式

北京オリンピックが始まった。 12時間遅れで開会式を見ている。 
開会直前まで国内外で事件で国際的な批判の的になっていた中国。 果たしてうまく行くのかどうか不安を抱えながらの開幕であった。 しかし開会式が始まるや否やそんな危惧が吹っ飛ぶほど見事なエキジビションである。 演出、構成、技術、芸術性いずれをとっても今まで見たオリンピック開会式の中でOne of The Bestだと思われる。 しかもさすが中国と思わせるほどスケールが大きい。 
北京オリンピックは最新の中国を世界に見せつけるための国家プロジェクトである。 この目的は開会式に関していえは100%成功といってよい。 ブッシュもプーチンもサルコジも福田首相も出席してくれた。 これだけそろえば胡錦祷主席も面子を失わずにすんでさぞ満足だろう。

最初のエキジビション2000人のドラムのパフォーマンスを見てその迫力に圧倒されると同時にふと一昨年東京で見た「秦の始皇帝と兵馬俑」を思い出した。 絶大な権力を持つ皇帝と選び抜かれた精鋭の兵士たち。 上空から撮影された映像がまるでコンピュータグラフィックを見るように動きが一糸乱れずコントロールされている。 クローズアップされる演奏者の顔がキリとしてまるで始皇帝の兵士のようだ。 中国は歴史的に強力に中央集権化された世界最大の国家である。 最高の知能と技能を結集すればこれくらいのことはできて当然である。 しかし私たちが今見ているこの映像は中国の先端部分であって中国全体を体現するものではない。 平均の中国像との格差はどの国よりも大きいといわざるを得ないだろう。

今演じられているこの技術と文化が中国の市民レベルまで浸透するにはしばらく時間がかかるがこの動きは止まらない。 オリンピックを契機にますます加速することが予想されるだろう。  とにかく中国は急速に変化を続けるだろうがそのインパクトは日本と日本の国民に大きな影響を及ぼす。 アメリカも民主党であれ共和党であれ新しい政権の下でチェンジする。 日本はじっとしておれないのだ