2008年8月23日土曜日

米大統領選挙(31)オバマ/バイデン

オバマ VPを選択

メディアは数日前から民主党のVP候補をインディアナ選出上院議員エヴァン・ベイ、バージニア州知事ティム・ケイン、デラウエア選出・上院外交委員長ジョー・バイデンの3人に絞っていた。
22日(金)の朝には消去法でジョー・バイデンが最有力と伝えていた。

23日午前3時にオバマ候補が約束していたように支持者にはE-mailでVP選択を伝えられた。 それ以前にLA Timesがこのニュースをスクープしたようである。

私はジョー・バイデンの選択が大統領選挙にも大統領の補佐としてももっとも適切で強力なコンビであると思う。 ジョー・バイデンは議員暦36年、上院外交委員長・上院法務委員長として内外に顔を知られている実力者である。 オバマが未経験といわれている分野をカバーするには最適に人物であり彼の明るく気さくな性格はアメリカ人が最も好むタイプの人間である。 

この1週間ほどオバマの人気は下降気味でポールではマッケーンとの差は1-2ポイントに狭まってしまった。 北京オリンピック最中のグルジア紛争が夢を描いていたアメリカ国民を厳しい現実に引き戻した。 オバマは予備選の間アメリカの現政権を批判しアメリカの理想を語った。 マッケーンは現実への対処を重視した。 アメリカの大半の国民はイラク戦争は間違いだとしておりテロとの戦いにも疲れが見えている。
何か新しい希望が必要なところに理想を掲げたオバマが登場し熱狂的に歓迎した。 国民は“Something Change”を望んでいる。 しかし現実は甘くない。 国際的にはグルジア紛争が勃発し国内的には金融システムが揺らぎ不況色を強めている。 予備選の間しばらくアメリカの理想に酔っていた国民が厳しい現実に酔いを醒まされたということだ。

大統領選挙本選はマッケーンの現実論かオバマの理想論かということになる。

理想や希望を忘れてはアメリカがアメリカでなくなるのでアメリカの国民のみならずアメリカを世界の希望と思っている外国の人々にとっても今回の選挙は重要なのだ。
民主党がオバマvs.ヒラリーの確執を忘れてオバマ/バイデンをサポートすればオバマ大統領の誕生は確実になる。