2008年8月27日水曜日

米大統領選挙(33) ヒラリーの応援演説

ヒラリーの応援演説

予備選で二つに分かれた民主党の結束のキーを握っているのはヒラリー・クリントンである。 
党大会2日目(26日)のヒラリーの演説は民主党のみならず共和党も含めて全米の注目するところであった。 2ヶ月前にヒラリーが予備選レースからドロップアウトしてから今日までヒラリーもビル・クリントンも言葉ではオバマを支持するといいながら本当に100%支持するのかどうか疑問視する声が多かった。 オバマが本選で負ければまた2012年には再チャレンジのチャンスがめぐってくる。 オバマが本選で勝てば2016年までチャンスはない。 政治の本道を離れてヒラリーの損得だけを考えればオバマが本選で負けることを望んでいるといわれてもおかしくはない。

現在民主党におけるヒラリーの役割は本選でオバマに投票することをためらっている支持者にオバマに投票させることである。 熱烈なヒラリー支持者に一時の感情に走ってマッケーンに投票するようなばかげたことをしないよう強い口調で説得した。 ヒラリーの演説は一点の翳りもなく100%オバマを支持するに十分な内容と説得力に満ちていた。 演説草稿者がいかに論理を明確に構築し一語一語を吟味して草稿したかが伺われる演説でもあった。 しかも彼女自身の考え方、将来に対する政策上の注文も忘れなかった。 もともと演説は数多くの議員の中でも1-2を争う名手である。 その上今回は何度も自ら目を通し繰り返しリハーサルしたに違いないと思われるほど完璧であった。
キャンペーン中にも感じたが彼女は誰よりも大統領にふさわしい資質と才能を兼ね備えた人物である。 しかし時が味方しなかったのか何かが欠けていたのかついに初の女性大統領は誕生しなかった。
 
しかし今回のオバマ支持演説は民主党に対してもオバマに対してもまたヒラリー自身に対しても100%価値のある有効な演説でヒラリーの政治家としての評価も再上昇するに違いない。