クリーン ジャパン
飛行機が成田空港に着陸すると同時にWelcome Japanの機内アナウンスが始まった。
このFlight Attendantは日本がお気に入りとみえて何度も”Beautiful Japan"を繰り返した。
成田周辺は形の良い針葉樹の林が点在し緑が多くてきれいである。 しかし都心に近づくにつれて雑然とした都会風景になり取り立てて美しい日本とは言い難い。 何が美しいかは個人の主観によるもののクリーンであることを美しさの条件に入れるならば日本は飛びぬけて美しい国になる。 空港のターミナルからバスに乗り都心のホテルへ、そこからタクシーで目黒の娘の家へ。 翌朝渋谷から原宿あたりをうろうろして横道に入ってもクリーン度は変わらない。午後は新幹線で兵庫県にある家内の実家に落着いたがこの間チリひとつ落ちていない。 このスーパークリーン度は以後2週間、大阪、西宮、岡山など親戚、友人を訪ね歩いた間パーフェクトに続くのである。 バスもタクシーも電車も新幹線も建物の内外も道も公園も例外なしに100%クリーンだった。 都内の目黒区の公園ではごみがないのに清掃している人がいる。つまり今の日本では掃除する人はいても汚す人がいないのだ。 ひと昔前は駅の線路沿いはタバコの吸殻が散らばっており、駅のホームはガムの跡形があちこちに見られたものだ。 こんなに何処ともきれいになればタバコを捨てる人は目立つだろうし捨て辛くなる。
ここでは良貨(クリーン)が悪貨(ダーティ)を駆逐している。 江戸時代の後期に日本の国内を旅行したイギリスの旅行家が田舎に行っても日本は清潔であることに驚いている。 クリーンであることは昔から日本の文化であるようだ。 感覚的にしかいえないが清潔さは何か日本の特別の付加価値のように思える。 清潔さは日本の文化だが漫画やアニメのように商品になり得ないし輸出も出来ないのは残念だ。 中国もインドも早かれ遅かれ経済的には数字の上で日本を凌駕するだろうし生活レベルも格段に良くなるだろう。 しかしクリーンさだけはなかなかマネが出来ないと思う。