2009年10月11日日曜日

プレジデントカップと石川遼

プレジデント・カップはアメリカ vs. インターナショナルのマッチプレーによる国際対抗ゴルフゲーム 

シーズンが終わったとはいえ世界の最高プレーヤーを集めたマッチプレーはライダーカップと同様に選手は個人とチームの面目にかけて必死でプレーするのでシーズン中のトーナメントでは見られない異常な熱気で盛り上がりを見せる。
その中にインターナショナルチームの監督であるグレッグ・ノーマンの推薦で日本の石川遼選手がプレーした。
いくら日本の賞金王になったとはいえ18才のプロ1年生にとって世界ランキングの上位を占めるトッププロとは格が違うといわれても仕方がない。
競技は4日間全5種目のマッチプレー。 最終日(個人対抗戦12試合)を除く3日間はパートナーと組んでのマッチプレーだから自分のパートナーとのケミストリーが大いにモノを云う。 また対抗相手との組み合わせが微妙に競技に影響するので面白い。
最初の2日間(木曜・金曜)はゴルフチャンネルを除いて放映されないので見られなかったが週末土曜・日曜はNBCがほぼ10時間ぶっ続けで放映したので全部競技を見ることができた。 石川選手が出ていなければこんなに興味を持ってみなかっただろうが話題のティーンエイジャー・プレイヤーが世界のヒノキ舞台でどこまでやれるか見届けたかったので最後までTVにかじりついていた。
TVカメラは成績が良かろうが悪かろうがタイガー初め人気の選手を追うことで視聴者の興味を満足させようとするのでアメリカでは無名の石川のプレイは殆ど映してくれない。 たまたま初日はタイガーの組とあたり勝負にならなかったが2日目以降は世界の一流プレーヤと比べても引けをとらない堂々とした成績であった。 特に最終日個人戦ではアメリカNo.4のJerry Perryを2&1で下しインターナショナルチームに貢献した。 特筆すべきは彼のパット。 試合の節目節目に当たる重要なパットをことごとく沈め決して引き離されることはなかった。 パットが素晴らしいのは一流選手の証拠である。
3勝2敗の成績はインターナショナルチームの中ではトップ。 物怖じしないで精一杯力を出し尽くすのは今までの日本人プレイヤーにない何かをもっている。 試合後のインタビューを通訳なしで英語で答えていたのも好感が持てる。ただインタビューの際「何が一番印象に残ったか?」という質問に対して「タイガーとプレイできたこと」と答えたのはいただけない。 この答えはまだ18歳のはにかみ王子そのものである。
「多くの一流プレイヤーと一緒にプレイできた事が一番うれしい。 特にYan選手と組んで一勝を挙げたのはYan選手のいいアドバイスがあったからだ。 大変勉強になった。 この大会に特別招待してくれたグレッグ・ノーマン監督に感謝したい」というのが優等生の答えだろう。 またトッププレイヤーとしての礼儀かもしれない。 特に今回のように選抜のチームプレーではなおさらのことである。
彼は18歳最年少のプレイヤーということで何度も紹介されていたが実力で評価される日は遠くないだろう。
近い将来アメリカに来てプレイすることになるだろうからまたひとつゴルフTVを見る楽しみが増えた。