2008年5月31日土曜日

米大統領選挙(その23)民主党党規委員会の妥協

フロリダとミシガンの取り扱い

予備選は来週火曜日までにあと3州(プエルトリコ、モンタナ、サウス・ダコタ)を残すのみとなった。 オバマが断然有利で指名獲得を目前にしている中でクリントン陣営はフロリダとミシガンの投票結果を考慮しカウントすることに唯一望みをかけていた。
両州とも本部の警告を無視して予備選を1月に実施したため投票結果を無効とし代議員の数をゼロとする制裁を課せられていた。

昨日民主党党規委員会はこの問題を非公開・公開両方で議論を重ねていたが本日まで結論を得ず本日TV中継のもとで公開議論を続け下記のような結論に至った。

両州とも代議員(Delegates )の50%をカウントすることに決定。その結果クリントンはフロリダ105、ミシガン69 合計174 オバマはフロリダ67、ミシガン59 合計126がそれぞれに振り分けられた。 (配分・比率の方法は判らない)
これは予備選の現状(オバマがほぼ決定的)と民主党本部の懲罰の方針を変えることなくフロリダとミシガンには投票権を与えるという現実的な折衷案が採択されたものだ。 数字的にはやはりクリントンが追随するにはほぼ不可能な数字であるといってよい。 TVの解説者もこれでオバマは99.9%指名が確実になったといい、実際にオバマ・サポーターはこの決定を歓迎している。
一方クリントン・サポーターはこの決定の瞬間から怒り狂い抗議がホテルの内外で行われるという荒れ模様となった。 クリントン支持のアイクス委員がヒラリーの指示でこの決定を党の公正委員会に提訴すると最後に捨てせりふを残し後味の悪い終幕となった。 しかもクリントン陣営はUndecided Super Delegatesには党大会まで投票するなと説得していて早く決着をつけたい党首脳を怒らせている。 とりあえず2人の指名争は実質的に決定、来週火曜日までの残り3州の予備選で数字的にも決定されるのでそこでオバマの勝利宣言が出てくるだろう。


結論は上記のとおりだが特筆すべきは民主党本部・党規委員会が一旦決めた制裁を修正してフロリダ・ミシガン両州に代議員を7月の党大会に送ることを認めこの問題の収拾を図ったことである。 本來ならば両州の規定無視が原因であり本部としての決議が行われた後であるので決議の変更・撤回は無視してもよいところであろうが反対意見にも耳を傾け再考慮して双方に面目が立つような結論を導きだしたことである。
何もかも本部決定がすべてではなく反対派の意見も聞き入れて修正するーこれも民主主義の大事な要素であろう。