2008年5月27日火曜日

Froh Heim (Mansion in May)

Mansion in May

5月にはMansion in Mayという催しがある。 
年に一回地域のランドマークになるような歴史的な大邸宅を一般公開する行事だ。
The Women’s Association of Morristown Memorial Hospital (WAMMH) という650名の病院関係の女性ボランティアの組織が主催している。 一般公開といっても部屋が20も30もある大邸宅を一ヶ月公開するので単なるオープンハウスのように簡単ではない。 天気のよい週末・休日には1,000人を超す来訪者がある。 車は数百台になるだろう。 だから多くのボランティアが必要となる。 
組織の運営や広報はWAMMHが行うがパーキング整理、シャトルバスの運転、ティケットの販売、部屋の案内などはローカルのお年寄りが担当している。 各部屋のデコレーションと管理は部屋ごとに地域のインテリア・デザイナーたちが担当し(その代わり自分のビジネスをPRするパンフレットを置くことができる)庭園・プールはこれまた地域の造園業者が担当する。 一般公開といえどもビジネスのPRもかねているわけだ。 (ちなみに入場料は$20-$30するが経費を除いて病院や学校に寄付される)
アメリカの人は組織の運営も上手だしコミュニケーションやプレゼンテーションも慣れている。 初めて顔を合わせても非常にフレンドリーに説明してくれるし質問にも答えてくれて気持ちがいい。 
アメリカにはこのようなボランティア活動をする組織が多くありローカルの病院や福祉施設の運営に協力すると共に人々をつなぐ大切な役割を果たしている。 

“Mansion in May”は今年で14回目を迎えるそうだ。 この地域にはそれだけ数多くの見せられる物件があるということだ。 しかし2代-3代にわたってこのような大邸宅を維持するのは並たいていのことではない。 実はこのマンションも売りに出されることになっている。
昨年12月4日のブログで「Moorland Farmは今もFar Hills駅舎と共にBedminsterのLand Markとして残っている」と書いたがちょっと怪しくなってきた。

このマンションは“Froh Heim”と呼ばれドイツ語でHappy Houseという意味である。 1887年ニューヨークからやってきた実業家Grant & Elizabeth Schleyがここの景色が気に入って家造り、町造りを始めた。 

Far Hills/Bedminsterを開発したSchley夫妻の家がこのマンションである。





石造りの南欧風建築も素晴らしいが特に庭園とプールが美しい。丘の上に立っているから眺めは抜群、なだらかに下る牧草地の先に彼がつくったFar Hillsの駅が見える。
牧場とこれに併設されているバーン(農事家屋)を除いた10エーカーのこの家がわずか$8.5 Mil で売りだされていると聴いてびっくりした。 すぐ売れるだろうと思ったがそうでもないらしい。
以前にも述べたが元のオーナーであったAT&Tが売り出すときにも将来の転売の際はパブリック目的以外に開発しないことを条件としていたためコマーシャルベースでは採算はおろか開発さえできない状態ではないか。 しかもこの堅牢な建物はすべて石造りで改造するにも取り壊すにも非常に難しいのではないかと思われる。 

このままの美しい状態を保つにはまた公的機関が買取るしか方法はないだろう。 いつまでもこのままでFar Hills/Bedmisnterのランドマークの役目を果たしてほしいものだ。