2008年6月4日水曜日

米大統領選挙(その24) オバマ指名確定

予備選終了 オバマ指名確定

5ヶ月かけての予備選がようやく終わった。
プエルトリコではクリントンが大勝しモンタナではオバマに負けたがサウス・ダコタでもクリントンが勝った。 Popular Votes(投票総数)でもオバマを上回った。
しかし選挙規程でElectra Votes(代議員獲得数)ではオバマがはるかにクリントンを上回って過半数以上を獲得したので民主党大統領候補の指名はオバマに確定したわけである。 もう選挙の数字を追うのは止めよう。 今まで大勢を注視していたUndecided Super Delegatesもなだれをうってオバマに投票しはじめた。

クリントンはいまからどんなに画策しても99%オバマに決定した指名をひっくり返すことは無理である。 オバマは勝利宣言しヒラリーにも友好的なメッセージを送った。 それなのにヒラリーはまだドロップアウトを表明していない。 これからどうしようというのか?  ヒラリーの支持者は狂信的なヒラリー信奉者が多いが彼らに引きずられて8月の党大会までキャンペーンを続けるようならますます大統領としての素質・資格はないことを証明したようなものだ。
彼女は何のために大統領選挙に立候補したのであろうか。 ここで悪あがきするならば立候補はクリントン夫妻の私的な野望を達成するためと見られても仕方がない。 国の将来のため、民主党が勝利するためにはここで潔く敗北宣言し民主党の統一を図るべきである。 それでこそ長期にわたる選挙戦を戦いぬいた粘りと勇気がたたえられる。
選挙はあくまで政治ゲームであって終わればもとのサヤに収まり共通の目的に向けて協力するのが民主主義の原則だ。 特にアメリカはこの点がすがすがしくFair Playの精神がアメリカ社会のベースだと思っていたがクリントン夫妻には残念ながらこの点が欠けている。 
ヒラリーの敗因はここにある。

逆にオバマは“私”が中心でなく党派的でもなく「国の将来のために」というのが立候補の原点だ。 その上彼にはすがすがしいFair Playのイメージがある。 長い間選挙を戦っていると自ずとこの点は見えてくる。 だから過去にいくらクリントンに近い人たちでもリチャードソン元アリゾナ州知事のようにまじめに考えれば考えるほどオバマにシフトせざるを得ないのだ。 
昨日がオバマとクリントンが手を握る絶好のチャンスだった。 オバマはメッセージを送ったがヒラリーはこれに答えなかった。 識者・解説者の間ではオバマ・クリントン-ドリーム・ティケットを望む声が大きい。 民主党とオバマ指名候補が本選を確実にものにするのはこの戦略がもっとも有効なことは知っている。 クリントン夫妻以外は早くすっきりと一本化してこれから副大統領候補選びに入りたいところだ。 
これからが本番であることを忘れてはならない。