2012年1月8日日曜日

New Hampshire Debate (2)

昨夜のディベート(ABC)のわずか12時間後、1月8日後午前9:00時からまた共和党のディベート(NBC)が行なわれました。おそらくTV局の番組編成の都合でこんなにタイトなスケデュールになったのでしょうが候補者は大変です。
今日のディベートは昨夜のディベートと違って最初から司会者(Moderater)ーDavid Gregoryの大変鋭い質問が飛び出し緊張感にあふれたものになりました。

DAVID GREGORY: Speaker Gingrich, why shouldn't Governor Romney be the nominee of this party? What about his record concerns you most or makes him-- disqualified to be the nominee?

NEWT GINGRICH: Look, I-- I think what Republicans have to ask is who's most likely in the long run-- to survive against the kind of billion dollar campaign the Obama team is gonna run. And I think that a bold Reagan conservative with a very strong economic plan is a lot more likely to succeed in that campaign than a relatively timid Massachusetts moderate who even The Wall Street Journal said had an economy plan so timid it resembled Obama.
So I think you've gotta look at, you know, Massachusetts was fourth from the bottom in job creation under Governor Romney. I-- we created 11 million jobs while I was Speaker and I worked with governor-- with President Reagan in the entire recover of the 1980s. That is they-- there's a huge difference between a Reagan conservative and somebody who comes out of the Massachusetts culture with an essentially moderate record who I think will have a very hard time in a debate with president.

DAVID GREGORY: Speaker Gingrich, bottom line, you believe that Governor Romney is unelectable?

NEWT GINGRICH: Well, I don't believe he's unelectable but I think he has a much-- I-- look, against Obama's record, I think , you know, the fact is President Obama's gonna have a very hard reelection effort. But I do think the bigger the contrast, the bolder ideas, the clearer the choice, the harder it is for that billion dollar campaign to smear his way back into office.
http://www.msnbc.msn.com/id/3032553/

上記のスクリプトに見られるようにGingrichはRomneyを攻撃するとともに自分の見識・経験を訴えるの成功していました。
SantorumもRomneyが中途半端な保守派で共和党の候補としては資格がないと激しく攻撃していました。 これは昨夜からの変わらぬ流れですが今日は各候補の攻撃がRomneyに集中しRomneyは防戦に精一杯でした。
司会者のD. Gregoryは明らかにトップランナーのRomneyをチェックするような全体の流れをつくりあげていました。 プロレスではありませんがトップランナーはいつもリング内外で叩かれ引き摺り下ろされる運命にあります。 だから面白いのです。
今日のディベートの結果が2日後の投票にどう影響するのかわかりませんが私の判断ではGingrichが急上昇するように思います。

2012年1月7日土曜日

New Hampshire Debate

New Hampshire Primarを三日後に控えてまた共和党のディベートがABCの主催で行われました。New Hampshireの住民にとっては候補者選択の再確認をするためのいい機会、他の州の視聴者にとってはIowaで辛うじてトップをとったロムニー候補がどれだけ首位がためをするのか注目するところです。
ディベートを重ねるにつけ質問自体が陳腐となり候補者も答え慣れしているので緊張感がありません。 ディベートを進行するABCの質問者の資質にもよりますが今回は切り込んだ質問ができず候補者から逆に質問の内容を問いただされる始末で司会そのものが良かったとは言えませんでした。
結局トップを走るロムニーは他の候補者の攻撃に対してもそつのない答えで切り抜け安定感を示して成功したといえるでしょう。 私としては 彼のキーワード、creating jobs の具体策が全く見えないのが不満でした。
私は議員生活27年のギングリッチがさすがに一番よく世界を見て政治を知っていると思いました。 アフガニスタンからの撤退問題について質問されたとされた時、イラク、イラン、パキスタンを含めて今日の問題は長期的な世界政治の問題であり短期間に軍事的に解決できる問題ではない。 テロへの資金供給国サウジアラビアを抑えないことには問題は解決はできないとはっきり答えたのには驚くと同時に全く同感だとおもいました。 このような見解は予備選のディベートの段階ではなかなか聞くことができません。言い換えればギングリッチはもう大統領になることを諦めて政治解説者になったのでしょうか。 見解は的を得てても意欲が感じられなければ最早Presidential Race Contenderとは言えません。
いずれにせよ候補者間で激しいやり取りはなく今までのおさらいに終わりました。 ということはロムニーにとっては成功であり他の候補者にとっては成果なしということになります。


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2012年1月5日木曜日

オバマ大統領の戦略

オバマ大統領の戦略
共和党の候補者は来週の予備選、New Hampshireに舞台を移し遊説を続けています。 Romney もSantorumも異口同音にオバマ大統領の政策はバラマキで一向に成果を上げていない。 経済を再建するには増税は止めて補助金を削減し小さな政府をめざすべきだと現政権の政策を避難しています。
一方オバマ大統領は1月4日にパネッタ国防長官とともに国防省を訪れ記者会見で基本的な軍事戦略の転換と大幅な国防費削減を発表しました。
過去10年にわたりイラクとアフガニスタンの二つの戦争を抱え目立った成果を上げることなく大きな財政赤字を積み上げる原因となりました。
オバマは大統領になる以前からこの戦争がアメリカ凋落の原因と見て戦争の終結を公約としていました。 公約通り先月末にはイラクからもアフガニスタンからも撤兵を完了しました。 オバマ大統領は就任以来二つの戦争の収拾と経済金融危機の対応に追われ自らの政策を実行する時間的余裕・財政的余裕がありませんでした。
アメリカは日本やEU諸国と同じく財政危機に直面し大幅な財政再建を迫られています。予算の削減と財源確保はどの国にも共通した緊急の課題ですが解決は容易ではありません。 事実大統領の要請で創設された超党派の財政再建委員会は民主共和両党の対立が激しく結論を得ることなく解散してしまいました。オバマ大統領は先手をうって新軍事戦略と大幅な軍事予算削減を発表したのは今日の世界情勢に合わせてアジア地域に重点を移しイランや北朝鮮を睨みながら中国包囲網を結成しようという戦略から来ています。 イラク戦争をきっかけに地上兵力の充実を図ったのは結果的に失敗に終わりました。 最早地上部隊を別の大陸に派遣して敵の勢力を駆逐するといった時代ではありません。 オバマ大統領は陸軍と海兵隊を大幅に削減し海軍と空軍を充実させ機動力を充実させようというものです。これは全く正しいと思います。しかしオバマ大統領の真の狙いは軍事費の大幅に削減でまず財政を立て直しこれで以って教育(人材育成)と新産業開発に向けての投資をしようとしているのです。時間はかかるがそれ以外にアメリカ再生の道はないと信じているのが就任以来の演説を聞いていれば判ります。
共和党の予備選ではロムニー候補が有利に戦いを進めていますが誰が最終チケットを得ようとも現在の経済状況がよほど悪化しない限り本戦でオバマに勝てるとは思えません。 夏場にかけて失業率が8%以下をキープし住宅販売が上向けばオバマの勝利はまず間違いないと思われます。
オバマ大統領が再選されればオバマはアメリカ再生に邁進するでしょう。方向がはっきりすればアメリカ全体が動き出すのに時間はかかりません。



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2012年1月4日水曜日

2012 米大統領選挙(5) The Day After

<Iowa Caucusの結果>
Romney    30015 25% Deligates 13 
Santorum   30007 25% Deligates 12
Paul      26219 21% Deligates 0
Gingrich    16251 13% Deligates  0
Perry,  Backmann, Huntsmann は10%以下。
Mitt Romneyは辛うじてトップ維持したがAnti-Romneyの動きが保守派の間で根強くあって共和党全体の支持を得ていません。
Santorumは草の根遊説が実って大躍進。 Iowa Caucusのような原始的選挙では草の根が強いのは4年前のオバマと同じです。
Paulは大健闘。 「無駄な戦争反対、ばら撒き反対、小さな政府」はわかりやすく若年層に人気。 4年前と同様得票の如何に拘わらず最後までわが道を行くでしょう。それは国民を啓蒙する上で大いに意味のあることです。
Gingrichの13%は問題。Romney支持グループのTVネガティブ・キャンペーンで急降下。まともに反論できず恨み節ばかり。 これでは戦う前に敗北を認めたようなものです。 アメリカではやられたらやり返さなければならない。しかしGingrichにはTV Adでやり返す資金がないといわれています。 
Backmannは地元にもかかわらず惨敗、今日にもRetire発表するでしょう。
Perryは近いうちにRetire, HuntsmannはIowaを捨てNew Hampshireにかけているも支持は広がっていません。

2012年1月3日火曜日

2012 米大統領選挙(4) Iowa Caucus

TVは朝からIowa Caucusの模様を報じている。 小さい州でも1900ほどの選挙区があり学校、教会、図書館、体育館、スタジアム、個人の家でそれぞれCaucus(選挙集会)を開き各候補の代議員が演説して選挙民を勧誘する。 選挙民の間でも誰が良い、誰が悪いと活発な意見が交わされる。 その場で最終A候補からB候補に乗り換えする人も出てくる。 候補者の一方的な演説に終わらず選挙までに数回のディベートを通じてお互いに政策を批判し選挙民も候補者との対話がある。正式な投票用紙はなくそれぞれの選挙区で用意した用紙に候補者名を記入するか人数が少なければ挙手で数える。投票はこのようなプロセスを経て行なわれるので結果は充分納得いくのではないか。 民主主義選挙を徹底するには時間がかかる。
選挙は午後7時に締め切られ開票結果は次々と党本部に集められ発表された。
予想通り始めはRomney, Paul, Santorumのデッドヒートとなり2時間経っても当選確実は報道されない。 82%以降の開票は遅々として進まずRomneyとSantorumが25%ずつで譲らない。 4時間以上経過し開票率99%以上になっても得票差が10票以内で1位と2位がくるくる入れ替わる。一時は一票差でRomney, 最終99.9%でSantorumが4票上回って動かなくなった。 一選挙区で開票トラブルがあったみたいでこれでは明日まで決着が着かないだろう。

2012年1月2日月曜日

2012 米大統領選挙(3) Iowa Caucus

今年は大統領選挙の年です。 民主党からは現職オバマ大統領が出馬するので予備選は信任投票みたいなもので実質的に選挙は行なわれません。 候補者選びは共和党のみで盛り上がりに欠けるのは4年前のようにヒラリー・クリントンやバロック・オバマのような大スターの対決がないからだと思います。 
また形だけでもイラク・アフガニスタン戦争は終わり戦争は大きな争点にはなりません。 経済は数字が若干もちなおし底入れ感がありますが不透明・不確実性が多くて景気回復の決定打はありません。 財政改革も医療や教育費削減とパッケージで前向きのはなしではありません。このような背景のアメリカ社会では以前のような威勢の良い選挙演説は難しいのです。 現実を見ればどうしても内向きにならざるを得ません。
私自身4年前のようにわくわくしながらTVのディベートを注視することもなくなりました。

しかしアメリカ共和党予備選挙(野球で言えば共和党リーグ公式戦)が始まります。 初回はIowa Caucus、1月3日に投票が行なわれます。 いつもトップ・バッターはIowaに決まっており最初の選挙結果はその後の選挙に大きな影響があるので各候補者とも数週間前からIowa入りして遊説を続けています。 Iowaの住民は自分たちが大統領選挙の流れを作ることに大きな誇りを感じておりタウンミーティングで候補者の生の声を聴き質問を投げかけます。
民主主義の原点がここにあるように思います。 (米大統領選挙(3)アイオワ予備選 Jan. 4、2008 参照)
1月10日 New Hampshire、1月21日 South Carolina, 1月31日、Floridaと順番が決まっています。 その後毎週1-2州各地で予備選が行なわれ3月6日のSuper Tuesday(Alaska, Georgia, Indiana, Massachusetts, North Dakota, Ohio, Oklahoma, Tennessee, Vermont, Virginia )になだれ込みこの頃には大勢が決まります。
ここ10日間にPollに大きな変化がありました。 Newt Gingrichの失速とRon Paul, Rick Santorumの追い上げです。 Newt GingrichはRomneyのネガティヴ・キャンペーン(住宅金融公社 Fredie Macからの献金問題)に充分に反論できずに急落、論旨明快(無干渉、孤立主義)のRon Paulが浮上、同じくSantorumにも保守派に支持を集めています。Mitt Romneyが頭一つ抜けているが3者がほぼ一線ののIowa Caucus, 明日の開票結果はどうなるか選挙権が無くても気になります? アメリカは政治の季節です。

2012年1月1日日曜日

期待できる野田首相ー年頭所感

2012年は政治も経済も期待できるとし年になりそうです。

理由は野田首相が年末の民主党議員総会で社会保障と税一体改革の推進に関して反対意見が多いにも拘わらず党内をまとめ来年法案を提出するめどをつけたこと。 
また野田首相は1日付で年頭所感を発表し、社会保障・税一体改革について、「財政規律を維持し、『国家の信用』を守ることは、今を生きる私たちが未来の世代から託された責任だ」と強調し、・・・社会保障制度の持続可能性を高める必要性を指摘する一方、・・・「不断の歳出削減と税外収入の確保に全力で取り組む」方針も示した。
「『何かに挑戦することによるリスク』を恐れるより、『何もしないことのリスク』を恐れなければならない。山積する課題に正面から取り組み、成果を上げていくことが、国難のただ中に生きる日本人が果たすべき歴史的使命だ」と理解を求めた。
(2012年1月1日00時02分 読売新聞)

野田首相は政治課題を政局にしない始めての首相だと思います。 信念を持って演説する。道理と弁舌で党内外を説得し国民の理解と支持を集める。 これこそ政治と言うものです。
今までの政治家は事態を理解し政策は考えてはいるものの政局のため(自身、自派、自分の党のため)まともにものを云う人はいなかった。 結局国民には判りにくい料亭政治になってしまっていたのです。 小沢一郎はその代表的な存在であり未だに大きな勢力を維持しているのは真に問題ですがこれは日本の社会がまだ成熟した民主主義政治体制(個人が独立した市民社会における)になっていない証拠です。
日本の将来を左右する重要な時期に野田さんのような政治家が首相になったのは幸運です。 社会保障・税一体改革にあわせて議員削減もやるそうですからついでに行政改革も全面的に踏み込んでやってほしいと思います。 やっと期待していた政治家が現れたのですから今度は潰さないように国民がしっかりと支持するべきでしょう。