2014年3月24日月曜日

アメリカの医療と保険(3)

Emergency Check
昨年の5月末家内が左足のしびれを訴えた。 以前に左足首を捻挫したことがあるのでその後遺症かもしれないと暫く様子を見ていたが数日後に左顔面から舌先にかけてしびれが出てきたので主治医に相談したら翌朝Swedish Hospital(総合病院)の Emergencyに行くよう云われた。
本人も私も脳梗塞を疑った.主治医もこの症状から判断してEmergencyと判断したに違いない。
* 翌朝7時にEmergencyに駆け込むと同時に受付で名前と社会保障番号を告げ保険証をみせる。 若干症状を説明しようとすると遮られた.(30秒) 基本カルテは主治医のクリニックより病院ネットワークに入力されており同じメディカル・グループなら何時でもアクセス可能である.
* 玄関のカウンターでプリントアウトされたIDブレスレットを付ける.(30秒) 
* 簡易検査室に運ばれる(1分)
* 検査着に着替えベッドに横たわる.(2分)
* 私がEmergency Treatment Fee $100.00を係員に簡易末端でカードで支払う(1分)
* 器械で血圧、脈拍、心電図、などの記録をとり看護師が血液を採取、ベッドで簡易X線写真を撮る。ベッドに座ったままX線写真がとれるとはこの時まで知らなかった。(10分)
* ここまで計15分かかった.MRIをとるため別室に移動。
さらに20分経過してMRIの結果が判明した。
Emergencyとはいえこのスピードにはさすがと感心した.

担当のDr. Davisは頭部左にゴルフボール大の聴覚神経腫瘍が見つかったと告げた.すぐに命に関わることはないが専門医に診てもらう必要があるといいその場で同じ系列 (Swedish Hospital, Cherry Hill) の脳神経外科医を紹介してくれた.翌日オフィス電話してアポイントの時間をとるだけに段取りがしてあった.ワシントン州はITの本拠地だけあって最も進んだ医療システムが構築されている.すべての医療機関はインターネットを通じて個人の基礎データ、病歴や検査結果、現行の投薬や投薬の歴史などにアクセスできる.
ドクターは患者を診るだびに診断結果を末端に打ち込み処方箋も同時にインプットしてクリックすれば指定のドラッグ・ストアに即座にオーダーが入る. 患者は帰りに立ち寄って薬を買う. 
誰でもレジスターしておけばWebを通じてアポイントの予約、診断、検査結果を見ることができ過去のメディカル・ヒストリーも把握できる.

聴覚神経腫瘍は22年前にも煩っており同じ場所に再発したものだった.
その時はニューヨークのPresbyterian Hospital で13時間に及ぶ大手術(Open Surgery)をし回復に2年を要した. 生命の危険はないとはいえ家内は悪夢のような日々を思い出して落ち込んでしまった.
私は病気の内容を熟知していたので(生命に別状はないということと良性で進行が遅い)少しは心配しながらもあまり動揺はなかった.