2014年3月23日日曜日

アメリカの医療と保険(2)

私は政府が実施する高齢者保険(Medicare)の受給者だが家内は一般の医療保険を買っている。アメリカでは高齢者保険を除けば政府がコントロールしている保険はなく一般の健康保険は私的な損害保険と同様、商業活動である.保険をかけようと思えば自分に最適な保険を探さねばならずー(Shopping Insurance)保険を掛けることをー(Purchasing Insurance)といい被保険者は(Client)と呼ばれている.
この数年の一般保険料の急激な値上がりに頭を抱えていた我家であるが今年の保険料(はさらに50%Up(月額$600になる)と通常の範囲を超えている。保険料をセーブする為には保険の質を落とすか(例えば歯科のカバーをはずす)安い保険を買ってイザ病氣になれば 高額の医療費を自己負担しなければならない. 
オバマケアが2014年から実施されることになって昨年の夏ごとから再三にわたり保険会社から「従来の保険は新年度には引き継がれずキャンセルされる」ので新しい保険を買うよう通知が来ていた。
しかし議会と政府の話し合いが付かず混乱が続いていたので保険会社からも12月まで具体的な保険料は提示されずぎりぎりになって暫定保険料で契約する末。 
しかし50%も値上がりすると保険を買えない人が続出。年末時点で600万人の人が新たに無保険になると云われた。 国民皆保険を目指しているにもかかわらずこれは全く皮肉である。 個人のみならず企業もまた苦境に陥った。 企業の大小を問わず保険料が50%も値上がりすると企業の経営に大きなインパクトを与える。 大手上場企業(最大の小売業Walmartもふくむ)でさえ従業員に対する保険の給付を取りやめ保険料補助に切り替えるところも出てきた。 全く先進国のこととは思えないひどい話だ.
保険料を上げたにもかかわらず保険会社のオファーする保険の内容も細かなところでカバーの料率が低くなったりカバーする領域が狭まった。 
素人がこの内容変更の詳細を検証するのは不可能であり全く詐欺まがいだ.昨年夏家内が病氣で手術をしたことからアメリカの医療と保険の複雑さ・悪辣さに否応なく巻き込まれることになりアメリカの「白い巨塔」の実態を知ることとなった。