アメリカの医療と保険
アメリカ社会の癌は GUN (野放しの銃)とDRAG (麻薬)それに「医療保険制度」である。 「野放し銃」に関しては乱射事件が頻繁に起こるし麻薬はアメリカの日常として世界中に知られている. しかし医療の問題は100%国内問題であり海外で話題になることはない. アメリカの医療保険制度がいかに複雑で不透明で人々をまた会社を苛立せているか日本では全く報道されていない.
この問題に付いて少なくとも過去25年、歴代の政府が規制と改革を試みたがいずれもめぼしい成果を上げていない。 それどころかこの問題が取り上げられるたびに国論は二分され現状はむしろ悪化していると思われる。.
日本はほぼ完璧と云ってよい銃規制と国民皆保険が実施されているので感覚的に理解し難いかもしれないがアメリカで普通に暮らしている市民にとっては身近で切実な(人の命に関わる)問題であるから本当に深刻である。
昨年オバマ大統領は議会を強行突破しオバマケアと呼ばれる国民皆保険を制定しこの一月より施行し始めたが残念なことに現実は混乱の極みである。(オバマケアとは安い保険料でベーシックな医療はカバーできるという保険を提供するというもの。主として低所得層と若い世代に保険に加入させることを目的にしている)
いままで(高齢者保険を除き)民間で行われてきた医療保険制度に慣れない,しかも効率の悪い政府が乗り出してきたので実施以前から技術的なシステムの問題とと制度の手直しに追われて大統領の面目は丸つぶれ。 政府と民主党の評判はがた落ちで10月の中間選挙は民主党の惨敗は確実とみられている。
余談になるが一年前から共和党が予算編成と政府支出の上限引き上げの議論に大統領が提案する医療保険改革法案の変更や実施時期の遅延を絡ませたため双方が妥協点を見いだせなかったのがアメリカ政府のシャットダウンという未曾有の事態を引き起こした原因なのである。 (つづく)