2008年4月4日金曜日

米大統領選挙(その19)アメリカの好感度

アメリカの好感度

CNNによればブッシュ在任中7年間で初めてアメリカに対する外国の好感度が31%から35%に改善されたそうである。 
これはブッシュの外交政策が評価されたためではない。 ブッシュの政権は完全にレームダックで評判は国内外で最低に落ち込んでおりこのような状況下で無理な政策を推し進めるとかえって危険である。

好感度改善の原因は大統領選挙にある。 昨年9月から始まったディベートと1月からスタートした両党予備選は一部始終が世界中に報道されている。 しかも両党指名候補が決まってから少なくとも3ヶ月は本選が続く。 こんな長期にわたって国民全体が参加する100%オープンな選挙は世界に類を見ないし“これぞ民主主義”という偉大な政治ショーのおかげでアメリカの骨の部分が見えてくる。
ブッシュがわざわざ “民主主義”や“自由主義”を別の世界に押し売りしなくても世界はこの選挙にアメリカを“民主主義”や“自由主義”のロールモデルとして見ており選挙の結果が本来のよきアメリカを復活してくれると期待しているのだ。 アメリカの人気回復はオバマの登場に負うところが大きい。 彼は現在進行中の民主党指名争いを超えてアメリカの再生を訴えており海外諸国も彼を支えているアメリカ国内の新しい息吹に注目している。 海外でのPollは75%がオバマ支持だと言われている。

イギリスの小学校ではアメリカ大統領選挙の模擬ディベートがあるらしい。 生徒はそれぞれ支持する候補を持っていて家庭でもアメリカの選挙のことが話題になるそうだ。

日本人である私たち夫婦およびアメリカに家族を持つ息子は選挙権をもっていない。 選挙権があるのはアメリカ人である息子のワイフのみである。 最近は顔を合わせるたびに選挙のことが話題になる。 息子夫婦は本来民主党支持であるが今回は特にオバマに肩入れしている。
私たちは2001年までは共和党支持だった。 (共和党支持の理由は別のコラムに記載することにしてここでは省く) だが2001年にブッシュが京都議定書を批准しない方針を明らかにしたことでまったく共和党・ブッシュ嫌いになった。 それからもう7年になる。2000年の選挙で民主党ゴア副大統領が勝っていればアメリカも世界も変わっていたと思うとアメリカ大統領選挙の意味と影響の大きさがわかろうというものだ。

今私たちと息子夫婦はオバマ支持で固まっていて予備選の結果に一喜一憂している。 選挙権のないワイフも息子もいつの間にかわずかながらオバマに献金するほどの熱の入れようである。 
オバマがインターネットで集めた金が4月3日現在$140Mil.になっているからひとり平均$35とすれば4百万人が個人のポケットからオバマに献金したことになる。 この数字こそ彼の人気を物語っていると言えよう。