2008年4月24日木曜日

食料価格高騰

ガス価格高騰から食料価格高騰へ


2月28日に地球温暖化がもたらす影響のひとつとして食糧問題(開発と環境問題)を取り上げたがこんなに早く問題が世界的に顕在化するとは思わなかった。
すでに原油価格の高騰に伴って諸物価とりわけガソリンと食料品の値上がりが顕著である。
ガソリンスタンドのガソリン価格は通りすがりの掲示板ですぐに目に付くのでよく判るが毎日上がっている。 私のガス購入価格は2月平均$2.88/ガロン、3月平均$3.08 昨日現在近所のガソリンスタンドでは平均$3.39だった。2月からは18%、3月一ヶ月で10%の値上がりである。

ガソリンの場合はまず供給不足はおこらないと思うが食料の場合は価格高騰にとどまらず売り惜しみが出てきて供給不足してくると問題だ。

大手卸売りおよびディスカウントショップ Wall Mart “Sam”s Club Whole Sale”は米の供給に問題あるため一人当たりの販売量を制限すると発表した。 (Jasmine, Basmati, Long Grain White Rice を含むすべての米) 
一方COSTCOは入荷は増えており供給に心配はないと伝えている。 カリフォルニア米協会のTim Johnson も米の供給に問題はなく今後も引き続き供給は可能とアナウンスしている。 しかし米の価格は過去数ヶ月で2倍になっており日本食レストランはじめ米をよく使うエスニック・レストランの商売は大変だろう。
かかるニュースが伝えられること自体マーケットが異常事態であることを物語っている。

アメリカ人がいくらすしを食べるようになったからといってアメリカにとって米は死活問題ではない。 しかし海外の米を主食とする国々は大変である。 すでに米の高騰で各地で暴動が起こっている。 国連の食料援助計画は価格高騰で供給量が激減している。 国連の食料援助に頼っている貧困国は国民の大半が飢えてしまう。 今まで米を輸出していた中国も輸出を制限するという。 いよいよ食料争奪戦が始まりそうだ。 
食料輸入依存度の高い日本は大丈夫だろうか。

2008年4月22日火曜日

米大統領選挙(その20)ペンシルヴァニア予備選

ペンシルヴァニア予備選

3月11日のミシシッピ州予備選から4月22日のペンシルヴァニア予備選まで6週間も間が開いてしまってデッドヒートを続けていた民主党の予備選もダレ気味である。 政策をめぐっての新しい論点がないので過去の些細な発言をめぐって双方が揚げ足取りを続けていては“初の女性大統領”も“初の黒人大統領”も色あせるというものだ。

人間誰しも何十年にもわたって終始一貫、言行一致などはありえない。 まして政治家の世界は現実社会の利益調整であるから常にきれいごとを言っていては務まらない仕事である。
新しい大統領を選ぶのに過去の言動に固執し細かなことをほじくるようなネガティヴ・キャンペーンは重要な大統領選挙の意義を損なうものである。

しかし何回も繰り返されるディベートとキャンペーンを通じて現在アメリカが直面する諸問題が整理し明らかにされてきた。
l 引くに引けないイラク戦争と長期化する対テロ戦争
l 不況と失業
l 1200万といわれる不法移民の取扱と国境・移民対策
l 財政赤字と貿易赤字 
l 目途のつかない銃規制
l 社会資本の老朽化
l 教育の荒廃
いずれも大統領が変わったからといってすぐに解決できる問題ではない。 アメリカ独自で解決できない国際的問題も多く抱えている。

一方日本の問題に目を向けると
l ねじれ国会
l 年金問題
l 格差社会
l 制度改革(行政改革、憲法改正)
l 少子化高齢化問題
など国内問題ばかりで国民の認識はできているから政治のスピードと実行力があれば比較的早期に行動が可能であり解決できる問題であると思う。 
しかしイライラが募るのは一向に前に進めない、歩みののろい日本の方であり、アメリカは非常に深刻で解決には難しい問題が山積しているにもかかわらず欲求不満が募らないのは十分な論議がなされつつ今秋の大統領選挙に向けて国民が自らの手で変革(Change)ができる政権を選ぼうとしているからであろう。

さて最後の大票田ペンシルヴァニア予備選は記録的な投票率だった。
ペンシルヴァニアの投票結果 クリントン 55%  オバマ 45%
予想された範囲内でクリントンの勝利だがクリントンが追いつき追い越すに十分かどうかは微妙なところ。 まだまだ気のもめる選挙戦が続きそう。 本選で民主党はガス欠(資金不足)を起こさないかと心配だ。

(追記)クリントンが勝利したあと24時間でクリントンは$1,000万の献金を集めたという。

”勝てば官軍” ネガティヴキャンペーン何のその!(ネガティヴキャンペーンが効をそうしたといわれている)急に勢いを得たクリントン陣営が次回のインディアナ以降の予備選に向けてまたネガティヴキャンペーンと人気取りの”ばら撒き政策”、”大衆不安”を煽るアジテーションを繰り返すだろう。 

国民の約25%を占める低所得層、低教育層にはこのようなキャンペーンがもっとも効果的であることをクリントン夫妻はよく知っている。 ヒラリーはミドルクラスと呼んでいるが実はそうではない。 社会の下半分に焦点を合わせた政治は大衆迎合主義で国の将来にとって決していい結果をもたらさない。

2008年4月14日月曜日

マスターズ ゴルフ(5) ライブスポーツの魅力

スポーツのライブ放送

アメリカでスポーツの実況放送を見ていて思うのはキャスターと解説者の会話が実にスムーズにゲームの流れにフィットしていて邪魔にならないことだ。 主役はあくまでゲームとプレイヤーでありキャスターと解説者は控えめなところがいい。

マスターズゴルフでいえばTVのスクリーンで背の高い松林を吹き抜ける風の音やフェアウエーの緑とカラフルなツツジにいろどられたコースの景色のなかに流れるCBSスポーツの名キャスター、ジム・ナンツのナレーションが心地よい。
キャスターも解説者もプレイヤーがアドレスをしたりパターを構えるとそれまでのおしゃべりを止めてプレイに注目する。 ティーグランドやグリーンの周りにはしばらく静粛が流れる。
白いボールがグリーン上をホールに向かってころがっているかわずか数秒の間コースにいる人も地球の裏側でTVを見ている人も息を呑んで球の行方を注視する。 コトンと音がしてホールインすれば歓声が上がりわずかに外れるとため息が漏れる。 映像が100%ドラマを伝えているからこの時の解説は無用である。

スポーツ観戦の醍醐味はその一球その瞬間を同時に体験することにある。 ゴルフの場合はアプローチがピンそばにランディングしてどこにとまるのか。 パターした球がラインの上を転がり最後の一瞬でホールに転がり込むのか全員が息を止めてその瞬間を見守っている。  何もゴルフだけではない。 野球でもピッチャーが投げたその一球を打者のバットがヒットするその瞬間を視聴者は注視している。 その他のシーンはこの一瞬のためのセッティングであるといってよい。

昨年と一昨年はマスターズやUSオープンを日本で見た。 日本の解説者はプレイヤーが球にアドレスしてもパターを構えたときもしゃべりをやめない。 その無神経さに思わずTVの前で“シー!”といってしまった。 日本のキャスターと解説者はできるだけ多くしゃべり専門的な知識を披露することが仕事だと思っているようにみえるがゲームと選手が主役であることをよく理解してほしい。

ついでに言わせてもらえば日本の野球の応援もあまりにもゲームを無視した身勝手な応援で観戦を邪魔する最たるものだ。 せめてピッチャーが構えてからバッターがヒットするまで、またはキャッチャーが捕球するまでの1-2秒は音を出さずにゲームに集中できないものだろうか。 

2008年4月13日日曜日

マスターズ ゴルフ(4) 新しいスター誕生

マスタレイーズ ゴルフ 最終日

ゴルフのみならずスポーツで優勝するにはモメンタムをつかんでできるだけ長くそれを持続させることが必要だ。 モメンタムの持続には精神的な要素が大きくかかわる。
最終日は特にプレッシャーがかかるので調子のよい選手も安心してはいられない。

今日は快晴なれども風強し。 非常にタフなゲームが予想される。
一番ホールで最終組のT.インメルマンとB.スネデカーが共にボギーをたたき波乱の展開になりそうだ。 タイガーは3番でショートバーディパットをはずし4番でははずしボギーとした。 あいかわらずモメンタムをつかめずにいる。 この時点でタイガーの優勝はないと見た。

ゴルフには最適のテンポというものがあって調子の悪いときは早くなり考えすぎるときは遅くなる。 プレイヤー自身は自分のテンポには気がつかないものだ。  インメルマンのテンポは実によい。 落ち着いた息使いを感じさせるスムーズなスウィングとパターである。 3日間のスコアーが示すように大崩れしないゴルフでもある。 追いかけるスネデカーは軽快なリズムのスウィングだが構えるとすぐに打つ。 ショットもパットもひと呼吸おくとよいのではないだろうか。 今日のプレイはバーディとボギーが交錯する激しいゴルフで結局5オーバーの77であがり3位タイに終わった。 

強風が一日中やまずリーダーボードのスコアーがどんどん落ちてゆく中インメルマンが10-11アンダーをキープ、2位との差がじりじり開き13番で5打差になった。この時点で勝負は終わった。 16番で池に入れるスリリングな場面もあったが3打差をキープして優勝した。 彼の性格を現すような静かな戦いであった。 昨日今日とフルに彼のゲームをみて彼は本当の実力を備えたポテンシャルの高いプレイヤーであると思った。 今後もっと優勝を重ねて歴史に名を残す名プレイヤーになるだろう。

タイガーは優勝こそしなかったが終わって見れば2位、彼にとって2位では意味がないのかも知れないがいかなる場面でもあきらめず最善を尽くすタイガーには賞賛の拍手を送りたい。

今年のマスターズは予想とはまったく違う静かなマスターズになったが新しいスターも誕生したし、悪くてよいタイガーもたっぷり見せてもらった。  ライブのスポーツは筋書きどうりでないから面白い。 来年ぐらいオーガスタに行って生のマスターズを見たいものだ。

2008年4月12日土曜日

マスターズ ゴルフ(3) 不調のタイガー

マスターズ ゴルフ(第3日)

決勝ラウンド第1日(土)のTV放映(CBS)はいつものようにJim Nantz の落ち着いたナレーションで始まった。 解説はマスターズ3回優勝のニック・ファルドである。

決勝ラウンドに入るとさすがにゲームは緊張がみなぎる。 最終組が1番から18番までライブで放映されるように十分時間がとってあるから放送時間の都合で放映が途中で中止されることはない。 とにかくいくら遅くなっても最終組がホールアウトするまで見せてくれる。 首位から4-5ストローク差または上位7-8位ぐらいまでなら時折スクリーンに登場するがタイガーだけはいつも別格で常にカメラが追っている。 (昨日は13位タイであがった)
今日のタイガーはショットはぶれるしアプローチも17番を除けば寄らない。 寄ったと思ってもスピンや傾斜でピンからグリーンエッジまで遠ざかる。 パットもラインに乗らない。 好調の時は打った瞬間に入るような予感がするものだ。
プロはパターが勝負と言われている。 これではいくらタイガーでも勝てないだろう。  こんなタイガー今までに見たこともないような絶不調でよく持ちこたえたものだ。 
タイガーは“メジャーは辛抱が肝心”といつも言っているがリカバリーショットの素晴らしさはいうまでもないがここぞというときのパットは殆ど決める。 あがってみれば本日のスコアーは4アンダー、通算5アンダーで5位につけていた。結局は精神的な強さがピンチを跳ね返し大崩れしない理由であろう。 別の意味でタイガーの真骨頂を見せたゲームだったかもしれない。

余談になるがタイガーの体を見ると明らかに筋肉トレーニングで体を鍛えているのが判る。 しかしゴルフはスタミナはいると思うが強力な力は要らないのではないか。 タイガーがスーパーショットを連発してぶっちぎりで優勝していたころは体はもっとスマートでしなやかだった。 今のタイガーは心身共に力が入りすぎているように思うがどうだろうか。 

第三日を終わって首位は南アのTrevor Immelman( -11) 2位 US Brandt Snedeker (-9)
2人のショットもパットも実にスムーズ、精神的にもリラックスしているように見えるが最終日までモメンタムを持続できるだろうか。 最終日は数多くのドラマを生んでいる。
ベテランが追い上げて優勝回数を重ねるもよし、若者が優勝して新しいスターが誕生するもよし。 明日もまたTVに張り付くことになる。

2008年4月11日金曜日

マスターズ ゴルフ(2) Invitational

マスターズは“Invitational”

マスターズ・ゴルフ・は“Invitational”だから主催者が招待すれば誰でも出場できる。 クオリファイド・プロ以外に世界のベストプロ、歴代のチャンピオン、米&英アマチュアチャンピオンその他傑出した成績のあるJr.チャンピオンなど新旧プレイヤーを集めたゴルフ・ページェントだから往年のスター選手から現役のトップスターたちからあまり馴染みのないアマチュア選手まで見ることができる。 
ただし決勝ラウンドには上位50人ぐらいまでだからもし出場プレイヤー全員を見たければ初日と2日目の予選ラウンドを見るほうがよい。 特に往年のスターたちはさすがに決勝ラウンドには残れないので彼らのプレイを見たければ予選ラウンドに限られる。

ゲイリー・プレイヤーは今年が連続51回目の出場というからシニア選手を除けば彼が初出場した年には現役プレイヤーはまだ誰も生まれていないことになる。 アーノルド・パーマーの初優勝は50年前でまさにゴルフの年代記を見るようなものだ。
ワトソン、マイズ、ランガー、クレンショウ、ズラーの顔も見える。  パー3コンテストにはJ.ニクラウスも顔をみせたし解説席にはN.ファルドもいる。 ゴルフを始めてから42年になるがその間にゴルフの歴史に名前を刻んだ人たちが一堂に会しプレイするのはここしかないだろう。

さて予選ラウンドを終わって45人が決勝ラウンドに進んだ。 リーダーは8アンダーのT.インメルマン、スター選手の中ではP.ミケルソンが5アンダーで3位につけている他はM.ウイヤーは2アンダーで8位タイ、 J.ヒューリック、VJ.シン、タイガーが 1アンダーで13位タイにつけている。 スター選手がもう少し上位につけていると面白いが明日以降の決勝ラウンドの追い上げに期待しよう。

2008年4月9日水曜日

マスターズ ゴルフ(1) パー3コンテスト

マスターズ ゴルフ  パー3コンテスト

明日からマスターズ・ゴルフ・トーナメントが始まる。 TVであのメロディーと共に芝生のグリーンとコースを飾るツツジの中にマスターズのロゴマークが写しだされるといよいよ本格シーズン到来だ。 
オーガスタ・ジョージアと違ってニュージャージーはまだは春が浅く緑は芽吹いていないが空気はなんとなく暖かくあと1週間もすれば草も花も木も冬の帽子を脱ぎ捨てて顔を出すだろう。
だからいっそうオーガスタのグリーンは目にしみる。

マスターズは過去25年どこに住んでいてもTVのライブか翌日の録画を欠かさず見ていた。 ただし初日から最終日まで4日間通じて見たことはなく殆ど金曜から土日の最終ラウンドに限られていた。 最近は日本でもライブで放映しているから早朝からマスターズを楽しむことが多かった。

さて今日は恒例の “パー3コンテスト”が行われたが今まで見たことがない華やかなゴルフのリビング・ヒストリック・パレードを観るようだ。 
3人のゴルフ・レジェンドのパーティはもっとも多くファンが集まり拍手も大きい。 78歳のアーノルド・パーマーはゴルフのみならず今もグッドアメリカンを代表するおじいさん、ゲイリー・プレーヤー(72歳)は昔ながらの黒ずくめのファッションだが若干背中が丸くなった。 マスターズ6回優勝のジャック・ニクラウス(68歳)は随分お腹が出てきた。 齢がいっても彼らに人気があるのは過去の栄光だけではなくできるだけゴルフファンのためにプレーを続けるゴルフプレヤーのロールモデルとして活躍してきたことによる。 ゴルフの品格を高めかつ大衆化してきたのもこの3人に負うところが大きいと思う。
いつからはじまったのか判らないが若いお父さんプレーヤーは1-6歳ぐらいまでの子供にキャディの服を着せて一緒に登場するようになった。 これがまたかわいい。 グリーン上でパターをさせたり少し大きくなるとティーからシュートさせる。 もちろん全部池ポチャだがそれはご愛嬌。 おじいちゃんと孫がキャディをしている組もある。 
パー3ゲームのエキジビションの途中とはいえマスターズ本番のグリーン上で子供を交えたお遊びが恒例となっているとは夢にも思わなかった。 これもアメリカならではのことだろう。

プロの試合は年間通じて40試合近くある。 メジャーもほかに3試合ある。 しかしマスターズだけは違う感じがする。 世界のプロが一度はプレイしてみたいと思う花と緑の躍動感あふれるコースのせいかもしれない。 多くの逸話に包まれたボビー・ジョーンズが造ったコースだからかも知れない。 ほかにも美しいコースはいくらでもあるのにこのマスターズの雰囲気はどこのコースでも見られない。 
プレイヤーは勿論のことコースの観客もTVを見ている世界中のゴルフファンもその一球に集中してドライバーの音を聴き息をつめてグリーン上を転がる球を追う。 コトッと音がして球がホールに入った瞬間に湧き上がる歓声、 松林の向こうの隣のコースでも誰かが難しいパターを入れたのだろう、同じような歓声が響く。 

さあ明日からいよいよ本番だ。 今回は4日間ぶっ続けで見ようと思っている

2008年4月4日金曜日

米大統領選挙(その19)アメリカの好感度

アメリカの好感度

CNNによればブッシュ在任中7年間で初めてアメリカに対する外国の好感度が31%から35%に改善されたそうである。 
これはブッシュの外交政策が評価されたためではない。 ブッシュの政権は完全にレームダックで評判は国内外で最低に落ち込んでおりこのような状況下で無理な政策を推し進めるとかえって危険である。

好感度改善の原因は大統領選挙にある。 昨年9月から始まったディベートと1月からスタートした両党予備選は一部始終が世界中に報道されている。 しかも両党指名候補が決まってから少なくとも3ヶ月は本選が続く。 こんな長期にわたって国民全体が参加する100%オープンな選挙は世界に類を見ないし“これぞ民主主義”という偉大な政治ショーのおかげでアメリカの骨の部分が見えてくる。
ブッシュがわざわざ “民主主義”や“自由主義”を別の世界に押し売りしなくても世界はこの選挙にアメリカを“民主主義”や“自由主義”のロールモデルとして見ており選挙の結果が本来のよきアメリカを復活してくれると期待しているのだ。 アメリカの人気回復はオバマの登場に負うところが大きい。 彼は現在進行中の民主党指名争いを超えてアメリカの再生を訴えており海外諸国も彼を支えているアメリカ国内の新しい息吹に注目している。 海外でのPollは75%がオバマ支持だと言われている。

イギリスの小学校ではアメリカ大統領選挙の模擬ディベートがあるらしい。 生徒はそれぞれ支持する候補を持っていて家庭でもアメリカの選挙のことが話題になるそうだ。

日本人である私たち夫婦およびアメリカに家族を持つ息子は選挙権をもっていない。 選挙権があるのはアメリカ人である息子のワイフのみである。 最近は顔を合わせるたびに選挙のことが話題になる。 息子夫婦は本来民主党支持であるが今回は特にオバマに肩入れしている。
私たちは2001年までは共和党支持だった。 (共和党支持の理由は別のコラムに記載することにしてここでは省く) だが2001年にブッシュが京都議定書を批准しない方針を明らかにしたことでまったく共和党・ブッシュ嫌いになった。 それからもう7年になる。2000年の選挙で民主党ゴア副大統領が勝っていればアメリカも世界も変わっていたと思うとアメリカ大統領選挙の意味と影響の大きさがわかろうというものだ。

今私たちと息子夫婦はオバマ支持で固まっていて予備選の結果に一喜一憂している。 選挙権のないワイフも息子もいつの間にかわずかながらオバマに献金するほどの熱の入れようである。 
オバマがインターネットで集めた金が4月3日現在$140Mil.になっているからひとり平均$35とすれば4百万人が個人のポケットからオバマに献金したことになる。 この数字こそ彼の人気を物語っていると言えよう。

2008年4月2日水曜日

医者とのコミュニケーション

医者とのコミュニケーション


人間の体は自動車と一緒で上手にメンテすれば長く走れるがいつまでも走れるわけではない。
自分が齢だなと思うのは特に不調がなくても医者通いが増えたときだ。 中古車はメンテの回数が増えて費用もかかる。

アメリカで医者に通うのはそんなに苦にならない。 理由は3つある。
1. 通院は100%車、Door to Doorでせいぜい10分-20分まで時間がかからない。
2. アポイント制で医院・病院での長い待ち時間がない。 
3. 私が診てもらう医者(主治医と主治医が紹介する専門医)は私のことをよく知っているし私にとってベストの処方をしてくれると信じているから安心している。 主治医と私の間には医者と患者以上のコミュニケーンがある(と感じている)ので医者通いは苦にならない。

医者の仕事は情報処理とトラブルシュウティングで正しい仕事をしてもらうには患者は十分な情報を提供する義務がある。 
初診の場合患者は不安で緊張しているから医者は患者をリラックスさせるためできるだけ話しかける。  スポット的な情報は診断でも得られるがそこに至るまでの情報も重要なので患者への問診を重視、診断の半分以上は問診である。 長年通っている主治医がいればそこには過去のデータが蓄積されているから主治医は患者個人の基本的状況を把握しており診断と処方の結論を得るまでに時間がかからない。 

私は(英語というハンディもあるので)医者に行く前に病気や問題の症状を時間を追って記述し自己診断と質問を添えてプリントして診断時に医者に提出する。 医者にとっては問診の時間が短縮できるし記録として残せるのでこの方法は歓迎されている。 また医者とのよりよりコミュニケーションを図るツールでもある。

アメリカの医者は一般的に気持ちがやさしくよくしゃべる。
1. 基本的に医者は十分なる説明責任があることを自覚しているように思う。(病気の症状や原因といくつかの対処方法を丁寧にかつ判り易く説明してくれる。)
2. 患者とのコミュニケーションを最重要視している。 (自分の提案する方法を患者に納得させるため患者をリラックスさせることが大切である。 医者は接客業と認識しており患者はお客さんである。 患者とコミュニケーションできない医者はビジネスとしてはまずい医者でお客は寄り付かなくなる。)

3. 医者は患者以上でもなく患者以下でもない。 医者と患者が同じレベルで同じ気持ちで話せるのはアメリカの特徴かもしれない。

一般の人が技術的にいい先生を見つけることは不可能だが自分が納得する先生を見つけて信頼関係を築くのは可能であるし大事なことだと思う。