2009年12月13日日曜日

少子化の原因

12月6日付朝日新聞によると内閣府調査で

「結婚は個人の自由だから結婚してもしなくてもどちらでもよい」と考える人が全体で70%、40歳以下で80%を越え20代では87.8%に至った。

「結婚しても必ずしも子供を持つ必要はない」との質問に対し全体で42.8%がYes, 20台では63%にのぼった。

かねてから日本の少子化が問題となり少子化対策大臣まで設置されているが政治家のアプローチが何かしらピントはずれの感じがあったのは切り口があくまで年金制度と財政問題などの経済的側面からであり社会的文化的視点に欠けていたからだと思われる。

上記の調査結果は子育て支援や保育所の増加といった財政的支援や保育設備の充実といった対策が根本的な解決策になりえないことを示している。

時期を同じにして読売新聞の投書(大手小町)に下記のような質問があった。

「結婚を望まない男性にお聞きします。 -------20代から30代の男性で結婚を望まない方々はどのような理由からなんでしょうか?」

これに対する多くのレスポンスを読んだが結婚に関する日本人の意識、社会事情がよくわかる。

25歳から34歳までの男性の理由は概ね

1.経済的理由 (男性1人の収入ではやっていけない。 共稼ぎして二人で生活すれば効率がよく節約できる点もあるというプラス面を考えていない)

2.必要を感じない。(生活が便利になった独身でも困らないー結婚は生活の便利さで決めるものなのか)

3.自由や気楽さを失いたくない。趣味や娯楽を楽しみたい。(確かに結婚によって制約される面もあるが結婚生活にさらに子供ができた生活に楽しさを見出すことが出来ないのか)

これらのレスポンスはあまりにも寂しい。 全体から見えてくるのは小さくまとまった無気力男性とかなり観念的で頭でっかちの女性たちだ。



総合すれば結婚のメリットよりもデメリットのほうが多いと考えているひとが大勢のようだが日本の社会があまりにも物質主義、金銭主義に侵されていてすべてを損得勘定に置き換える傾向がある。 人間生活の基本的な営みの形、社会の基礎にある人間同士の繋がりを忘れているのではないか。 私たちがこの世に存在するのは親が結婚して私たちを生んでくれたからという事実を忘れてはしないか。  

結婚はバラ色でも墓場でもない。 現実に根ざした実生活のスタートである。 男性も女性もリスクなくして結婚をスタートすることはできない。 今日の幸せは明日の幸せを保証していない。 損得を考えるなら2人あわせた損得を、自分の損得よりも自分は相手に何を与えられるかを考えてみてはどうだろう。 



アメリカは結婚していようがいまいがSocial Actibitiesはカップルが原則。 男性女性にかかわらず一人では都合が悪いのでパートナー探しは非常に大事である。 異性と付き合う機会はアメリカのほうが圧倒的に多く異性を見る眼も養われる。 家族の付き合いや学校、職場で知り合い友達として付き合いを始めてお互いに恋人として認め合えば同棲もする。 アメリカでは子供のときから個人として尊重されるが同時に自己責任も要請される。 つまりリスクテーキングには慣れているがそれだけの手続を踏むことになる。同棲はお互いを深く知るための真剣な試行錯誤期間である。

アメリカでは「結婚をしていようがいまいが個人の自由である」というのは日本以上に当然のことでこれが投書の話題になることはまずないだろう。 一般にベターハーフであろうがパートナーであろうがガールフレンドであろうが差別なく受け入れられる。 一方1人者は社会的に半端者であると見られる。 だから婚活ではないが年齢の上下を問わずパートナー探しは真剣で積極的だ。



私の目には日本の若い人は生活の安定を求め小さな現状に甘んじているように見える。 社会は流動的であり今の安定は明日の安定に繋がるとは限らない。 リスクテーキング(チャレンジング)の精神においてこそ明日の発展がある。 結婚に関してもそう思ってほしい。



先の調査の結果から算術的に計算すれば近い将来日本の人口が想像以上に激減するのは眼に見えている。 出生率を上げるための少子化対策など無意味でありもっと広範囲な社会変化に対応した政策が求められるのではないだろうか。