2009年2月10日火曜日

オバマ大統領 東奔西走

オバマ大統領が就任3週間で東奔西走している。 まるで大統領選挙のキャンペーンの続きのようだ。
2月9日昼は失業率が最も高いインヂアナ州Elkhartでタウンミーティング、夜はホワイトハウスで記者会見。 2月10日はフロリダ州Ft. Meyerでタウンミーティング。
大統領としては未曾有の経済危機に対応するため$850Bil.の包括経済救済法案(Stimulus Package)を提出し一刻も早く実施しようとしているが議会の承認が遅れている。 毎日フォーチュン500の大手企業が1000人単位のレイオフを発表、失業率は月末で7.5%に達した。 ダウはじりじり下げてついに$8,000を割り込んだ。 大統領の言葉通りStimulus Packageの実施が遅れれば遅れるほど経済は逆スパイラルにブラックホールに落ち込み回復には時間がかかる。

大統領のワシントン以外での遊説や早期の記者会見はライブで放映されすぐ後に解説者や識者のコメントが放送されるので国民を啓蒙するには最も有効な手法である。 同時に議会に早期法案可決を促すプレシャーにもなる。 彼の目的は一日でも早くStimulus Packageを通すことにある。
オバマ大統領は経済救済法案のみならず自分の政策目標がはっきりしており現状と具体策に精通しているのでいかなる質問にも具体的に答えるので一般市民にとてもわかりやすい。 それにしても彼の演説は説得力があり誰でも味方にしてしまうような魅力が感じられるのはどうしてだろうか。 またメディアの使い方が実に上手である。
Stimulus Packageが実施に移されても即翌日から経済効果が現れるわけではないので国民の理解と辛抱が大切だがオバマの演説を聴いた人は彼ならやれるとまず信頼をよせるであろう。 不況脱却にはまず人々の心理が上向きに転じることが肝心だ。 それにはイラクやアフガニスタンでの戦争を収拾しロシアやイランとの対話を始めることも必要だ。 すでに双方その兆候は見せている。 国際環境が落ち着いてエネルギーや環境問題に本格的に取り組めるようになれば経済は回復基調に転じるだろう。