2009年2月11日水曜日

アメリカの議会に学べ

1月28日に下院に上程されたStimulus Packageは$8150億にトリムされて可決された。一方上院では共和党の抵抗にあい法案(絶対)可決に必要な60票の獲得に見通しがつかず採決が遅れていた。 昨日やっと共和党議員3人の賛成票を得て61-36でオバマ案に近い$8380億で可決、後は上院案と下院案をまとめて大統領に提出することになるがここでまた両院の交渉が難航した。 つまり上院が下院案に歩みよるためにはさらに幾ばくかPackageをカットしなければならない。 下院は議員数も多く選挙区の事情もさまざまでせっかく両党でまとめた法案を再検討するのは大変なエネルギーと時間を必要とする。 
自体は切迫しており何としても今週中にはStimulus Packageを成立させ大統領のサインをとり発効させねばならない厳しいスケデュールである。
すべての議員さんは出来るだけ早く法案をまとめねばならないことは承知しているので共和党の主張に配慮して総額$7890億.に圧縮し上下両院の合意が成立した。

注目すべきは法案賛成に回った3人の共和党議員- Arlen Spector(Pennsylvania) Olympia Snowe(Maine) Susan Collins (Maine) である。 
彼らの言葉を借りれば「現在は国家的危機であり今何をせねばならないかを考えたとき法案を速やかにパスさせ経済救済に全力を挙げることである」 
つまり党の基本的な考えや救済金額の大小(出費の詳細)より政策の実施が大事だということだ。 彼らの賛成がなければ法案は立ち往生するところであった。 この3人の行為に対して共和党内部からの批判、または懲罰はありえない。 批判、非難は採決前の討議で行われるべきもので討議を重ねた後の投票は個人の信ずるところに委ねられる。 
アメリカの議会で党議拘束があるのかどうか知らないがTVで議会の採決を見る限り掲示板にはいつも民主党 賛成00票 反対〇〇票、 共和党 賛成〇〇票 反対00票、 合計 賛成00票 反対00票と表示される。 つまり殆どの法案では党の方針よりも議員さん個人の考え方(または選挙区住民のMajorityの意見を参考に)で投票する。 

ここで日本の国会に向けて提案がある。 自民党でも民主党でも各議員の個人ベースでは法案ごとに賛成・反対はあるはずだ。 議員は本来自分の考えに沿って行動したいと思っている。 自民党も民主党も同時に党議拘束をはずし自由投票にすれば議員個人も各法案に対して本格的に勉強するだろうし自由で建設的な意見も出てこよう。 国会は一夜にして活性化する。 こうなると本当に政治家として見識と資質のある人が前面にでてくる。 こうした人たちの議論はかみ合って国民の納得する政治が生まれてくる。 
00村のボス政治から早く脱却して市民社会に相応しい議会民主主義を確立してほしい。