2009年2月10日火曜日

帰ってきた Helen Thomas

昨夜のオバマ大統領の記者会見で久しぶりにHelen Thomasをみた。 しかも長年そうであったように最前列の中央に席をとりオバマにアフガニスタンとパキスタンとの対応についてするどく質問をあびせた。 
Helen Thomas と聴いてすぐに誰だか判る日本人は少ないだろう。 しかし顔を覚えている人は少なくない。 彼女の顔=ホワイトハウス記者会見と誰もが思い出す。 彼女はホワイトハウス付記者団の顔なのだ。 何しろJ. F. Kennedy大統領(1961-1963)以降歴代大統領の記者会見に出席しGeorge W. Bushの2006年3月21日の記者会見まで続いた。 
その日彼女はブッシュにどうしてイラク戦争を始めたのか次のように聞いた。

“I'd like to ask you, Mr. President, your decision to invade Iraq has caused the deaths of thousands of Americans and Iraqis, wounds of Americans and Iraqis for a lifetime. Every reason given, publicly at least, has turned out not to be true. My question is: Why did you really want to go to war? From the moment you stepped into the White House, from your Cabinet—your Cabinet officers, intelligence people, and so forth—what was your real reason? You have said it wasn't oil—quest for oil, it hasn't been Israel, or anything else. What was it?”

ブッシュは“War & Terror”について語りサダムが査察を拒んだからだと真面目に答えた。 しかしそれ以降彼女はホワイトハウスの記者会見の席はなくなった。 
彼女は1920年生まれ。 この時86歳。 もう引退したと思っていた。
大統領番付記者は殆どが30‐40代の若い記者ばかりである。 昨夜の記者会見では13人の記者が質問した。 オバマのホワイトハウスは記者会見の場でさえメディアの大小にかかわらず男性も女性も老いも若きも全員が一同に集まって仕事をするという雰囲気がある。 誰にでも均等に質問の機会があり(おそらく前以てアレンジされていると思う)オバマは誰にでも丁寧に答えた。 オバマは単に記者の質問に答えるのではなくTVを通じて自分を見ている国民を常に意識している。

Helen Thomasは今年で89歳だが今なお現役で記者会見に臨むことが出来る。 何時までも仕事が出来るのはいいことだ。 昨夜の記者会見に出席、質問の機会を得たのはオバマ大統領の優しさからだろう。