2011年3月17日木曜日

情報と認識の相違(2)

13日に宿泊したのは東京駅の丸の内ホテル。 歩いて一分の東京駅に最も近いホテルで窓から駅のホームが見える。 駅のホームには人影はなく道ゆく車も人もまばら。 14日の朝TVのニュースを見ると計画停電のためJR,私鉄とも主要路線が殆どストップ。 成田空港まで総武線ないしNarita Expressで行くつもりだったので念のため朝食を済ませたあと東京駅に行き駅員さんに確かめたがいずれも運行取りやめ。 昨日はなんら問題なく走っていたのに地震被害のためならいざ知らずいきなり計画停電で首都圏の足が殆どストップするとは何か割り切れない気持ち。 当然道路も混雑が予想されるがバスしか方法がないのでホテルに時間を問い合わせたが定刻運行はできていないとの返事。 

これではシアトル行きをあきらめて兵庫県の実家に帰らざるを得ないと思っていたところ娘から電話があり八重洲側に空港行きバスのターミナルがあるのでこれで早めに出かけるようアドバイスを受ける。 すぐにターミナルに行きバスの運転手に確認したところ道は全く問題なし。 成田空港まで60-90分で行くという。 東京駅地下街、デパートは全て開店,人出も増えてきた。 これなら東京は大丈夫とひと安心。

シアトル行きフライトは午後5時55分なので充分時間があったが11時半ごろにチェックアウトしターミナルに向かった。すでに100人ほど並んでいたがバスが3台並んで待っていたのでこれなら待ち時間もなく乗れると一安心。 外国人が半分ぐらいいたが大きな荷物を抱え一目で緊急避難とわかる。 後ろに並んでいるイタリア人に声をかけるとあとの混乱が予想されるので自発的に帰国するという。 普通なら八重洲ターミナルから出るのは殆どビジネス客か観光客だろうが今日は様子が違って緊迫感が流れていた。

成田空港は混雑していた。 春休みで海外向けの観光客も多い中やはり避難の外国人が目立った。 妻子だけ帰して主人だけ残る家族が見られ思わず娘家族を思い浮かべた。 出国口で前に並んでいる3人の子供ずれのお母さんを手伝ってゲート近くまで送っていった。

あとは通常どうりシアトルに向かって飛び立った。

帰宅してTVを見ると24時間前には見られなかったすさまじい津波の映像が次々と映し出され被害の大きさをあらためて知った。 一年前のハイチ地震以来のぶっ続けの放映である。 同時に原発事故に関して非常に神経質な報道をしている。 地震や津波のすさまじさに驚きながらもアメリカの関心は原発にあることがはっきりわかる。原発に関して先行き不透明であること、アメリカは30年前に3マイルアイランドの原発事故があっただけに余計神経質になっているのかも判らない。 日本の報道はニュートラルから少し楽観的(希望的)な感じがしたがアメリカの報道は明らかに最悪のシナリオをベースに描きながら報道している。 少しオーバーかなとも思いながらもアメリカのTVの解説のほうが問題点を絞っていて判りやすい。(言葉のせいかもしれないが) アメリカのTVを見ていてこれは容易ならざる事態になったと認識を新たにした。