2009年1月8日木曜日

オバマ新大統領の本質

オバマ新大統領の本質を右か左かで論ずることは正しいアプローチではない。 彼の本質は原点(サウスサイド・シカゴでの活動)がコミュニティ・オーガナイザーであったように問題を国民の理解と協調によって解決しようとする基本姿勢があるので選挙中にも“対決よりも融和”を訴えてきた。 したがって組閣にあたっては政権移行を円滑に行い新政策実行に最も適した最大公約数を選んだわけでイデオロギー的な考えは非常に薄い。 勿論人種・性別のバランスや大統領選での論功行賞的な面も含まれてはいるがおおむね実務内閣といっても良いと思う。

国内/世界の経済問題、イラク・アフガン戦争・中東紛争、教育、エネルギー、移民などかってないほど根深い問題が山積しているがアメリカ国民の理解と意識変化なくして問題は解決しない。 オバマ新大統領が目指すのは政権の“チェンジ”だけでなくアメリカの“方向転換”と国民意識の“チェンジ”だからアメリカは当然内向きになるだろう。
アメリカがイラクから手を引いたあと世界はもっと多極化し混乱と紛争が多発すると思われる。日本は経済が比較的ましだからといって無為無策で過ごしていると混沌の世界情勢の中でますます地盤沈下してゆくであろう。