2008年3月16日日曜日

電子確定申告 (e-Tax)

手間がかかりすぎる電子確定申告(e-Tax)

3月末が会社で大決算ということもあるが個人的にはあっという間に確定申告の締切がせまってくるので3月は何となく気ぜわしい。 

昨年8月に逗子〈鎌倉税務署の管轄〉から転居したにもかかわらず鎌倉税務署から「国税電子申告・納税システム(E-Tax)」のご案内という冊子が送られてきた。 オンライン確定申告の薦めである。 

実は昨年(2006年度の申告〉オンラインで確定申告を試みた。 
2006年度の電子申告の手順は次のようなものだった。
まずオンライン申告のための準備が必要だ。
1. 電子申告の申請を税務署に提出する。(東京の国税庁から2-3週間でIDが送られてくる)
2. 電子証明付き住民基本台帳カードを取得する。(住民基本カードを持っていれば市役所ですぐに電子証明は取得できる)
3. カードリーダーの購入 〈\4000-5000〉程度
4. 上記準備が整えばPCで国税庁の確定申告作成コーナーで初期登録しあとはデータを入力し確定申告を作成する。
5. Onlineで申告書を送った後データをサポートする源泉徴収票や領収書を所定の用紙にのり付けして税務署に郵送する。 〈2007年度はこの点が改善され源泉徴収票や領収書を添付しなくてもよくなっている〉

私は一般のホームページでよく見られるようにサイト上でユーザーネームを入力しパスワードを設定すればすぐにスタートできると思っていたが上記の準備手続きだけで4週間かかった。
しかも (5)まで来て結局郵送するのと同じことではないかと思い電子申告をあきらめたのである。
最後に領収書等サポート書類を郵送するのであればe-Taxの意味がなく何の合理化にもなっていないし納税者・申告者にとってはむしろ不利益であると憤慨しながら鎌倉税務署に電話をかけ抗議した。
鎌倉税務署は「おっしゃるとおりです。 来年からはカードリーダー購入費用として\5000程度の返金を考えています」との返事だった。 今年はe-Taxを利用すれば\5,000の控除を受ける事が出来るらしいが私の意図するところは費用の問題ではなく普通のサイトと同じ様にログオンするだけでスタートできるようにして申告者の便宜を図ると同時に国税庁の事務合理化を計って欲しかったのだ。 そうしたからといってセキュリティが危ういわけではない。

さて今年の確定申告案内には上記に述べた若干の改善は見られるもののスタートする前にあまりにも面倒な手続き(まったく無駄な作業で個人と国税庁の仕事が増えるだけ)を要求されると個人の電子申告は全く普及しないだろう。

私はアメリカでもOnlineで確定申告(Tax Return Filing)しているがアメリカの確定申告は次のようなものだ。
1. インターネットでアメリカ国税庁(IRS)のホームページ(www.irs.gov)にアクセスする。 (申告所得が$54,000以下の人は協力ソフト会社のWebsiteから無料で確定申告が出来ると一番に記載されている)
2. サイトにリストされている協力ソフト会社は19社あり無料申告受付条件が簡単に記載されているので条件にあった会社を選ぶ。(所得水準、居住の州、州にFileするための費用が記載されている。連邦のTax Filingは無料だが州のFileには$10-$20の費用がかかる)
3. 選んだソフト会社のWebsiteでユーザーネームとパスワードを入れてアカウントをオープンする。
4. Tax Filing SystemのInstructionにしたがってデータを入力する。 入力し終われば数字を確認後クレジットカードかOnline Bankingで支払いを済ませ{Send Tax Filing}のボタンをクリックすれば確定申告は完了 IRSが受け入れれば早ければ数時間あとに、遅くとも2日後に確認のメールがくる。 

一般的な個人の確定申告であれば2時間もあれば充分だ。 簡単、迅速、確実でこれでこそ納税者も国税庁もe-Taxのメリットを充分に享受しているといえるのだ。

日本の電子申告の準備手続きがどれほどセキュリティに役立つのかはなはだ疑問である。 セキュリティにこだわり手続きを複雑にしすぎるとe-Tax本来の目的であるスピード化、簡素化が失われてしまうと思うのだが。