11月22日Washington DCで11回目の共和党候補者ディベートが行われた。 司会はCNNの顔、Wolf Blitzer、 今回議題は「国家の安全保障」政策。
共和党にとっては最も得意とするところであるが昨今の世界情勢(アメリカが世界に及ぼす影響)や国内事情(選挙への影響)を考えれば共和党内のディベートとは云え発言が慎重にならざるを得ない。 また一つの課題について候補者全員が発言するわけではないので各候補者の見解を精査するわけにはゆかないが全体として見れば「アメリカの対外問題は何なのか?政策はどうなっているのか? 現政府の実績、効果は上がっているのか? 共和党がどう評価し自らの新しい政策を打ち出せるのか?」などアメリカの外交問題が見わたせるいい機会でなのである。
具体的な質問は
ー テロとの戦いで国家の安全と個人の自由をどうバランスをとるか?
敵はイスラム過激派であるが国内のイスラム教徒個人、イスラム・コミュニティに対する調査を強化すべきか?
ー イランの核開発を阻止するためにイランを攻撃すべきか?
イラン封じ込めの具体策は? イラン中央銀行との取引停止や国内石油開発促進 etc.
ー イスラエルがイランを攻撃することを支持するのか? イスラエルが核を使用することを容認するか? イスラエルへの巨額の援助を継続するか?
ー パキスタンとの同盟、援助を継続するべきか?
ー 軍事予算削減が国家安全保障政策に与える影響と安全保障を確保?
ー 不法移民の阻止と国内不法移民の取扱
私個人としても非常に関心のあり且つ判りやすい問題だが一方日本を振り返れば国家の安全保障と個人の自由というのは国民にとっても政治家にとっても最も意識が希薄なところ。人間の生存にとって基本的な概念であるにもかかわらず文化の違いか歴史の違いのせいか現実離れした机上の空論ばかりで深い議論を期待すべくもなく残念である。
アメリカの政治家としても国家の安全保障と個人の自由は永遠の課題でありまたジレンマでもある。回答(言い方)が難しい。
候補者の中で終始現実に基づいた考えを明確に発言しディベートをリードしたのは元下院議長ニュート・ギングリッチだ。 長年の議会経験者、Reagan, Bush Sr. からClinntonの時代にかけて多くの外交政策論議にも関わった議会のベテランで最も安定した見解、政策を披露した。 彼の「古い保守派」という一般的に不利なラベルを貼られているにも拘わらず大多数の国民に受け入れられる許容性がある。最新のPollでもギングリッチがロムニーに並んだ。
現大統領オバマの対抗軸で安定した戦いが出来るのは対極にある保守本流のギングリッチであると思われる。
Jan. 3rd の Iowa Caucusまであと6週間 いよいよ大統領選挙ーペナントレースの開幕である。