2010年2月3日水曜日

トヨタたたきが始まった

トヨタのリコール問題が激しさを増してきた。

リコールは毎年どこかのメーカーで起こることであり珍しいことではない。 しかし今回のリコール騒ぎは尋常ではない。 たいていのリコールはメーカーのアナウンスがあればそれが最終段階ということであるが今回はリコールが発表されたあとTVで取り上げられる頻度が増しリコール車の緊急安全対策から議会への招問、挙句の果てにラフード運輸長官の「リコール車は問題解決まで運転するべきではない」との異常発言(後で取り消し)まで飛び出しヒートアップするばかりである。

問題が直接命にかかわるブレーキにありそれまでに他の原因ですでに大掛かりなリコールをアナウンスしたばかりでいっそう問題を大きくしてしまった。 トヨタが問題をどの程度シアリアスに受け止め早急に対処したのかわからないが時節柄政治的な背景があってトヨタをたたくと同時に日本バッシングしているのではないかと勘ぐっている。

昨日発表された自動車販売台数でもわかるようにFordは順調に販売を伸ばし会社更生法のGMも10%以上販売が伸びて順調に業績回復の兆候が見られる。 アメリカ政府としては巨額の資金をつぎ込んだ自動車産業には是が非でもがんばってもらわねばならない。 自動車産業がうまく行かねばミシガン、オハイオ、イリノイなどで失業率は改善しないし全体でこれ以上失業率が悪化するとオバマ政権の命取りになりかねない。 今年11月には中間選挙を控えておりオバマ人気だけでは民主党は議席を維持できない。 トヨタの失策はアメリカ自動車メーカーが回復する絶好のチャンスであるばかりでなくアメリカ政府にとっても渡りに船である。 アメリカは国益に沿うとみれば官民一体でプレイする国である。 トヨタがリーコール対策を完全にやりとげたとしても今回失った信用とマーケットシェアーを取り戻すのは容易な事ではないだろう。 トヨタの業績が落ち込むことはまず確実である。  トヨタの落ち込みはトヨタだけの問題に止まらず日本全体に大きくボディブローのように効いてくるのではないだろうか。 Made in Japan の神話崩壊の始まりにならなければよいが。

まったく憶測の域を出ないけれども普天間基地問題の先送り、鳩山首相の煮え切らない発言と夢物語のような政治理念(外国ではまともに取り上げられない)に苛立っているアメリカが必要以上に(トヨタの失策を利用して)トヨタたたきをしているように思うのは考えすぎだろうか。