2008年2月28日木曜日

大型竜巻と地球温暖化

大型竜巻と地球温暖化 

2月5日Super Tuesdayの夕方、選挙速報が流れる中アメリカ南部を襲った大竜巻(Tornado)のニュースと映像がスポット的に報道されていた。 竜巻は恐ろしいが通常被害は局部的でせいぜい幅50-100メートル 長さが数百メートルに止まる。
しかし今回の竜巻は数百マイルにわたる前線に沿って90個の竜巻がタッチダウン、アーカンソウ、テネシー、ミズリー、アラバマ、ケンタッキーの5州で56人もの死者がでた。
East Texasから北東にアーカンソウ州を縦断、ミズリー州まで延びた前線は勢いが衰えぬまま東に500マイルほどシフトしジョージア、W.ヴァージニアまでScraperで引っ掻くように被害を拡大した。 竜巻はよくあることで見慣れているものの今回のように広範囲ですさまじいのは初めてだ。 普通なら学校、教会、ショッピングモールなどの大きな建物は大丈夫といわれ人々は緊急にこのような建物に非難する事もあるが今回は大きな建物でも倒壊または大きな被害を蒙った。 普通の家などひとたまりもない。テネシー州に住むある家族はいち早く地下のシェルターに非難して無事だったが地上の家はそのままもぎ取られて50メートル先の草原に着地、逃げ遅れた飼い犬、家畜は空に舞い上がって行方不明になってしまった。 

最近の自然災害は竜巻だけでなくハリケーン、洪水、旱魃、地震、津波などが世界中で頻発、しかも年々大型化している。 このような大型災害は地球温暖化と無縁ではない。

私は気象学者ではないが20年ほど農産物(綿花・国際商品)の取引に携わっていた関係で気候や天気のメカニズムには一般の人より詳しい。

北極圏の冷たい空気は所どころで南に向かって流れ出す。 これを寒舌という。 地球温暖化によって北極圏の氷が普通以上に溶け出し大洋に流れ出すと同じように北極圏の寒気も袋が破れて一気に水が流れるように南に張り出す。 球形のボールに密閉されたような地球の空気は対流する。つまり寒気が南に押し出されれば南の暖かい空気は寒舌の両側で北上する。 この境目が前線であるが近年寒気の張り出しが大きいので普通は地球の中緯度付近を流れているジェット気流が大きく蛇行する。 記録的な暑さや寒さを繰り返すのはこのためである。前線が停滞すると激しい雨で洪水になるか暖かい空気が残留すると旱魃になる。
特に前線の東側では寒気と暖気が激しくぶつかり合うので天気が荒れる。 竜巻は局所的に冷たい空気と暖かい空気が衝突してできるのだが大陸内部の平原では寒暖の差が大きく空気のバランスが崩れやすいので竜巻が発生しやすい。 エネルギーの大きな前線ほど竜巻は大型になる。 これからも今回のような大型竜巻はしばしば起こるだろう。 大型台風も同じことである。 

地球のエネルギーは100%太陽から来ている。 地球の温度は、太陽から流れ込む日射エネルギーと地球自体が宇宙に向けて放出する熱放射と地表に向けて下方放射するエネルギーのバランスによって定まる。
人間の活動が地球上いたるところで活発になり化石燃料をエネルギー源として大量使用することにより大気中の炭酸ガスの量が増える。 炭酸ガスの厚い層によって地球がカバーされる事によって宇宙に放出されるエネルギーの量が減る。 余分のエネルギーが地表にとどまり大気と地表の温度が上がるというのが温室ガス効果(Green House Effect)である。 (ここまではよく知られた科学の常識である)

(すでに研究しメカニズムを解明している人がいるかもしれないが以下は私の想像力で構築した仮説であるからそのつもりで読んでいただきたい)
大気と地表のエネルギーは地表の温度上昇に影響するだけでなく地中にも浸透する。 つまり地球をオーブンで暖めると同じ事で内部のマグマを活性化させ膨張させる。 当然火山活動は活発になる。 海水や地表の温度の上昇で海底を緩やかに移動している地球表層部のプレートもまた加速的に膨張しプレート同士の衝突が頻繁に繰り返されることになる。 大型地震の多発するのはやはり地球温暖化と温室ガス効果のせいである。

地球の温暖化が問題視されてきたのは昨今のことではない。 1970年代の半ばにCIAが気候の変化(特に地球の温度の変化)でソ連の穀物生産がどのように変化するかを研究した論文の抜粋を当時のTelex News読んだ記憶がある。
私の記憶では平均気温が1℃下がるとソ連の穀物生産は15%減少し2℃下がる40%減少すると結論づけていたように思うが数字は確かではない。(CIA Reportをもとに他の研究機関・研究者が発表したシミュレーションかもしれない) 

上記の記憶をもとにインターネットで検索した結果下記のCIA Reportを見つけた。
USSR: THE IMPACT OF RECENT CLIMATE CHANGE ON GRAIN PRODUCTION (ER 76-10577)  Created: 10/1/1976

私の記憶にある数字は確認できなかったが天候による穀物生産の影響がいかに大きいかが読み取れる。
この研究は気温だけでなくこれと相関関係にある降雨量も重要な要因であることを結論付けているが元をたどれば北極圏の寒気の張り出し具合が原因であって現在問題となっている地球温暖化の影響と全く同じメカニズムである。 
しかもこの影響を受けるのは旧ソ連だけでなく北半球にある米国、中国でも同じことである。
特に高緯度に位置する穀物生産地は気温に対してぎりぎりのMarginal Lineにあり気候の変化を受けやすい。 
平均気温が1℃下がれば北辺の地は生産が激減する。 平均気温が1℃あがれば中緯度に位置する耕作地や牧草地は砂漠化する。 地球全体の平均温度が1℃上下すれば世界各地の穀物生産は大きな影響を受けるだろう。 2度上下すれば動物を含めた生物全体の生態系が崩れ穀物生産は壊滅的な打撃を受けるだろう。

近年Biotechnologyの発達により寒冷化または温暖化に強い品種が開発されてリスクをある程度克服してきたとはいえ気候の変化が激しければ植物の適応性、新種開発は追いつかない。 CIAは一国の食料生産が国家の安全に大きな影響を及ぼすことを前提に30年以上も前に各国の穀物生産・食料供給を研究していたのである。 第一次石油ショックの後、キッシンジャー補佐官・国務長官が石油に代わる食料の世界戦略を考えていたのは1970年代の半ばではなかっただろうか。

私の少ない蔵書の中に「巨大穀物商社」 -アメリカ食糧戦略のかげに- 1979年 ダン・モーガン著“Merchants of Grain”がある。 (NHK食糧問題取材班監訳 喜多迅鷹・喜多元子訳 1980年 日本放送出版協会)

この本は世界の穀物取引を牛耳る5大穀物企業が国家の壁を越えて世界中に貼りめぐらした秘密の情報網と系列の会社を駆使した取引の実態を画いている。 レポートで今読んでも迫力満点、とても30年以上前に書き下ろされたものとは思えない。 実態は今も変わらないだろう。 変わらないどころかITとCommunicationとBiotechnologyを駆使して30年前とは比べ物にならないほど巨大で強力なものになっているに違いない。

(余談だがこの著書ではいずれの穀物商も極端な秘密主義で会社も個人もなかなかアプローチが難しく世間では会社の名前すら知られていないと書いているがいまや最大手:カーギル(Cargill)はよくTVコマーシャルに登場する。 このコングロメリットは彼らの取扱う穀物がすべての食品の原料として消費者の生活に直結していることを認識してPublic Relationを重視する方向に転換したのかもしれない。 時代の変化である。)

“Global Warming” または “Climate Change” がどれほど前から認識されていたかを調べるためNY TimesのWebsiteでアーカイブを検索してみた。

1851-1980年 “Global Warming” で検索結果 67件ヒット 内16件は関係なし。 最も古いのは
May 30th, 1947  “Warming Arctic Climate Melting Glaciers Faster, Raising Ocean Level, Scientist Says”
LOS ANGELES, May 29 -- A mysterious warming of the climate is slowly manifesting itself in the Arctic, engendering a "serious international problem," Dr. Hans Ahlmann, noted Swedish geophysicist, said today.

1970年台初めから急に掲載記事が増え始めるが70年代前半は主としてオゾン層を破壊するフロンガス対策に関するもので70年代後半に炭酸ガスの温室効果を危惧する記事が増え始める。
しかし70年代は反対意見もありまだ確信を持てないようであった。 

1948-1980年 “Climate Change” で検索結果 24件ヒット 内6件関係なし
最も古いのは
May 23, 1953 “How Industry May Change Climate”
The amount of carbon dioxide in the air will double by the year 2080 and raise the temperature an average of at least 4 per cent. The burning of about two billion tons of coal and oil a year keeps the average ground temperature somewhat higher than it would otherwise b

小麦や米の供給が充分であることが社会秩序と政治的安定にとっての必要条件である。 これは自由主義国であろうが共産主義国であろうが古今東西変わりはない。 

1960年代から1970年にかけてソ連は農業生産不振と農産物価格の高騰に悩まされていた。 その上共産圏の首長として対外援助の約束と自国の第9次5カ年計画との板ばさみとなっていた。1970年12月ポーランドの食料価格の値上げに端を発した暴動をきっかけにソ連は密かに穀物不足を輸入で補う決断をしたのである。 
1972年には世界各地が旱魃に襲われその上ソ連が国際マーケットから大量の穀物を買付けたためアメリカの穀物価格は異常な高騰を生じた。

この一年後、1973年10月に勃発した第四次中東戦争が引き金となり、第一次オイルショックが始まった。 具体的には、原油価格が3ドル/バレルから12ドルヘと4倍値上がりし、日本ではトイレットペーパーの買占め騒ぎが起った。
このオイルショックから6年後の1979年1月、今度はイランで起きた革命の影響で石油価格が34ドル/バレルへと大幅に上昇する第二次オイルショックが起きアルミ精錬などのエネルギー大量消費型の産業に大打撃を与えた。

現在は第3次オイルショックとも言える原油価格の高騰に見舞われている。 原油の高騰はガソリン価格の高騰にとどまらずあらゆる物資の価格に影響を及ぼし始めた。 今回の物価の上昇は明らかにコストインフレであり供給タイトではない。 パニックにならないのは先進国の穀物生産を含むあらゆる物資の生産にはまだ余力と余剰があるからだ。

石油が無くなれば大変だ。 しかし原油価格がべらぼうに上がったとしても供給がストップするわけではない。 産油国は微笑みながら石油が出る限り供給する。 ごく最近原油価格が$100を越えてもパニックにはなっていない。

本当に恐ろしいのは食料不足である。 食べ物は一日たりとも欠くことは出来ない。
革命はパンの値段から始まる。 1789年のフランスの暴動はパンが不足した都市で始まり、その結果ルイ王朝は崩壊した。 
ダン・モーガンはMerchants of Grainの前書きで次のように述べている。
「穀物は現代文明にとって石油よりはるかに重要な資源である。 人間の生命と健康維持に不可欠なものであることは云うまでもない」
数日先の食料の確保が難しいとなれば人々はパニックに陥る。 一年先にでも食料不足が予想されればパニックになってもおかしくない。 中国とインドが現在のアメリカや日本と同じ水準の生活をするとすれば食料はおろか一夜にしてあらゆる物資が不足してしまう。 その時は近い将来確実にやってくる。

その時は資本主義も社会主義もキリスト教もモスレムも関係ない。 持てる国と持てない国の格差は広がり食料を求めて激しい国際紛争が多発するだろう。 

アメリカは長い間余剰穀物の処理に頭を抱えていたしその財政負担も限界に来ていた。
日本の食糧管理法も同じこと、米の過剰生産と特別会計の財政負担に悩んでいた。
日本人で飢えを経験している人は殆どいなくなった。 たとえいたとしてもそれは戦中戦後の一時的経済的混乱のせいであって1950年以降食料不足で危機に直面したことはない。 

むしろ我々は長い間飽食に慣れてしまった。 10分歩けばいつでも世界中の食材を買って好きなように調理ができる。 我々の興味は何処で新鮮な野菜が手に入るか、何処で美味しい肉や魚が買えるのか、個々の食品の安全性はどうなのかというところにあり量的なものには全く関心がない。 3億人のアメリカ人が何の問題も無く食しているアメリカ産の牛肉を1億人の日本の消費者全員が一億分の一あるかないかのBSEのリスクを心配して米国産の牛肉の購入をためらっている。 つい2週間ほど前にロサンジェルスの精肉業者がBSEの疑いのある牛を堵殺してひき肉に混入してしまい史上最大のひき肉回収事件になった。  この肉は給食にも使用され殆ど消費されているというのだがアメリカ人はそれほど気にしていない。  
中国産の毒入り餃子は論外だが現在食品で少々の問題が発生してもパニックにはならない。
なぜなら今日本を含む先進国では食料は有り余っているからだ。 いくらでも代替品は見つかるし台所で困ることはない。 しかも生産している量の半分しか消費されていないという。 (調理過程でゴミとなるか食べ残しで捨てられる) 

私たちは食料があまりにもたやすく手に入るので食料が国民と国家の生命線であること真剣には考えていない。 しかし地球温暖化と食糧危機は背中合わせなのだ。
北極の氷山が異常に流れ出したとしても食糧危機はまだ頭に浮かばない。 しかし魚の取れ方や漁獲量に変化は出ている。 大型台風や大竜巻が連続して発生してもまだ食料危機とは結びつかない。 それはまだ局地的な被害にとどまっているからだ。

今人々はやっと地球温暖化の影響について知り始めたばかりだ。 各国個別に対策を考え始めた。 しかし国際的に炭酸ガスの発生量を抑えるにはどうすればよいかの話し合いを始めたばかりで世界的な合意は得られていない。 現実はこれからまだ炭酸ガスは増え続けるのだ。 今すぐ世界主要国で最大限対策を講じたとしても炭酸ガスが減少に転じるのは10年先になるだろう。 すでにそのときは地球の温度は1℃上がっている。

ゴア元副大統領が地球温暖化対策でノーベル賞を受賞したことはアメリカに対する痛烈な皮肉であると共に真剣な警告である。 次の大統領は誰がなっても地球温暖化対策を採ることを公約の一つにしているので早く実行段階に移行してほしい。 財政赤字もそうだが炭酸ガスの負担を孫の代まで持ち越してはならない。

人類は地球最大の危機を英知で乗りきれるだろうか。


2008年2月20日水曜日

米大統領選挙(その15) オバマのモメンタム(2)

オバマのモメンタム(2)

前半戦のヤマ場は2月5日のSuper Tuesdayであった。 後半のヤマ場は3月4日の大票田テキサス州とオハイオ州といわれている。 しかし今のオバマの勢いからすれば2月19日のウィスコンシン州の予備選が決定的に重要だと思っていた。 クリントン陣営としてはここでオバマに勝利しないとオバマの勢いを止められず残りの州がなだれをうってオバマに傾いてしまうからだ。 結果は58%対41%の大差でオバマの勝利となった。  同日のハワイではオバマ76%対クリントン24%だった。

クリントンとオバマの演説は何十回も聴いたし時折Scriptも読んだ。 クリントンの演説は迫力もあり説得力もあるがいつも同じ内容で同じ調子だから何回か聴いていると飽きが来てしまう。 その場にあわせてリップサービスも忘れないがこれがかえって白々しさを感じさせるのだ。

オバマのスピーチは流れがあり時間を経るたびに内容が少しずつ成長している。 彼のスピーチを聞いていると自然に彼の政治姿勢と人格が理解でき共感が沸いてくる。 
1961年ハワイ生まれ。 父親はケニヤ生れのイスラム教徒 母親はカンザス州出身のスウェーデン系移民の子孫。 父親は彼が2歳のときにケニヤに帰り母親はその後インドネシア人と再婚し6歳から10歳までインドネシアで過ごした。 
1960年代から70年代にかけてのアメリカはまだ人種や異宗教間での結婚に対して根強い偏見があり黒人の子供を抱えたシングルマザーの苦労のほどが察せられる。 
その彼がコロンビア大学を卒業後、数多の有力企業への就職機会があるにも拘わらずシカゴに住む貧しい人々をサポートするためのNPOに勤務した。 ここで政治の力で社会を改革するという現実的な課題と夢に挑戦するためハーバード・ロースクールに入学。 卒業後はシカゴにもどり人権派弁護士として頭角を現した。 草の根運動を通じて1997年から2004年までイリノイ州の上院議員、2004年からイリノイ州選出の上院議員を務めている。

彼の厳しい生い立ちと華麗な経歴が何の違和感も無く結びついているのは自分の夢を実現するために草の根運動を通じて一歩一歩階段を上ってきた彼の実績があるからだ。 
彼の演説に説得力があるのはこうしたバックボーンがあるからで決してヒラリーの云うようなレトリックではない。 若者たちが熱狂して支持する所以である。 

彼は出馬の当初から人種の壁を越えている。 もし彼が黒人層・貧困層を基盤として社会改革を唱えていたとしたらここまで支持は得られなかっただろう。  中産階級対富裕層という対決軸を取っていたとしてもここまで支持派得られなかっただろう。 
過去に予備選に出馬した黒人候補、民主党ジェッシー・ジャックソン(1984 & 1988) や共和党アラン・キース(2000)がいるがたとえ今回彼らが出馬したとしても今のように予備選が盛り上がったとは考えられない。

父親がケニヤ人、母親がスウェーデン系白人という生れながらに人種の壁を越えた生立ちが大きな器を生んだのかも知れない。 一般的にマイナスの条件と考えられていることでもその人の生き方によってはプラスにもなるものだと考えさせられるのだ。
彼が言うのは“家庭は貧しくとも母親や祖母は愛情と教育と希望を与えてくれた。 私がここまでやってきたのは希望(Hope)があったからだ”と。 こんな言葉が若者を奮い立たせ閉塞感に満ちた現在のアメリカを改革しようとする動機となっている。


時代は変わり偏見は薄れたとはいえ1月3日に僅か人口1%のアイオワ州が選んだオバマ候補を僅か45日の間に多くの候補を篩(ふるい)にかけながら彼を大統領に最もふさわしい候補として選び支持してきたアメリカ国民の情熱と公正さと寛容さに改めて敬意を表したい。 

願わくば新しいアメリカの象徴として来年一月にはオバマに是非ホワイトハウス入りを実現して欲しいものである。

2008年2月13日水曜日

米大統領選挙〈その14) オバマのモメンタム(1)

オバマのモメンタム (1)

Potomac Primary (Maryland, Virginia & Washington D.C.)

オバマの勢いが止まらない。 先週のルイジアナ、ネブラスカ、ワシントン、メインに続いて2月12日には首都圏 メリーランド、ヴァージニア、首都ワシントン特別区でオバマ候補がクリントン候補に圧勝した。 予備選の得票数でオバマ(1253)クリントン(1211)と逆転、 
2月5日のSuper Tuesday以降7連勝でオバマとクリントンの得票比率は開くばかりである。 僅か1週間前のSuper Tuesdayが随分前のことに思えるような様変わりだ。

なぜオバマの支持が増えているのか? 
黒人層や若者の支持だけでは勝てないしこんなに得票数に差が出るわけがない。 理由は今までクリントン支持基盤であった白人女性票でオバマの獲得票がクリントンを逆転してしまった。 白人全体でもオバマ支持が急速に増えている。 つまり60歳以上のシニアを除けば全カテゴリーでオバマ支持が増えているのだ。 

前日から負けが判っていたのかクリントンは選挙の結果を見ないで最後の決戦場テキサスに飛んでしまった。 3日前に選挙キャンペーンマネージャーが辞任したばかりだが昨日副マネージャーも辞任してしまった。 明らかにクリントンは追い込まれている。

このままで推移すれば最終的に得票数でオバマが勝利する公算が高くなってきたが予備選の選挙方式上決着がつかない公算が大きくなった。 どちらか候補が残りの州を55%-45%の比率で全部取ったとしてもDelegatesの数が比例配分されるので過半数に至らないのである。

民主党の場合はDelegates(3253) +Super Delegates(796) Total 4049 Delegates したがって2025票を獲得すれば指名獲得となる。 
2月12日現在オバマ1253票(Delegates 1096 +Super Delegates 157)クリントン1211票(Delegates 977 +Super Delegates 234) 残りのDelegates(1180)を残りの予備選で55%獲得すると649票になる。 これをオバマのDelegates獲得数1096に加えても過半数の2025票には届かない。 一方Super Delegatesは残り405票 この票の行方が指名候補を決定する。

Super Delegatesは元大統領、元副大統領を初め民主党全国委員会のメンバー、国会議員、民主党知事などいわゆる民主党のVIPで構成される。 Super Delegateは全国大会前に今回のTed KennedyやJohn Kerryのように早い段階で候補の支持を表明する場合もあるが多くのSuper Delegateは最終段階まで誰を支持するかを表明しない場合が多い。
Super Delegatesは途中で支持を変更することも出来るし特定候補サポートのために予備選でえらばれたDelegatesを20%まで勧誘することができる。 1980年にこの制度が導入されたが今まで実働したことはない。 通常大統領候補を指名する党大会までに候補が確定してしまうからである。

今回は予備選で指名候補が決定しない公算が大きい。 しかも総得票数にはフロリダ州とミシガン州のDelegatesの数がカウントされていない。 〈両州は民主党本部の以降を無視して予備選を早めたためペナルティとして投票はしてもDelegatesは割り当てないことになった〉 この2つの州ではクリントンが勝利しているから最終的に両候補の得票数が拮抗しクリントンが下回っている場合はクリントンは両州のカウントを要求するであろう。 民主党本部がどう対応するかがまず問題だが一旦決めたルールを変更するとなるとオバマ陣営も黙ってはいない。 
こうした事態と混乱を避けるため初めてSuper Delegatesが動かねばならないだろう。 

共和党の場合はPotomac Primaryで3勝したマッケーン候補がほぼ指名を確実にした。
候補確定には問題ないが共和党内部〈特に保守派〉がマッケーンのもとにまとまっていないので本選でモメンタムをキープできるかどうか疑問視されている。



2008年2月11日月曜日

米大統領選挙(その13) Yes, We Can

オバマの合言葉  Yes We Can

“Yes We Can” はいまやオバマの合言葉 オバマのスピーチにアメリカの若者が曲をつけてリリースしたところ瞬く間に世界中に広まった。 今回の予備選はアメリカだけでなく世界中が注目しているようだ。 

この歌曲(うた)については<カリフォルニアのはあさんブログ>に解説と日本語訳をつけて紹介されているのでブログのオーナーさんの承諾を得てそのまま掲載させてもらった。
曲を聴きたい人は<
http://blog.livedoor.jp/chiblits/archives/51125997.html>に直接ログオンして聞いてください。

<カリフォルニアのはあさんブログ>

2008年2月5日
Yes, we can 日本語訳
2月2日にYou Tubeに登録されて以来世界で一番数多くの人に見られているビデオクリップだそうです。 この3日間で1,022,155。何と100万人以上の人が見たそう。

リリック(歌詞)はニューハンプシャー州の予備選で勝った時のオバマ氏のスピーチからとったもので、the Black Eyed PeasのメンバーWilliam James Adams Jr.が作曲、ボブ・ディランの息子Jesse Dylanがディレクターで作成されたオバマ・バラード「yes we can」という曲です。歌詞はばあさんのつたない英語力で意味が通じる程度ですが訳してみました。間違いがあれば是非訂正をお願い致します。

「Yes We Can 」やれば出来る

It was a creed written into the founding documents
that declared the destiny of a nation.
Yes we can.
It was whispered by slaves and abolitionists
as they blazed a trail toward freedom.
Yes we can. Yes we can.
It was sung by immigrants as they struck out
from distant shoresand pioneers
who pushed westward against an unforgiving wilderness.
Yes we can. Yes we can.

やれば出来る
その信念で 憲法が書かれ 国が独立したじゃないか
そう、やれば出来る
それで奴隷達と奴隷廃止論者は自由への道を切り開いただろう
やれば出来るんだ
移民達は遠い海を渡り、
そして開拓者達は厳しい荒野を西に進んだ

Yes we can. It was the call of workers who organized;
women who reached for the ballots;
a President who chose the moon as our new frontier;
and a King who took us to the mountain-top
and pointed the way to the Promised Land.

そう、やれば出来るその信念で
労働組合が結成され婦人参政権が付与された
大統領は新開拓地を月と定めキング牧師は山の頂きに立って 
正義と平等の約束の地へ方向付けてくれただろう

Yes we can to justice and equality.
(yes we can, yes we can, yes we can, yes we can...)

やれば出来るんだ

Yes we can to opportunity and prosperity.
Yes we can to opportunity and prosperity.
Yes we can heal this nation.
Yes we can repair this world.
Yes we can. Si Se Puede
(yes we can, yes we can, yes we can, yes we can...)

昇進と繁栄あり昇進と繁栄あり
この国は救われる
世の中を良くして行こう
そうだ!出来るのだ (スペイン語)

We know the battle ahead will be long,
but always remember that no matter what obstacles
nothing can stand in the way of the power of millions of voices calling for change.
We want change!
(We want change! We want change! We want change...)

道のりは長いのは分かっている
だけどこれだけは忘れないで
どんな困難があろうと
改革を願う何百万もの民衆の力の前には
何も立ちはだかることはできない
今改革を!

We have been told we cannot do this by a chorus of cynics
who will only grow louder and more dissonant.
We've been asked to pause for a reality check.
We've been warned against offering the people of this nation false hope.
But in the unlikely story that is America,
there has never been anything false about hope.
We want change!
(We want change! I want change! We want change! I want change...)

信じない人達から改革はできっこないと言われた
現実は厳しいと言われた
民衆に偽りの希望を与えるなと言われた
でもこのアメリカには希望に偽りなんてない 
我々は今改革が欲しいのだ

The hopes of the little girl
who goes to a crumbling school in Dillon are the same
as the dreams of the boy who learns on the streets of LA;
we will remember that there is something happening in America;
that we are not as divided as our politics suggests;
that we are one people;we are one nation;and together,
we will begin the next great chapter in America's story with three words
that will ring from coast to coast;from sea to shining sea -
Yes. We. Can.
(yes we can, yes we can, yes we can, yes we can, yes we can, yes we can, yes we can, yes we can...)

Dillonの壊れそうな学校に通う女の子の希望も
ロスアンジェルスの学校に行っていない男の子の夢も
同じ夢
今アメリカで何かが起こっている
政治家達が言うほど我々は分裂していない
我々は一人民で一国家だ
一緒に力を合わせようじゃないか
アメリカの新しい素晴らしい章を始めようじゃないか
この3語の合言葉で
「Yes We Can」を
東海岸から西海岸まで輝く海まで
「Yes We Can」を鳴り響かそうじゃないか




2008年2月6日水曜日

米大統領選挙(その12) Super Tuesday

Super Tuesdayの結果

Super TuesdayはNY, Californiaを含む21-22州で予備選がおこなわれた。
一般に各州投票締切りは夜8時だがジョージアのように7時に締め切るところもあり東部と西部では3時間の時差があるので各州の開票の途中経過と“当確”速報が刻々と伝えられるので選挙の“Live Show”はまことにThrillingである。
まず午後3時前に共和党ではWest Virginia州でハッカビー候補が勝利したとの速報が流れた。
投票締切りには随分時間があるのだがこの州では“Closed Convention”といって共和党員のみのCaucusだから党内で決着がつけば発表できるわけだ。 しかし選挙内容は単純ではなかった。
一回目の投票では1位:ロムニー 2位:ハッカビー 3位:マッケーン という結果になったがいずれも過半数には至らないので2回目の投票になったがマッケーンのDelegatesがハッカビーに加わることにより再投票結果は1位:ハッカビー 2位:ロムニー 3位:マッケーンとなった。 
共和党は勝者が100% Delegatesを獲得するシステムだからマッケーン陣営としてはロムニーのDelegates獲得を抑えさえすれば全体では優位を保てるので票(Delegates)をハッカビーに譲ったとしても目的達成である。 以前からマーケーンとハッカビーは友好関係にありW. ヴァージニアでこれが証明された。 ロムニー陣営としては大きな痛手であり今後の展開が難しくなった。
共和党はNY,ニュージャージー、カリフォルニアを制したマッケーンが(615 Delegates) 2位のロムニー(268)を大きく引き離してほぼ独走体制を固めた。

民主党は各州でクリントン(825)対オバマ(732)のデッドヒートが展開されニューメキシコ州では開票後10時間たってもどちらが勝ったのか発表されていない。
大都市・大票田のNY,ニュージャージー、カリフォルニアではクリントン その他全域ではオバマという構図になった。 キイはHispanic/Latino Votersで60-80%がクリントンに投票している。 中でも最大の票田カリフォルニアで決定的な差がついている。

今日まで28州で予備選が終わったが両党ともトップが過半数を獲得していない。 共和党ではマッケーンの勝利がほぼ見えてきた。 一方民主党はオバマ候補の追い上げでレースが確定したとはいえないがカリフォルニアを制して差を広げたクリントンが有利に立ったといえる。

2008年2月4日月曜日

米大統領選挙(その11) Super Bowl & Super Tuesday

Super Sunday & Super Tuesday

昨夜はSuper Sunday (Super Bowlの日) 久しぶりにSuper Bowlを見た。

Foot Ballといえばすぐに70年代後半から80年台初めDallasに駐在していた頃のDallas Cowboysを思い出す。 Coach: Tom Landry, QB: Roger Staubach, RB: Tony Dorset, WR: Drew Pearson, Preston Pearsonや当時の仇敵Pittsburgh SteelersのQB: Ted Bradshaw, RB: Franco Harris など今でも選手の名前がすらすら出てくるのは当時毎週NFLフットボールゲームに家族をあげて一喜一憂していたからだろう。
Super Bowlの試合中はダラスの街中では車は殆ど走らなくなってしまう。 アメリカでは何処の町でも同じだが熱烈な地元のNHLファンが多い。
強かったDallas Cowboysも1981年ナショナルリーグのチャンピオンシップでSan Francisco 49nersのJoe Montanaの劇的なThrowで逆転負け(28-27) それ以降10年ほど Joe Montana & 49ners の時代が続いた。 その試合のJoe Montanaの最後の1投をWide Receiver: Dwight Clarkが受けた瞬間の映像を何かのコマーシャルで何度となく見せられたのとSuper Bowlのたびに放映されるのを見てどれほど悔しい思いをしたことか。 私のフットボールへの興味は次第に薄れて90年代以降はチャンネルを回さなくなってしまった。

NYとボストンは何かにつけてライバル関係にある。 今年のSuper BowlがNY GiantsとボストンのNew England Patriots の対戦では嫌が負うにも見なければならない。 
NYのスポーツファンとしては秋のMBLのプレイオフのお返しをしたいところだ。

ゲームは両チームとも攻守に締まったいい試合になった。 ヤマ場は第4Q終盤の逆転また大逆転 もう終わりと諦めかけたNY Giantsが奇跡のThrow, Running, Receivingを重ねて試合終了35秒前にタッチダウン。 これまでシーズン、プレイオフを通じて無敗のPatriotsを破って優勝した。 フットボール史上に残る名勝負だった。

さて2月5日はSuper Tuesday大統領予備選も最大のヤマ場にさしかかった。 今年の予備選はSuper Bowlに負けない熱気を帯びている。
特に民主党の指名争いは熾烈だ。 経験・知名度・組織固め抜群の政治的大スター ヒラリー・クリントンに対抗する新人バラック・オバマの追い上げは激しく前日のPollではとうとう追いついてしまった。 先週末からカリフォルニアでキャロライン・ケネディ、 マリア・シュライバー(シュラルツネガー・カリフォルニア州知事夫人)、 オプラ・ウィンフリー(人気No.1テレビ司会者) がオバマ候補のキャンペーンに加わり最後の追い上げに強力な援軍となった。 特に女性票獲得には力を発揮すると見られる。 終盤になってオバマの上潮の勢いが止まらないのは組織がらみの応援ではなく本当の“Change”を期待する人々が個人ベースでキャンペーンに加わっているからで彼の集めた資金が(殆どインターネット経由)1月だけで$3,200万と一ヶ月のFund Raiseとしては史上最高に達したことでも判る。  この人々がまた草の根を通じて他の個人を勧誘しているわけでオバマ支持は野火のように広がり勢いが止まらない。 

民主党の予備選のシステムが上潮のオバマに有利に展開しているのも見逃せない。
共和党の場合は州毎の予備選の勝者が100% Delegates数を獲得する(All or None)のに比べて民主党では各州の予備選の得票数に応じてDelegatesの数が比例配分されるから前半は劣勢でも後半優位に立ったほうが票を獲得しやすい。 またはSuper Tuesdayの投票結果が第一位で無くとも勢いさえあれば充分逆転の可能性がある。 今の状況ではおそらくSuper Tuesdayではどちらかが過半数を獲得するとは思われないので決着は後半戦に持ち越されるだろう。  モメンタムはオバマにありSuper Bowl 同様の逆転タッチダウンが期待される。


共和党はマッケーンが他の候補を引き離して指名を獲得すると思われる。





2008年2月2日土曜日

米大統領選挙(その10) 最後のディベート

1月30日・31日 最後のディベート

1月30日・31日と連続して共和党と民主党の最後のディベートがあった。
(昨年9月に始まった予備選ディベートは17回を数える)

30日の共和党のディベートは新しい展開も無くマッケーン候補とロムニー候補の個人攻撃・足の引っ張り合いでしらけムードで終わり大変失望させられた。 
フロリダ州予備選を終わって全く振るわなかったNY市長ジュリアニがドロップアウトしマッケーン候補をEndorseすると発表したことのほうが大きなニュースだ。 ジュリアニの強いNY/NJの票がマッケーンに流れるとすれば大票田の上 All or None だから(勝者が100%のDelegatesを獲得する) ここで勝利すれば対抗候補に大きく差をつけることができる。 
しかし最後のディベートがこのような状況では相手(民主党)に乗じられる上、選挙民の信頼も失うはずでマッケーンと共和党は最後にとんでもないミスを犯してしまった。

一方31日に行われた民主党のディベートはトーナメントを勝ち抜いてきた2人(クリントンとオバマ)のチャンピオンシップにふさわしい素晴らしいディベートになった。 おそらく前日の共和党の無味乾燥なディベートをみて民主党本部が意識的に個人に対するネガティブ発言を避け政策本位の前向きなディベートになるよう演出したのかも知れない。 
会場に登場した2人は今までとは明らかに異なり穏やかで余裕のある表情をしていた。
アメリカでは当然のこととはいえヒラリー・クリントンが着席しようとするとオバマは後ろから軽く椅子を押してヒラリーを座らせた後自分も着席した。 (ディベートが終わったときも自分が立ってヒラリーの椅子を引いた) このような姿勢にも今回のディベートは昨夜の共和党の後味の悪いディベートを意識しているように思われた。
ヒラリーは今までに見たこともないリラックスした様子で目は輝き顔は微笑んでいる。
オバマも今までと変わらぬ落ち着いた態度で固さは見られない。

コンテンダーが2人に絞られるというのは質問も多岐詳細にわたり応答時間も長くなる。 2人は同じ党で基本政策では変わらないからPersonal Qualityが重要なポイントになる。

質問はDifference between Two, Health Care, Iraq War, Tax and Spending, Immigration, Leadershipなど今までディベートで繰り返し議論された問題で17回もディベートを経験すればすべてが整理されて頭の中に叩き込まれているし2人とも歯切れがよかった。
政策面での違いの解説・評論はメディアに任せ2人のパーソナリティに関わる面白い質問とそれに対するスマートな答えの抜粋を記載しておこう。  

(司会はCNN Main Caster Wolf Blitzer, Script from CNN Politics arranged by Hamazaki)

ブッシュ家とクリントン家が過去30年にわたりホワイトハウスを仕切っていることについて
Blitzer : "How can you be an agent of change when we have had the same two families in the White House for the last 30 years?"
Clinton:  We come forward to the American public and it's the most grueling political process one can imagine.  We start from the same place. Nobody has an advantage no matter who you are or where you came from. You have to raise the money. You have to make the case for yourself.
And I want to be judged on my own merits. I don't want to be advantaged or disadvantaged. I'm very proud of my husband's administration. I think that there were a lot of good things that happened and those good things really changed people's lives……
And, you know, it did take a Clinton to clean after the first Bush and I think it might take another one to clean up after the second Bush.

夫ビル・クリントン元大統領について
(このところ夫ビル・クリントンが激しいキャンペーンを展開してすこぶる評判が悪い)

Blitzer: Greg Craig, who was one of your husband's top lawyers campaign can't control the former president now, what will it be like when you're in the White House?
CLINTON: Well, one thing I think is fair to say, both Barack and I have very passionate spouses...
OBAMA:  We do, no doubt.
CLINTON: who promote and defend us at every turn. You know, but the fact is that I'm running for president, and this is my campaign……...And of course, I'm thrilled to have my husband and my daughter, who is here tonight, you know, representing me and traveling around the country….
We are proud of our spouses, we're proud of our families, we're proud of everybody supporting us. But at the end of the day, it's a lonely job in the White House, and it is the president of the United States who has to make the decisions. And that is what I'm asking to be entrusted to do.

副大統領指名について
BLITZER:
not only the Democrats here at the Kodak Theatre, but all over the country -- they take a look at the two of you and they see potentially a dream ticket. A dream ticket for the White House…….. Would you consider an Obama/Clinton or Clinton/Obama ticket going down the road?

OBAMA: ……I think it would be premature and presumptuous. I can say this about -- about who I want not just as vice president but as a cabinet member. Part of what I would like to do is restore a sense of what is possible in government.
CLINTON: Well, I have to agree with everything Barack just said. This has been an extraordinary campaign, and I think both of us have been overwhelmed by the response that we have engendered, the kind of enthusiasm and intensity that people feel about each of us. And so, clearly, we are both dedicated to doing the best we can to win the nomination, but there is no doubt we will have a unified Democratic Party.
二人が組めば最強のコンビになるが私はどちらが大統領になっても一方は副大統領を受けないと思う。

今回のディベートについて
OBAMA:
...And, you know, it is a testimony to the Democratic Party and it is a testimony to this country that we have the opportunity to make history, because I think one of us two will end up being the next president of the United States of America.

クリントンはさすがにアーカンソウ州知事夫人、大統領夫人、上院議員と長い間政治に関わってきただけに経験に基づく実績のアッピール、整然とした論理の展開、スムーズな語り口 自身に満ちた態度と時折見せる笑顔、 今日のヒラリーは完璧だった。

オバマはここ一ヶ月終始変わらぬ基本姿勢と表情で好感度は時間を追うごとに高まっていく。 彼の強味はUnited Americaの旗手としてDemocratsだけでなくIndependentsまで広範囲の支持を得ていることだろう。 彼はCorporate・Lobbyistの献金を拒否しているので選挙運動資金の殆どが個人献金で賄われているのだ。 アイオワでもサウス・カロライナでも他の候補は巨額の資金を注ぎ込んだでもオバマに勝てなかった。  これは政治家として賞賛に値する。 彼のモメンタムは加速してきた。

私はディベートではクリントンの判定勝ちと思うがオバマの勝ちという人もいる。 このような甲乙付けがたい素晴らしいディベートを展開するとディベートの勝負よりも自分自身の評価をあげると同時に2人は民主党から新大統領を送り出すために最大の貢献をしたことになる。
どちらが大統領候補に指名されようとも共和党との戦いでは断然有利になった。  初の女性大統領か初の黒人大統領誕生の可能性が非常に高まったといえよう。

このディベートを830万人が見ていたそうだ。 過去の最高視聴者数が(Myrtle Beach Jan. 19th)の430万というからいかに多くの人々がこの夜のディベートを注目していたかがわかる。 今アメリカ国民は選挙に燃えている。 
誰が指名を受けようとも誰が大統領の席に座ろうともそれはアメリカ国民が1年かけて選んだ結果であるから納得がいくはずだ。