2011年5月10日火曜日

やっぱり穴があいていた

福島第一原発の原子炉は燃料がメルトダウンし中央の容器に穴が開きそこから大量の放射線漏れがおきていた。 地震・津波後2-3日の間にこの事故が起きていたにもかかわらず2ヶ月以上も経ってから東電・原子力保安院が確認したものだ。
事故当初からアメリカの原子力専門家はメルトダウンを指摘していた。 事故発生直後は不明な点があったとしてもかかる重大な災害にたいしては最悪のケースを想定して対処すべきものであるが東電はつねに希望的楽観サイドに意識して固執していたように思えてならない。 東電は電力供給を事業とする半ば公共事業的な会社である。 経営トップはどことなく官僚臭のする事なかれ主義体質。 今まで大きな事故、大きな経営上の危機に面したことがなかった会社ではないか。 
原子炉の設計、安全性について万全ではなかったという批判があるにせよ今回の地震は世界でも類を見ない史上最悪の事故である。 まさに政府も会社も国民も想定外の大事件である。 想定外の状況を考慮して事業を起こすものはいない。 原子炉が万全でなかったという非難は意味がない。
問題は事故後の対処の仕方である。 東電は問題追求の仕方が甘い。 たとえば海水の放射能汚染は原子炉の水漏れであり原子炉・建屋に亀裂があるから流出している。 素人でも判りそうな事態にどうして重いがめぐらないのか不思議である。 これに対処するのは原子力るの知識ではなく土木建築の知識である。 経営上部に専門的知識と実行力のある幹部がいないので行動がとれない。
政府も同様制度的議論ばかりで災害時に率先して行動するリーダーがいない。 今必要なのは迅速な行動力である。