2011年6月24日金曜日

ボーイング工場見学

         (HWYから見たボーイング工場)

友人のTさんがオレゴンでのゴルフ・ツアーのあと我家を訪ねてくれた。
これを機会に予てから行きたいと思っていたボーイングの工場見学に誘った。
シアトルを代表する企業といえばマイクロソフトとスターバックスと誰もが答えるが世界最大の航空機製造会社のボーイング本社・工場がシアトルにあるのはあまり知られていない。
マイクロソフトやスターバックスの会社見学があるかどうか判らないが製品から考えて感動するものはないだろう。 一方ボーイングは航空機を作っている。 目で見て一番判りやすい製品ではないか。 何よりも機密が多い航空機の製造工程を一から見せてくれるのはやはりオープンなアメリカならではのことである。 しかしさすがにセキュリティは厳しくカメラ・携帯etc.一切持ち込み禁止。 入場前に何度も警告を受ける。
まずは工場より1キロほど離れた展示場でチケットを買いシアターに入る。そこでガイドの説明と15分程度の会社案内の映画を見た後、工場行きのバスに乗り込む。
工場は高さ30m、長さ200mぐらいの大きさで片方だけでは大きさがわからないが奥行きも200mはあるかもしれない。 とにかく建物の側のパーキングに駐車している乗用車がミニチュアカーのように小さく見える。 ジャンボ機が6台入る世界最大の容積を誇る建物だそうだ。 我々が見学時には747、777、787がラインに乗って生産中だったが10機は入っていたと思う。 要するに車の生産ラインに飛行機が載っていると考えればよいが一工程に2-3日かかるだろうから機体そのものはコンベアーに乗って動いているわけではない。
777で64日、 747で一年かかるらしい。 部品の数が15万点(?)以上あり失敗が許されない(簡単にリコールはできない)製品であるだけに安全確認(試験飛行)には期間をかけて当たり前。 最初の引渡し予定よりも1年半ほど遅れている。
最新鋭機787(Dream Liner)はANAが最初に50機発注しただけあって完成間近の機体がライインの終わりに3機、建物の外の駐機場にも2機ならんでいた。
航空機製造は世界最大のアセンブリー産業、システム産業でおきなシステムを運営するのが得意のアメリカに向いた産業といえよう。 世界の旅客機はアメリカのボーイングと英仏独のエアバスにほぼ独占されているがそのほかで生産できる力と技術があるのは日本以外に考えられない。 実際787の製造も機体の大半は三菱重工と川崎重工が作っている。 機体専用の輸送ジェット機があるのには驚いた。 こちらは工場に隣接して飛行場があるので問題ないが日本側で製造した機体はどうやって飛行機に積み込むのか疑問が残る。 
こんな工場見学はここでしかできない。 $20でツアーガイドが付いて1時間半の工場見学は値打ちがあると思う。 シアトルに来られる方にはお勧めの観光スポットだ。