アメリカの待合室とジェネリック医薬品
最近左小指の腱鞘炎で整形外科に行きその後左目の結膜炎で眼科に通った。
医療に関し日本でもすぐに見習って欲しい2つの課題があった。
予約制とジェネリック医薬品である。
1.予約制
アメリカで医者にかかるにはまず電話して予約を取る必要がある。
電話で症状を説明し予約をとる。急患ならすぐにでも受け入れてくれるし個人の都合も考慮して柔軟に対応してくれる。
予約時間に病院に行けばたいてい数人の患者が待合室に居る。 初診の場合は簡単な手続きを済ませて10-15分待てば個別の診療室に案内されここでさらに10-15分ほど待つ。 Doctorはせいぜい5分程度診療および治療をしてたいていの場合は処方箋を書いてくれる。 支払いが必要な場合は数分で終わり病院を出る。所要時間の合計は大体30-40分。
再診で一ヵ月後に整形外科に行ったときは待合室での待ち時間が5分、診察室で10分、診療と処置(注射)が3分、 支払いは月毎に請求書が郵送されてくるので支払いのための待ち時間はなし。 20分ほどですべてが終わった。
実質的な診療は日米とも大差はないがアメリカでは患者は長時間待たされることはない。 待合室は入れないほどの患者が待っていることはまずない。
今年の夏に逗子の眼科と鎌倉の皮膚科に行ったがいずれも予約制はなく待合室にはいつも10-20人が待っていた。 待合室に入れない人は診察券だけ入れて外で時間を潰している。待ち時間は大抵1-2時間。 受付で何曜日の何時が空いているのか聴いてみたが殆ど毎日朝・昼・夕を問わず混んでいるようだった。 このような状況は上記2つの医院だけに限らず大病院から町の診療室まで殆ど同じ状態だと思われる。
平均待合室で待っている患者が5人であろうと20人であろうと一日の診察件数は限られており病院・医院も最大限対応するべく精一杯努力している。 だから予約制にして待ち人数を5人平均にしても医者の診療効率は全く変わらないはずだ。
私がお世話になった逗子・鎌倉の先生はいつも「大変長くお待たせして申し訳ありません」と本当に気にされているようだった。
インターネットで検索してみると多くのシステムが紹介されている。 価格もリーゾナブルで簡単に導入できるはずだ。
満員の待合室で2時間も待っていると病気でなくとも疲れてしまう。
予約制にして困る人はいないので何とかしてもらえないだろうか?
2. Generic医薬品
日本でもTVコマーシャルでおなじみだから説明する必要はないと思うがジェネリック(Generic)医薬品とは特許が切れた後に製造される薬で成分・効能は全く同じでも価格の安い医薬品のことを云う。
アメリカでは医者がMedicare(65歳以上の高齢者を対象とする国家管理の医療保険)の患者に処方箋を書くときは常にGeneric医薬品を優先せねばならないこと。 特定の医薬品(Preferred Brand)を使用するときは医者が患者に説明する義務があることが法律で定められている。
日本の国民健康保険は国家が管理し掛金と税金でまかなっているのだから処方箋は自動的に価格の安いジェネリック医薬品を優先使用するべきである。 専門知識のない患者が医者にジェネリック医薬品の使用を申し入れる制度は本末顛倒で患者が特定医薬品の使用を希望するときのみ医者に申し入れするべきである。 医者が特にそれを使用する場合は医者に説明責任を負わせ患者の了承を得るべきだと思う。
社会保障・医療制度が財政的に危機的状況にある現状からすれば早くジェネリック医薬品優先使用を法律化して欲しい。 これが出来ないというのは厚生省と医師・薬品業界の関係が疑われても仕方がない。
薬品会社は特許期間中に充分利益を得たはずでありGeneric医薬品制度を優先すれば
一般的にも薬価は下がり財政・医療の改革にも随分貢献すると思える。
これを書き終わった直後に次のような記事が掲載されていた。
「11月9日に開催された中央社会保険医療協議会(中医協)の小委員会。厚生労働省が示した後発医薬品の利用促進案があっさり了承された。」-NB online-
年間5000億程度の医療費削減になるようだ。