2013年12月22日日曜日

Good American

アメリカは多種多様でいろんな人がいる。
他人のことに干渉せず他人に迷惑をかけないことを原則に各々自由に生きるのが常識だから外国人にとっても回りを気にせずにすみ住みやすい。しかし本当にいい人と思える人に巡り会うのは滅多とない。
12月22日早朝シアトルからニュージャージーに向かう飛行機に搭乗した。
年配の女性が 窓際の席に座るためやってきたので私たちは席を立ち彼女を通した。
背が高く金髪のショートカット、黒いセーターの黒のカーデガンに控えめのネックレス、同じく黒のパンツで いかにもプロフェッショナル風の出で立ち。
彼女の手荷物を上の棚に入れるのを手伝ったのがきっかけで会話が始まった。
彼女はまず自己紹介し娘さん家族とクリスマスのを過ごすためにヴァージニア州のリッチモンドに行くという。 
年齢は60台半ばというから私たちと同年代、孫も3人いるとかで 家族環境が似ているので話が合う。 
『一番下の孫が自分のことをなぜか”GAGA" と呼ぶので私はいま<Lady Gaga>なのよ。
あなた方はどう呼ばれているの』と笑わせる。
『私たちは 上の孫達は”おじいちゃん,おばあちゃん”と呼ぶけど一番下は”ジージとバーバ” と呼んでいるよ』
私たちの英語が拙いのでゆっくりとはっきりした英語で対応してくれるので判りやすい。
『日本語は”L”と”R”の区別がないのでしょう。』と日本人を良く知っているし『日本人は”L”と”R”の区別がつかない』と云わないところがミソである。後で判ったが息子さんの奥さんが日本人らしい。
相手の状況をいち早く知って同じレベルで話題を繰り出す話術は抜群で一方的に喋るのでもなくさりとて退屈させず相手の話に耳を傾けながら次の話題にもってゆく。10分ぐらいで区切りをつけて自分はタブレットで読書に戻る。 また何かのきっかけで話しかけ話は弾むのである。 普段はあまり喋らない家内も趣味や孫たちのことですっかり意気投合し盛り上がっているようだった。 NJまでの5時間が短く感じるほど楽しい空の旅だった。
1960年代にアメリカ人女性でUniversity of Washingtonを卒業しいまも現役でPrivate School のSpeech Therapist として働いているというから相当の知識教養人に違いない。
Speech Therapistは特別の資格がいるので話し方、おしゃべり術の専門家なのだ。
しかし言葉はあくまで技術、 大事なのは 言葉とともに現れるその人の品格、人柄だろう。
別れ際に彼女がくれた言葉『あなた方が近くに住んでいればいいお友達になれたのにね』ーーー最高のお世辞である。