2014年3月25日火曜日

アメリカの医療と保険(4)


Radiological Surgery Center
Swedish Hospital, Cherry Hill はシアトルのダウンタウンから少し外れた住宅街にある脳の診療と手術をする専門の病院である. 
紹介してもらった脳外科の専門医Dr. Maybergのオフィスに電話すると彼は長期休暇で7月始めまでオフィスに戻らないと云う.(アメリカの医者は毎日早朝からよく働くが休暇をとる時は徹底している. 一ヶ月の休暇は普通)
いくら緊急を要する状況ではないとはいいながら不安を抱えたまま一ヶ月以上待つのは忍耐の限度を超えているので英語と交渉力に長けた息子に病院と交渉してもらって一週間後に別の専門医 Dr. Gwinnに診てもらうことになった..

家内の病気・手術を聴いて一番心配したのは子供達であった. 22年前(当時は二人とも高校生)の大手術を覚えているから不安に思ったに違いない. 息子は医師がMRIの検査結果を見て家内にする説明を同時に電話で聴きたいので医師と病院の許可をもらって欲しいと云った.
日本にいる娘もこれを聴いて夜中ではあるが参加するという.
しかし病院としてはライブで個人情報を病院外に提供するのは例がなくBoardの許可が必要で時間的にも間に合わないので残念ながらこの申し入れは却下された.
息子は病院とドクターの評価を徹底的に調べた. 脳外科関係ではSwedish Hospital, Seattleは全米でもトップ5に入る評価の高い病院であることが判った. 
大きな手術は医師団を組んで行うのが普通である.

1. MRIの写真を見て病氣の性格と対処の仕方、手術の妥当性と方法を総合的に説明するドクター
2. 手術の方法・選択が決まればそれに合った専門の脳外科ドクター
3. 手術用MRIの撮影技師(3Dコンピュータ・グラフィックみたいなものだと思う)
4. 手術用のネットマスクを作成する技師
5. 手術の結果説明とアフターケアの指導をする医師
ともかくここまで多くの人が関わるのかと思うほど多くのドクター&エンジニアが関わっている.

2014年3月24日月曜日

アメリカの医療と保険(3)

Emergency Check
昨年の5月末家内が左足のしびれを訴えた。 以前に左足首を捻挫したことがあるのでその後遺症かもしれないと暫く様子を見ていたが数日後に左顔面から舌先にかけてしびれが出てきたので主治医に相談したら翌朝Swedish Hospital(総合病院)の Emergencyに行くよう云われた。
本人も私も脳梗塞を疑った.主治医もこの症状から判断してEmergencyと判断したに違いない。
* 翌朝7時にEmergencyに駆け込むと同時に受付で名前と社会保障番号を告げ保険証をみせる。 若干症状を説明しようとすると遮られた.(30秒) 基本カルテは主治医のクリニックより病院ネットワークに入力されており同じメディカル・グループなら何時でもアクセス可能である.
* 玄関のカウンターでプリントアウトされたIDブレスレットを付ける.(30秒) 
* 簡易検査室に運ばれる(1分)
* 検査着に着替えベッドに横たわる.(2分)
* 私がEmergency Treatment Fee $100.00を係員に簡易末端でカードで支払う(1分)
* 器械で血圧、脈拍、心電図、などの記録をとり看護師が血液を採取、ベッドで簡易X線写真を撮る。ベッドに座ったままX線写真がとれるとはこの時まで知らなかった。(10分)
* ここまで計15分かかった.MRIをとるため別室に移動。
さらに20分経過してMRIの結果が判明した。
Emergencyとはいえこのスピードにはさすがと感心した.

担当のDr. Davisは頭部左にゴルフボール大の聴覚神経腫瘍が見つかったと告げた.すぐに命に関わることはないが専門医に診てもらう必要があるといいその場で同じ系列 (Swedish Hospital, Cherry Hill) の脳神経外科医を紹介してくれた.翌日オフィス電話してアポイントの時間をとるだけに段取りがしてあった.ワシントン州はITの本拠地だけあって最も進んだ医療システムが構築されている.すべての医療機関はインターネットを通じて個人の基礎データ、病歴や検査結果、現行の投薬や投薬の歴史などにアクセスできる.
ドクターは患者を診るだびに診断結果を末端に打ち込み処方箋も同時にインプットしてクリックすれば指定のドラッグ・ストアに即座にオーダーが入る. 患者は帰りに立ち寄って薬を買う. 
誰でもレジスターしておけばWebを通じてアポイントの予約、診断、検査結果を見ることができ過去のメディカル・ヒストリーも把握できる.

聴覚神経腫瘍は22年前にも煩っており同じ場所に再発したものだった.
その時はニューヨークのPresbyterian Hospital で13時間に及ぶ大手術(Open Surgery)をし回復に2年を要した. 生命の危険はないとはいえ家内は悪夢のような日々を思い出して落ち込んでしまった.
私は病気の内容を熟知していたので(生命に別状はないということと良性で進行が遅い)少しは心配しながらもあまり動揺はなかった.

2014年3月23日日曜日

アメリカの医療と保険(2)

私は政府が実施する高齢者保険(Medicare)の受給者だが家内は一般の医療保険を買っている。アメリカでは高齢者保険を除けば政府がコントロールしている保険はなく一般の健康保険は私的な損害保険と同様、商業活動である.保険をかけようと思えば自分に最適な保険を探さねばならずー(Shopping Insurance)保険を掛けることをー(Purchasing Insurance)といい被保険者は(Client)と呼ばれている.
この数年の一般保険料の急激な値上がりに頭を抱えていた我家であるが今年の保険料(はさらに50%Up(月額$600になる)と通常の範囲を超えている。保険料をセーブする為には保険の質を落とすか(例えば歯科のカバーをはずす)安い保険を買ってイザ病氣になれば 高額の医療費を自己負担しなければならない. 
オバマケアが2014年から実施されることになって昨年の夏ごとから再三にわたり保険会社から「従来の保険は新年度には引き継がれずキャンセルされる」ので新しい保険を買うよう通知が来ていた。
しかし議会と政府の話し合いが付かず混乱が続いていたので保険会社からも12月まで具体的な保険料は提示されずぎりぎりになって暫定保険料で契約する末。 
しかし50%も値上がりすると保険を買えない人が続出。年末時点で600万人の人が新たに無保険になると云われた。 国民皆保険を目指しているにもかかわらずこれは全く皮肉である。 個人のみならず企業もまた苦境に陥った。 企業の大小を問わず保険料が50%も値上がりすると企業の経営に大きなインパクトを与える。 大手上場企業(最大の小売業Walmartもふくむ)でさえ従業員に対する保険の給付を取りやめ保険料補助に切り替えるところも出てきた。 全く先進国のこととは思えないひどい話だ.
保険料を上げたにもかかわらず保険会社のオファーする保険の内容も細かなところでカバーの料率が低くなったりカバーする領域が狭まった。 
素人がこの内容変更の詳細を検証するのは不可能であり全く詐欺まがいだ.昨年夏家内が病氣で手術をしたことからアメリカの医療と保険の複雑さ・悪辣さに否応なく巻き込まれることになりアメリカの「白い巨塔」の実態を知ることとなった。

2014年3月22日土曜日

アメリカの医療と保険(1)

アメリカの医療と保険
アメリカ社会の癌は GUN (野放しの銃)とDRAG (麻薬)それに「医療保険制度」である。 「野放し銃」に関しては乱射事件が頻繁に起こるし麻薬はアメリカの日常として世界中に知られている. しかし医療の問題は100%国内問題であり海外で話題になることはない. アメリカの医療保険制度がいかに複雑で不透明で人々をまた会社を苛立せているか日本では全く報道されていない.
 この問題に付いて少なくとも過去25年、歴代の政府が規制と改革を試みたがいずれもめぼしい成果を上げていない。 それどころかこの問題が取り上げられるたびに国論は二分され現状はむしろ悪化していると思われる。.
日本はほぼ完璧と云ってよい銃規制と国民皆保険が実施されているので感覚的に理解し難いかもしれないがアメリカで普通に暮らしている市民にとっては身近で切実な(人の命に関わる)問題であるから本当に深刻である。

昨年オバマ大統領は議会を強行突破しオバマケアと呼ばれる国民皆保険を制定しこの一月より施行し始めたが残念なことに現実は混乱の極みである。(オバマケアとは安い保険料でベーシックな医療はカバーできるという保険を提供するというもの。主として低所得層と若い世代に保険に加入させることを目的にしている)
いままで(高齢者保険を除き)民間で行われてきた医療保険制度に慣れない,しかも効率の悪い政府が乗り出してきたので実施以前から技術的なシステムの問題とと制度の手直しに追われて大統領の面目は丸つぶれ。 政府と民主党の評判はがた落ちで10月の中間選挙は民主党の惨敗は確実とみられている。

余談になるが一年前から共和党が予算編成と政府支出の上限引き上げの議論に大統領が提案する医療保険改革法案の変更や実施時期の遅延を絡ませたため双方が妥協点を見いだせなかったのがアメリカ政府のシャットダウンという未曾有の事態を引き起こした原因なのである。 (つづく)

2014年3月2日日曜日

アカデミー賞

毎年恒例のアカデミー賞、今年も何となく惰性でTVを見てしまったが個人的には
+ いまの人気スターをまとめて見ることができる.
+ 最近の先端ファッションを見ることができる.
+ 過去一年間のいい映画を総括して発表してくれるのでそれを参考にいくつかの映画を見る
などの利益がある.
受賞は俳優や監督のみならず脚本、写真、撮影, 編集,音楽と映画製作に関わるあらゆる部門が受賞するわけで映画関係者全員の励みとなる.
また忙しい俳優,監督達が映画人として一同に会するのはこの機会しかない. 
年齢をとった往年の大スターが若い女優に支えられて登場するのも年齢をとったファンにとっては懐かしく若かりし頃を思い出すのである. 
つまり映画関係者にとって年に一度の全国大会であり誰が受賞するかしないかは二の次で懐かしい人々に会える全校同窓会みたいなものだろう.
今年ノミネートされた映画のなかでであまり興味のあるものはなかったが敢えて云えば<GRAVITY>ぐらいなものだ. 不作の年なのかもしれない.



2014年2月21日金曜日

女子フィギュア・フリー最終日

昨夜女子フィギュアスケート最終日の放映を見ました.
アメリカのTV局(今回はNBC)の再放送は各競技のアメリカ選手と上位3人ぐらいをダイジェスト版で見せてくれるのが普通ですが女子フィギュアでは珍しく下位グループのトップ3人(浅田真央、鈴木アキコを含む)と上位グループ6人を全員の演技を2時間かけてフルで放映,珍しい!(アメリカの3人が残っているからか?)
とにかく全員のレベルが上がっているのと難しい技に挑戦しないと勝てないということで
非常に緊迫感があり全員が素晴らしい演技で堪能しました.
特に真央,キムヨナ、ソトニコワの演技は圧巻でした.
中でも優勝したソトニコワはジャンプ、ステップ、スピード、ダンスとも申し分なく
躍動感あふれる演技で納得のゆく優勝でした.
キムヨナはほぼ完璧でしたがこの躍動感がありません.
真央ちゃんはSPの失敗から良くここまで立ち直り最後の演技を最高の出来で締めくくったのは彼女自身にも良かったし我々視聴者ファンにとっても気持良く、後味のよいフィナーレでした.
でももし彼女がSPで失敗しなくても優勝は出来なかったと思います.
彼女には何かが足りない. オリンピックで優勝するにはこの何かが必要なのだと思います.

2014年2月2日日曜日

Super Bowl, Seattle Seahawksが優勝

Super BowlでSeattle Seahawksが初優勝した。 シアトル中が湧ている。
リーグ最強のディフェンスと言われていたが下馬評通り圧倒的な力でDenver, Broncosをクラッシュしてしまった。 MVPはOLB(Offensive Line Back)のMalcome Smith(Line BackがMVPをとるのは珍しい) しかし私が見る限りオフェンスも力を発揮した。QB  R. Wilsonのスローもランニングも良かったしRBのM. Lynch, WRのHarvinも良かった。 攻守バランスのとれた総合力での優勝と思う。だから43−8と大差がついた訳だ。
大差がついて普通の試合なら面白くないところだが私はシアトルファンなので楽しかった。
シーフォークスは安上がりのチームでに始めからの(カレッジからの)スーパスターがいない。 上記の3人だってドラフトで5番目下6番目のピックだからSeahawksに入ってから芽が出たのである。 これはキャロル 監督(NFLではコーチという)の目利きでありチーム編成の上手さだろう。 彼はUSC(University Southern California)のコーチ
としては輝かしい成績を残しているがNFLではシアトルに来て初めて成功したと云える。
因に彼の契約は2010より5年間で$33Mil. (約33億円)